その恋を何とかしたいなら「眉山の姫宮さん+縁結び茶屋+しっとり寺町さんぽ」【徳島県・徳島市】

Posted by: 鈴木幸子

掲載日: Dec 14th, 2019

徳島といえば、阿波踊りに鳴門海峡、というのが定番イメージですが、まずは徳島のシンボル、聖なる山「眉山(びざん)」を語らずして徳島の魅力は語れません。駅から歩いて行ける、金運・勝ち運・学問・縁結びの神「徳島眉山天神社」にまずはご挨拶してから、旬の徳島スポットを巡りましょう!

徳島人ってとっても朗らか!オチつけて話すところは大阪っぽい?


実は今回、四国初上陸! 初めて徳島人と出会ってみましたが、なんと明るくて大らか!!! そして、担当者の皆さん、なんだか最後にチラリと「笑い」を入れて話してくださる。う~ん、これは関西のノリだなと思ったら、やはりそうでした。今回旅のアレンジを担当してくださった大阪在住の方から言われました。「四国でも、徳島と香川は関西を向いています。高知と愛媛は東京へ向いているのですよ。徳島人はバリバリ関西のノリで楽しいですよ!」。別記事でもご紹介しますが、古くから徳島には藍商人や材木商人が多かったことから、大阪と交流が深かったからだそうです。前置きはこれくらいで本題入ります!

眉山が聖なる山、パワースポットと呼ばれるようになった訳


「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山かけてこぐ舟泊(とまり)知らずも」
万葉集にも詠まれている眉山は、徳島市の中心部に位置する聖なる山。どの方向から見ても「眉」の形をしていることから「眉山」(びざん)と呼ばれ、徳島市のシンボルとして地元の人には古くから親しまれています。そして徳島市内の繁華街は、この眉山周辺に集中しています。聖山と言われるようになったのは、安土桃山時代、国を築いた蜂須賀家の町づくりに起因します。


豊臣秀吉の腹心の家臣であった蜂須賀小六正勝、その嫡男である家政が、四国征伐の活躍により1585年に阿波の領主となり徳島城を築きます。と同時に城下町も整備され、以前の城下町だった藍住町勝瑞から多くの寺院が眉山周辺に移されて寺町が造られました。寺院の数は20以上はあったといいます。現在でも多くの神社仏閣が残されています。春は桜の名所でもあり、夏はひんやりと涼しい。祭りも開かれ人々で賑わいました。

また海に近い徳島は「水」に恵まれず、蜂須賀家と同家を守護した持明院の住職は眉山の湧き水を利用して井戸を作り、国の人々の暮らしを支えます。そして次第に眉山は地元の人々の心の拠り所となっていったといいます。


標高290m。山頂は眉山公園になっていて、晴れ渡った日には瀬戸内海や紀州の山々を望むことができ、夜景のスポットとしても知られますが・・・この眉山の麓に、全国の女子たち憧れの縁結びの神様がいらっしゃいます。その名は「徳島眉山天神社」。

徳島眉山天神社は万能の神様、とくに恋の効き目が抜群なのです!

徳島眉山天神社には、本殿の他に4つの神様が鎮座されています。

1、 学問の神様、菅原道真公を祀る・・・白大夫神社
2、 勝ち運の神様・・・・・・・・・・・九人大明神
3、 金運・商いの神様・・・・・・・・・眉山稲荷神社
4、 恋愛成就・夫婦円満・安産の神様・・姫宮神社


とくに日本有数の縁結びの神として人気を博しているのが、最後の姫宮神社。地元では「眉山の姫宮さん」の愛称で親しまれています。参拝してみると、なんとお宮の中央には眉山の自然石、絶妙な形の大きな陰石が! これはご利益ありそう!!! 古くから縁結、安産祈願として庶民の心をがっつり掴んでいたという事実にうなずけるはずです。


姫宮神社は境内に入って一番左奥にあります。東側から向かうと、木立に囲まれた庭の中をハートや四角の飛び石型(踏石)がありますから、ここを歩いて入りましょう。

四季によって変わる御朱印はまるでアート作品! おみくじもカワイイ!


こちらの神社、四季折々の美しい手書き御朱印が好評です。神様との契りの証である御朱印は、全国で大ブーム。こちらは一枚一枚、宮司の奥様が心を込めて書いてくださいます。ご覧ください、こちらの御朱印の美しさ! 

通常は、太い墨字で画面一杯に描かれるのが常ですが、まるで「絵画」です。それに心が込められていることがじんわりと伝わってきます。これぞ眉山の姫宮さん、次は桜の季節に訪れたい、と思わせてくれます。


おみくじも種類豊富に揃っていて、とくに「姫みくじ」デザインは可愛らしく、全国の女性に注目されているというのも納得です。


元は、徳島・潮音寺という寺院の鎮守として、山梨の恵林寺から持参した神木像を祀ったのが起源とされているそうです。江戸期文化6年(1809年)に徳島藩主の蜂須賀家が代々この神社を保護し、文教の神様として祀ってきました。戦火で焼失した社殿は、昭和49年に再建され、今に至ります。


写真は宮司の滝本さんご夫妻。

徳島眉山天神社(とくしまびざんてんじんしゃ)
住所:徳島市眉山町天神山1番地(阿波踊り会館横)
アクセス:JR徳島駅から徒歩約10分
拝観時間:境内参拝自由(社務所受付9:30~17:00)
電話番号:088-622-9962
HP:https://www.bizan-tenjinsha.org/

神社参拝後は、寺町を歩いてお見合い茶屋「和田乃屋」へ向かいます


徳島眉山天神社を参拝した後は、徳島の伝統菓子「滝の焼き餅」がいただける和田乃屋へ向かいましょう。前述しましたが、眉山天神社周辺は古くから寺町として知られます。春日神社や善福寺、慈船寺ほか神社仏閣が点在し、しっとりとした街並みが続いていて、それらのスポットをゆっくりと散策していると心も和みます。

由緒ある銘菓「滝の焼き餅」のその味は・・


和田乃屋へ入ろうとすると、何やら京都の和菓子店のような趣き! 眉山をバックに、なんとも風情のある佇まいを見せます。店の資料によりますと、蜂須賀家政が1585年に徳島城を築いた際、祝いに献上されたのが和田乃屋の焼き餅という、なんとも貴重な焼き餅でした。


出された「滝の焼き餅」の美しさにびっくり。菊紋の型を押した平べったい形で表面にコンガリ焼き目が付いています。いただいてみると甘さ抑えめでとっても上品。素朴な味わいに魅了されました。

緑は抹茶味、黒は黒ゴマ味です。こちらは石臼で挽いたもち米と米をまずは天日干しして、篩にかけて生地を練ります。藩の御用水だった「錦竜水」の使用が認められたのも和田乃屋のみだったそう。江戸後期の阿波国の特産品番付には「滝の焼き餅」がはっきりと記されているそうですよ。


滝の焼き餅の持ち帰りは、12個で1180円~。季節限定で出される冬の「ぜんさい」、夏の「かき氷和三盆」なども人気です。

和田乃屋はお見合いのメッカ、縁結びスポットでもありました


餅に「滝」という名が付けられているのは、お店に隣接して眉山の岩から湧き出る滝があるからです。店は2階建て。取材時は2階の座敷へ座りましたが、ここから鯉が泳ぐ小さな池とお庭、一筋の滝が見渡せます。

実はこちらのお座敷、古くからお見合いのメッカとしても知られていたそうで、男女のどちらかが先にやってきて、お相手がどんな人なのかを二階の窓からこっそりと盗み見る・・そんな場所でもあったそうです。ここでカップルが生まれることも多かったので縁起の良い「晴れの間」とも呼ばれています。

徳島眉山天神社 → 寺町散歩 → 眉山の麓の茶屋でまったりと過ごす。
いつか想うお相手とともにこの地でデートができることを祈って、恋愛成就の力をいただいてみませんか? 

和田乃屋(わだのや)
住所:徳島市眉山町大滝山5-3
営業時間:10:00~17:00
定 休 日:木曜(お正月・花見期間・阿波おどり期間・祝祭日は営業)
電話番号:088-652-8414
HP:https://wadanoya.com/
PROFILE

鈴木幸子

sachikosuzuki 旅行記者、エディトリアル・ディレクター

出版社勤務や地球の歩き方編集を経て2001年に独立。世界60か国以上を頻繁に取材し、一期一会のハッピーな記事を書いています。JTBるるぶ「アンコールワットとカンボジア」初版制作。著書『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』ほか。有限会社らきカンパニー主宰。「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前です。

出版社勤務や地球の歩き方編集を経て2001年に独立。世界60か国以上を頻繁に取材し、一期一会のハッピーな記事を書いています。JTBるるぶ「アンコールワットとカンボジア」初版制作。著書『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』ほか。有限会社らきカンパニー主宰。「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前です。

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