バターと砂糖などをかけて焼き上げた、シンプルながら味わい深い「タルト・オ・シュクル」。フランス北部やベルギー、スイスやルクセンブルク、カナダのケベック州などで食べられているお菓子です。タルトというからには、サクサクした生地かと思いきや・・・?
タルト・オ・シュクルとは?
フランスのレシピサイトで目にした「Tarte au sucre(タルト・オ・シュクル)」。バターと砂糖のハーモニーがたまらなくおいしそうな発酵菓子(ヴィエノワズリー)です。筆者は南西部で暮らしているのですが、南仏のブーランジェリーやパティスリーでは見かけたことがありません。
調べてみたところ、良質な乳製品で有名なフランス北部に伝わるお菓子だということが分かりました。フランスに接したベルギーやルクセンブルクなどでも食べられていて、スイスでは「Gâteau du Vully(ガトー・ドュ・ヴュリー)」と呼ばれている模様。カナダのケベック州でも親しまれているスイーツです。
タルトという名前だけれど、卵とバターたっぷりのふわっとしたブリオッシュがベースのパンタイプが主流。菓子パンに近い印象でしょうか。ここに、バターと砂糖、生クリームを流し入れて焼き上げます。卵を加えることも。
ちなみにカナダで親しまれているタルト・オ・シュクルは、「Sugar pie(シュガー・パイ)」とも呼ばれていて、こちらはサクッとしたタルト生地。ヨーロッパのものとはだいぶ異なり、とっても甘そうな印象です。
日本国内でも買える!
フランス北部の都市リールで、1889年創業のベーカリーカフェ「PAUL」。日本国内でも展開しているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
フランスでも全国区で買えるわけではないタルト・オ・シュクル、PAULで購入できるんです! さすがは北部生まれのブーランジェリー! 国内では「タルト・シュクレ」という名前で扱っています。
PAULのタルト・シュクレを食べてみた
ずっとずっと食べてみたかったものの、これまで出合う機会がなかったタルト・オ・シュクル。意外なところにありました。PAULはフランスの駅構内やショッピングモールにも入っているから、時々利用しているのに! これぞまさに灯台下暗し。
気を取り直し、自宅近くのPAUL店舗に立ち寄り、購入してみました。生地はフォカッチャのように柔らかな弾力があり、噛むとバターと生クリームがジュワッと口中に広がります。
ほんのりカラメル色をした生地表面のパリパリ感と柔らかめの生地の食感のコントラストが素敵。いや〜、おいしいです! 温めていただくと、さらに表面がパリパリとしてさらに美味。
あのパンに似ている!?
食べ進めていくと、日本発祥のあるパンと似ていることに気づきました。何だと思いますか? それはメロンパン! クッキー生地の部分が、タルト・オ・シュクルの表面のカリカリのお砂糖を連想させるから・・・でしょうか。
一緒に試食したフランス人の友人も「食感は違うけれど、味が似てる」との意見。メロンパン、実は日本在住のフランス人の間で人気の高いパンなのです。フランス人にメロンパンが好まれる理由も、タルト・オ・シュクルの試食を通して納得!
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