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世界が騒然!謎の芸術家 Banksyが仕掛けた「破壊の芸術」

Posted by: 倉田直子
掲載日: Oct 18th, 2018.

謎の芸術家「Banksy」(バンクシー)をご存知ですか?イギリスを中心に活動する覆面アーティストで、社会風刺的なストリートアートを世界で展開しています。そんな彼が2018年10月に、また世界の注目を集める大がかりな「アート活動」を行いました。

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世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」 (C)urbanbuzz / Shutterstock.com

謎の芸術家「Banksy」(バンクシー)をご存知ですか?

イギリスを中心に活動する覆面アーティストで、社会風刺的なストリートアートを世界で展開しています。その手法に特色があり、何の前触れもなく街中の壁にグラフィティを残したり、世界的な美術館の部屋に勝手に自分の作品を展示したりといったゲリラ的な出現をすることで知られています。そんな彼が2018年10月に、また世界の注目を集める大がかりな「アート活動」を行いました。それがどんなものだったのか、一緒に見てみましょう。


イギリスにルーツを持つ謎のアーティスト

世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」
そもそもBanksyが覆面アーティストとしての活動をスタートしたのは、1990年代。政治的テーマや戦争、資本主義や人々の偽善に対する風刺をアートに昇華する作風で知られています。彼が好んでモチーフに使うのはラットや類人猿、警官、イギリス王室のロイヤルファミリーそして子供なのだとか。

世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」 (C)chrisdorney / Shutterstock.com

イギリスのブリストルとロンドン近郊で広くストリートアートのクリエイターとして活動するうち、有能なエージェント(代理人)と出会います。素性が分からないという神秘性やエージェントの手腕も相まって、瞬く間にその知名度は世界規模になっていきました。それに伴い、彼の絵の価値もどんどん吊り上がっていきます。

世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」 (C)chrisdorney / Shutterstock.com

そのため2013年には、Banksyのスプレー画が描かれた壁が何者かに盗まれてオークションにかけられるという事件まで起こりました。この時はオークションの終了目前でその正当性が疑問視されたので完了に至らなかったのですが、落札価格は70万ドル以上(2018年10月現在、約7千852万円)になると予測されていました。

1億4千万円の絵を容赦なく裁断!

世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」
そんなお騒がせな話題の多いBanksyが、また大がかりな「アートワーク」を実行してくれました!2018年10月5日に、彼の絵がイギリスの「サザビーズ」でオークションにかけられたのです。これは壁画ではなく額縁に入れられた「風船と少女」(Girl With Balloon)という絵。2006年に出品者がBanksyから購入したものだったそう。2人の電話入札者が競り合った後、最終的に100万ポンド(同約1億4千784万円)で落札されました。なんとこれは、事前の推定値の3倍以上でした。

世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」
そして落札を確定するハンマーが打たれた次の瞬間、その会場で信じられないことが起こったのです。なんと100万ポンドの価値を持つ絵が額縁からシュレッダーにかけられたような「すだれ状」になって吐き出されてきたのです!幸いにも(?)シュレッダーにかけられたのは半分ほどでしたが、あまりの出来事に会場は騒然!

その直後にBanksyは自身の公式Youtubeチャンネルで、「万が一、この絵が将来オークションにかけられたときのために、額縁にシュレッダーを仕込んでおいた」と額縁シュレッダーの制作工程動画をアップ。動画では「数年前」と語っていますが、この絵は2006年に所有者に売られているはずなので、それが本当ならこの騒動は12年前に仕組まれていたことになります。Banksyはアート作品のオークション高額取引に批判的なことでも知られているそうなので、世界中が「風船と少女」に注目しているうってつけの瞬間に「反オークション的破壊行為」を発動させたと言えるでしょう。この行為自体もアート的ですね。

ちなみに、半分すだれ状になったこの絵は、価値が下がるどころか既に落札価格の1.5倍の値がつくのではないかと言われているそう。それも皮肉です。

旅で訪れたい?Banksyのグラフィティたち


そんなBanksyのグラフィティを見られる場所をいくつかご紹介します。

・チェルトナム(イギリス)
世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」 (C)Stephen Clarke / Shutterstock.com

イギリスのコッツウォルズ地方の端に位置するチェルトナムには、電話ボックスの周囲で盗聴しようとしている怪しい男たちの絵が。この絵は、米国家安全保障局(NSA)が、大量の米国民の通話記録、非米国民のインターネット上の情報を入手していたことに対する批判を表現していると考えられています。チェルトナム市内には英情報機関、政府通信本部(GCHQ)があり、米国の事件にも関連していたことからこの場所がターゲットになったようです。

・ブリストル(イギリス)
世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」 (C)MartineDF / Shutterstock.com

初期の活動本拠地であったブリストルにも、Banksyのグラフィティは残されています。風紀を乱す人としてBanksyを拘束しようとしていたブリストル評議会事務所の、目と鼻の先の壁に描かれたのだとか。この人を喰ったような場所のチョイスもさすがですね。今では街の名物となり、多くの観光客が訪れるため、ブリストル評議会もかえってBanksyに感謝しているのだとか。

・ロサンゼルス(アメリカ)
世界が騒然!覆面アーティストBanksyが仕掛けた「破壊の芸術」 (C)anderm / Shutterstock.com

イギリスでの活動が中心のBanksyですが、こちらはアメリカ西海岸ロサンゼルスにある作品。犬がマーキングをしている絵になります。LAの人々も、突然Banksyの絵が出現して驚いたのではないでしょうか。

これから外国(おもにイギリス)を旅行する際は、その場所にBanksyのグラフィティがあるかどうか調べてから訪れるのも楽しそうです。ちなみに、東京にも「Banksyの絵が出現か?」とネットで話題になったこともあるようですが、その信ぴょう性はかなり低い様子。Banksyが現れないのは寂しい反面、日本には彼が批評を行うような注目すべき事件が起こっていないということなのかもしれません。平和の証拠ということでしょうか。

[All photos by Shutterstock.com]
[Banksy]
[Sotheby’s, October 5th 2018]※動画
[Banksy Painting Self-Destructs After Fetching $1.4 Million at Sotheby’s]
[Sale of ‘stolen’ Banksy mural cancelled at 11th hour]

倉田直子

Naoko Kurata ライター
オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/


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