物価が高い日本から見たら他の国はほとんど安い!
英国発、世界のトップビジネス誌「The Economist」が、世界の大都市物価ランキング2017年版を発表しました。東京は第4位で3ランクアップ、そして大阪が5位で4ランクアップです。
アジアの物価が上がっている
1位のシンガポール、2位の香港、5位のソウルは前年と変わらず。そういえば3か所とも、日本からの観光客が多い都市。シンガポールはニューヨークを100とするとなんと120です。それに、そのほかのアジアの都市も上方傾向です。
欧米が軒並みダウン
そのほかのベスト10にランクインしている、スイスのチューリッヒ(3位)とジュネーブ(7位)、パリ(同率7位)、ニューヨーク(9位)、コペンハーゲン(10位)は、すべて昨年からランキングを下げています。なんとロンドンは18ランクダウンの24位。欧米は物価が高いという常識も変化しています。
ということは、日本から見たら、ほとんどの国の物価が安いということ!
日本から見たら、ほとんどの国の物価が比較的安いということになります。これじゃ、物価が安い国から選ぼうと思ったらたくさんすぎて難しいですよね。
だったら、コスパのいい旅先でえらんでみるのも賢い方法かも。
世界のバックパッカーが愛する旅行メディア「Lonely Planet」が、2018年コスパのいい旅行先ベスト10を発表。日本よりは物価が安い国の中でも、特にコスパがいい旅先ということになります。まだ観光地として込み合っていない場所も多いので、そういった意味でも価値がありそう。
こちらをその魅力と共にカウントダウン!
第10位 湖南省(中国)|一泊1000円ちょっとから
湖南省の中心である長沙までは成田からなら直行便で5時間ほど。ランキングした中で唯一のアジアの旅行先です。風光明媚な奇岩の立ち並ぶ張家界国家森林公園は圧巻。そして、湖南料理は、中華料理のなかでも特に激辛で、2000円もあればおなかいっぱいです。宿泊は1000円ちょっとから、世界クラスの豪華ホテルまでいろいろ。
第9位 ジャクソンヴィル(アメリカ)|ビール1杯400円
ジャクソンビルはフロリダの中でもちょっとマイナー。地元っ子にはJAXと呼ばれています。35キロも続く海岸、サーフィン、アートにライブミュージックと、じつはアトラクションもたくさん。ビーチのバーベキューを楽しめるレストランは家族経営のものも多くかなりリーズナブル。8か所ある地ビールの醸造所の地ビールは、なんと1パイント(560㏄)が400円ほどで飲めます。
第8位 バハ カリフォルニア(メキシコ)|旨いワインが安い
バハ カリフォルニア州は、アメリカと国境を接するメキシコ最北の州。カリフォルニアのナパのワイナリーと変わらないレベルのワインが、かなりお安い価格で楽しめます。なにより魅力的なのは、これぞメキシコといった田舎町。トドス・サントス、ロレト、サン・イグナシオ、ムレヘ、ラパスなどの街では、格安ながら伝統的な建物に宿泊できる施設が多くあります。
第7位 イギリス|ポンドが安い今がお得
物価が高いことで有名だったイギリス。まさかランクインするとは。2015年EU離脱の決定の後、イギリスの通貨ポンドはどの通貨に対しても安くなったんです。これが、原因なんですね。日本円の場合、2015年に184円を超えていたポンド、2016年には147円、そして2017年には143円台に下がっています。100円だったものが78円になったということ。2割引き以上といったイメージです。
第6位 エッサウィラ(モロッコ)|地元の食べ物が安い
モロッコはアフリカですが、治安もよく旅しやすい国と言われています。定番の観光地といえばマラケシュですが、実はこのエッサウィラへは、イギリスやフランスから確約航空が乗り入れていることもあって、最近人気上昇中。特に食べ物がおいしくてとっても安いんです。ホブズとよばれる平らなパンは50円ちょっと。市場ではイワシが10尾で100円ちょっとといった安さ。新鮮な季節のフルーツジュースも50円くらいで。
第5位 ポーランド|総合的にコスパがいい!
ポーランドと聞けば、ちょっと遠いような、行きにくいようなイメージもありますが、実は日本からのアクセスはドイツの都市などとあまり変わりません。それでいて、なんでも安いんです。宿泊も、食事も。それにワルシャワの旧市街や、古都クラクフ(写真↑)、それに深く歴史と人を感じるアウシュビッツの収容所など、見どころもたくさん。どこも、あまり商業的になりすぎていないものの、しっかりと交通も整備されていて便利で、治安もしっかり大丈夫。手つかずのヨーロッパを楽しめます。総合的にコスパのいい国です。
第4位 ラパス(ボリビア)|一日30ドルで十分な旅
インスタグラムで人気沸騰、日本人観光客が爆発的に増えたウユニ塩湖があるのがボリビアです。そのボリビアもかなりコスパがよさそう。このラパスは、高度3660メートルと富士山よりちょっと低いという高原の街。まずはこの高度に体を慣らす必要がありそうです。
スペイン語学校に通う人も多いようですが、ただ観光に訪れてももちろん魅力的。美しい町並みを散策しつつ、地元の市場に出かけ、ハイキングやサイクリングを楽しんだりとアクティビティ満載。しかも、一日30ドルあれば、宿泊も、おいしい食事も賄うのに十分。あのコペンハーゲンの世界一のレストラン「ノーマ」のシェフのお店もあるとは、グルメも期待できそうです。写真はラパスの公共交通機関の一つ「ミ・テレフェリコ」という名前の、全長10kmもあるケーブルカーです。
第3位 アリゾナ(アメリカ)|割安に自然を満喫!
アリゾナってどこだっけと、地図を再確認するとロサンゼルスのすぐ東側で、ロッキー山脈の一部を含みます。街道沿いの簡素で安いモーテルに、キャンプやハイキングなど、あまりお金を使わない宿泊やアクティビティが魅力。アリゾナ州の魅力は何といっても自然相手のアドベンチャーです。
砂漠の中にそびえるたくさんのサボテンの景色が美しいオーガン・パイプ・カクタス国定公園。グランドキャニオンの南端部は3月〜5月と9月〜10月が比較的涼しくまた観光客も少ないのでおすすめです。また、同じく5月〜10月なら、北端部のほうがすいています。また、国定公園の中には、無料開放日もあるようなので要チェックです。
写真はコロラド川が急激にターンしている絶景「ホースシューベント」。馬の蹄鉄の形になっています。
第2位 ランサローテ島、カナリア諸島(スペイン)|南の島のワイナリー
旅なれた人たちがいま注目しているのが、スペイン本土を遠く離れた、モロッコの東の沖に浮かぶカナリア諸島。特にグラン・カナリア島のランサローテ島がおすすめです。島とはいえ、インフラはきちんと整っていてもちろん快適。宿泊、食事、レンタカーなどが格安です。
まるで月面に降り立ったかのようなティマンファヤ国立公園、オルソラの手つかずの自然たっぷりのビーチに、ラ・ゲリナリーにはワイナリーも。ハイキングコースも多く、大自然が作り出す美しい姿を次々と見て回ることもできます。
第1位 タリン(エストニア)|一人でも楽しそうな東欧レベル物価の古都
バルト三国の一つエストニアは、その最北の国。その首都タリンは海沿いにある小さな都市で、海の向こうに100キロも離れずフィンランドのヘルシンキといった位置です。この小さな東欧の古都はどこにでも歩いて行けるサイズ。ドミトリー、ゲストハウス、民宿まで、安くてフレンドリーな宿泊施設が充実しています。
テリスキヴィ クリエイティブ センターでは最新のアート満載の施設ですが、フードトラックが集まっているので、おいしいもの好きにもおすすめ。最近タリンには先端を行くレストランも多く、グルメの舌をうならせています。また、ローカルな肉料理、パテ、全粒粉のパン、ジャガイモ料理などを出す気軽なお店もたくさんあります。
見どころは、1670年代に作られた地下都市。ロシアからの攻撃に備えて作られました。自転車を借りれば、タリン市街の移動はかなり楽。また、自転車のツアーも充実していて、名所やビーチまで、他の旅人たちと回ることができます。もちろん、地図を片手に一人でも。バー巡りなどの夜遊びも充実しているそうです。
2018年だからこそのコスパのいい旅先。思い切って出かけてみませんか。
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