体とシートのすき間を埋める
救急ばんそうこう「ケアリーヴ」や「セロテープ」などを製造販売するニチバンが、「自粛痛」と「睡眠」をテーマにセミナーを開催。快眠セラピストの三橋美穂さんが、新型コロナウイルス感染症の自粛で体の不調を感じる人に向け、快眠のコツを紹介しました。
そのイベントにTABIZINEのライターとして筆者が参加し、ちょっと本題とはずれる質問ながら、フライトでの快眠について三橋さんに教えてもらうことができました。三橋さんは睡眠の専門家で、寝具メーカーに勤務後独立し、1万人以上の睡眠をサポートしてきた実績があるそう。人の頭を触ればどのような枕が合うかすぐにわかってしまうくらいなのだとか。
そんな三橋さんによれば、機内での睡眠のコツは「体とシートのすき間を埋める」だと教えてくれました。機内に座ったところを想像してください。背筋を伸ばして座ると、首の後ろ、腰の曲線がシートから浮きます。機内で快眠を得るためには、このすき間を埋める努力から始めるといいようです。
機内にあるブランケット・枕を腰の後ろに詰めたり、首周りにセーターやパーカーを巻いたり、とにかくすき間をなくす作業から始めてみましょう。
アイマスクとフードのついたパーカー
ポイントはほかにも。快眠を妨げる光の問題をクリアするために、アイマスクは必需品だとも教えてくれました。機内が消灯したとしても、近くの席の人がモニターで映画を見ていたり、スマホを見たり、読書灯をつけたりすれば、その光は眠りを妨げてくるからです。
パーソナルスペースが確保されていないと落ち着かない=眠りが浅くなる傾向も、人にはあるようです。災害などの避難所でパーソナルスペースの確保が叫ばれる理由も、このあたりと関連しているのかもしれません。
そこで機内には大きなフードのついたパーカーを持ち込んで、すっぽり頭からフードを被って眠れば、パーソナルスペースが確保できるとのこと。パーカーがない場合は、頭に大きめのハンカチを被るだけでもかなり違うと教えてくれました。アイマスクと組み合わせて試してみてください。
足元にかばんを置いて足を乗せる
足元の工夫についても聞きました。足を下げたまま寝ると、脚全体の血行が悪くなり、眠りも妨げられるのだとか。
国際線のビジネスクラス以上なら、シートがフルフラットに倒れる場合もありますが、エコノミークラスでは足元にそれほどのスペースがありません。脚を上げられない状況では、例えば足元にかばんを置いて、その上に足を乗せながら寝るなど、少しでも足が上がる工夫をすると眠りは深くなるそうです。
また、心身の緊張やこわばりは、快眠を妨げる要素になるといいます。機内でストレッチや運動ができると理想的ですが、狭いエコノミークラスのシート、さらに窓際などになると機内の散歩もできません。
そこで三橋さんが教えてくれた方法が「手首ぶらぶらストレッチ」。肩の力を抜き、肩の高さまで手を上げて、左右へ20~30回ほどぶらぶら、同じ回数くらい前後にぶらぶらさせます。それだけで肩回りの筋肉がほぐれるのだとか。起きている間は1時間に1回など伸びをする、脚をマッサージするなど、体の負担軽減を意識しながら、できるだけ心身の緊張を蓄積しないようにして消灯時間を迎えられると理想的ですね。
以上が機内での快眠のテクニックです。ちなみに旅先への長距離移動で肩や首、腰に痛みがあると、やはり快眠は難しいと思います。痛みに自覚のある場合は、無臭タイプの湿布薬「ロイヒ膏ロキソプロフェン」をフライト前に空港の薬局などで買って張っておくなどもいいかもしれません。
取材協力:ニチバン
https://www.nichiban.co.jp/
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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