【漢字で国名当てクイズ9】「以色列」ってどこの国?旅する代わりにチャレンジ!

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 20th, 2021

海外を話題にするとき、「米ニューヨークタイムズ」だとか「露プーチン大統領」と国名を漢字で表す場合がありますよね。そこで漢字表記の国名を紹介します。ちょうどオリンピックも開催を控えて海外に関心が向く時期でもあります。クイズ形式で示しますので、その国がどこを示すのかちょっと考えてみてください。

世界地図
(C) Bloomicon / Shutterstock.com

以色列

イスラエル・テルアビブ

今回も難問です。「以色列」。「以」は「イ」と読むとわかりますが、「色」「列」はどう解釈すればいいのでしょうか?「色(ショク)」+「列(レツ・レチ)」だとすれば、「イショクレツ」。このような国名は、ついぞ聞いた覚えがありません。

しかし実際は、この漢字表記がわからないだけで、成人以上の日本人であれば、ほぼ確実に知っている国です。『広辞苑』(岩波書店)でその国名を見ると、「神が支配する」という意味が国名の由来としてあるのだとか。とはいえ、その美しい響きとは正反対に、この国では建設の可否を巡って悲しい争いがずっと繰り返されてきました。

どこだと思いますか?「神が支配する」場所でありながら、国家建設を巡って争いが繰り返されてきた「イ」で始まる国です。

イスラエル・エルサレム

答えは「イスラエル」ですね。

このイスラエル、一体どういった国なのでしょうか?日本の外務省がまとめたイスラエル国の基礎情報によると、国土の広さは日本の四国くらい(東エルサレム及びゴラン高原を含む)。人口は923万人ですから神奈川県民の数と同じくらいですね。

民族の構成はユダヤ人(約74%)、アラブ人(約21%)です。しかし、もともとこの土地にこれほどユダヤ人は多くありませんでした。

イスラエル・死海

ユダヤ人増加の始まりは、ペリシテ人の地=パレスチナ(地中海南東岸)がオスマントルコ帝国の支配にあったころ、各地に離散していたユダヤ人の入植が始まった時期にまでさかのぼります(シオニズム)。第一次世界大戦でイギリスの植民になってからもユダヤ人の入植は続き、徐々に勢力と居住地を地中海の南東岸に拡大していきます。

もともと現地に暮らしていたアラブ人からすれば、おもしろくありません。にもかかわらず第二次世界大戦が終わると、ドイツのヒトラーに迫害されていたユダヤ人が一層集まってきます。次々に入ってくるユダヤ人とアラブ人とのトラブルが絶えなかったため、イギリスは国連に問題をゆだねて手を引きます。イギリスが1948年に手を引いた瞬間に、ユダヤ人はイスラエルの建国を宣言し、その建国を認めない周辺のアラブ人諸国は翌日に武力侵攻しました。

イスラエル国旗を持つ少女

その後、似たような戦争が3回、合計で4回起こります。戦争を繰り返す中で結果としてイスラエルが自分たちの国土だと主張するエリアを徐々に広げていきます。その生々しい歴史が、いまだに周辺の国々の人たちに大きな影響を与えているのです。

[参考]
イスラエル国(State of Israel)基礎データ – 外務省

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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