亜爾然丁
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このレベルになると、いよいよ当てずっぽうの推理すらできなくなってきます。一体「亜爾然丁」とは地球上のどこにあるのでしょうか? ヒントは南米大陸です。ちょっと前に、この国の「英雄」が亡くなり、世界中でニュースになりました。
日本のお笑いコンビ・ジャルジャルのネタに「国名分けっこ」という言葉遊びがありました。この中にも登場しています。「国名分けっこ」とは2人1組で楽しむ遊びで、片方が「アメ」と言ったら、もう片方の人が「リカ」と応えて国名を完成させるゲームですね。
そのネタの中で、繰り返しこの国は取り上げられました。確かに言われてみると、語尾が日本人にとっては特徴的な響きを持っています。
上の漢字では、「丁」の部分が印象的に発音されます。漢字辞典『漢字源』(学研)を調べると「丁」の字は「チョウ」と読む他に「テイ」と読むとも書かれています。この音を「ティ」「ティン」的に解釈して「チン」の音写として採用したのでしょうか。
「丁」の前の「然」は「ゼン」ですから合わせると「ゼンチン」です。順序は反対になってしまいますが、「国名分けっこ」をやってみましょう。「?」+「ゼンチン」です。答えは「アル」+「ゼンチン」ですね。
すごく印象的な響きの国ですが、「Argentine」は12世紀ごろの古いフランス語「argentin」から来ていると語源辞典「Online Etymology Dictionary」に書かれています。さらにさかのぼると、ラテン語の「argentinus」「argentum」があり、根源的にはインド・ヨーロッパ祖語の「agr-」にたどり着きます。意味は「輝く、白い金属=銀」の意味を持つ言葉なのだとか。
銀といえば、メキシコとペルーが真っ先に思い浮かびます。しかし日本の外務省によると、アルゼンチンの主要輸出品の中に貴金属が入っていて、さらに調べてみると、金の副産物として銀の産出も目立っているようです。
同国北部のピルキタス鉱山では大変な量の銀が採掘できるそう。在アルゼンチン日本国大使館によると、ブエノス・アイレスに注ぎ込むラ・プラタ川の河口にスペイン人探検隊が到着した時、インディオは探検隊に贈り物として銀を渡したとの歴史もあるといいます。
オリンピックでアルゼンチンの国名を聞くたびに、語源に含まれた「銀」の響きを感じ取れるとすてきですね。
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[参考]
※ アルゼンチン共和国(Argentine Republic) 基礎データ – 外務省 ※ 基本情報 – 在アルゼンチン日本国大使館
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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