
ハーゲンダッツに認められた酪農王国

まずは浜中町について簡単に紹介させてください。浜中町は釧路と根室のほぼ真ん中に位置し、海岸は太平洋に面します。広大な台地、且つ夏でも気温は25度を越える日はほとんどない冷涼な気候ゆえ、古くから酪農が盛ん。さらに海のミネラル分が海霧とともに牧草地に降り注ぎ、栄養豊富な牧草を牛が食べることで、おいしい生乳が作り出されるのだとか。
特筆すべきは浜中町農協が昭和56年(1981年)、全国に先駆けて「酪農技術センター」を設立したこと。各牧場が生産する生乳のみならず、土壌の成分や牧草の栄養価などのデータ分析を徹底したそう。
この取り組みによって牛乳の品質は格段に向上。ハーゲンダッツが日本に進出する際、牛乳生産の拠点として選んだのが、この浜中町でした。約40年間にわたって牛乳を提供していることからも、どれほど良質で美味かがわかります。

(C)浜中町
人口5,500人に対して、浜中町で飼育される乳牛は約2万4,000頭! 北部は、ほぼ全域が酪農地帯で、見渡す限り牧場が広がります。そんな美しい牧場風景を一望できる専用の展望台もあるほど。
浜中町の美味がひしめく生協

そして、やって来ました「コープはまなか」。古くより地元の人に愛される、地域に根ざした生協です。浜中町の西の玄関口、茶内駅からは徒歩約5分。

早速牛乳コーナーへ。ここで目に入るのが「Takanashi」というポップ。そう、ハーゲンダッツ向けの牛乳を作っているのはタカナシ乳業なのです。
浜中町の牧場で生産されるほぼ全ての生乳は、同町にあるタカナシ乳業の工場に一旦集められます。そこからタンクローリーで釧路に運ばれ、フェリーで全国の工場へ届けられた後に製品化されるそうです。つまり、ここに並ぶのは長い旅路をたどったもの。ちなみにタカナシ製品が販売されるのは、北海道ではコープはまなかのみ。実に貴重な場所といえるでしょう。
無調整なのに乳脂肪分「4.0」を実現

ハーゲンダッツが使用する牛乳と同じ「タカナシ北海道4.0牛乳」。浜中町産の生乳だけを使った成分無調整牛乳です。ここで注目すべきは乳脂肪分が4.0という高濃度ながらも「成分を調整していない」ということ。一般的な濃厚系は、そのほとんどが加工されており、そもそも牛乳と名乗れません。同商品が1年を通じて生産可能となっているのは、生産者や農協による努力の賜物です。

「タカナシ北海道4.0牛乳」は200mlのボトルタイプ「#ボトルミルク特濃牛乳」も用意されています。買ったその場で飲みたいという人にもピッタリです。
一口飲んでみると・・・驚くべきおいしさ! まるでハーゲンダッツのバニラを溶かしたような、濃厚なコクとやさしい甘み。1本155円(税込)とやや高値ながら、期待を裏切らない極上の味わいです。訪れたときはコロナ禍の影響でありませんでしたが、4月下旬~10月下旬までは「タカナシ4.0牛乳」を使ったソフトクリームも販売されるそう。これは絶対に食べたい!
地元の特産物も多彩なラインナップ

地元産の野菜や果物、さらに天然昆布や昆布出汁など浜中町の特産品も充実しており、お土産探しにも最適。生協であるがゆえ、観光客向け値段でないのも大いなる魅力です。

鮮魚売り場では浜中町近郊で水揚げされた海の幸がズラリと並びます。都内では高値が続いているさんまですが、さすがは地元、2尾で225円!

鮭のアラも白子入りで100円。石狩鍋にしたら、さぞかしおいしそうですね。

道東に多く生息するタラの一種「こまい」。北海道の家庭の食卓に頻繁に登場する魚のひとつだそう。

自然環境に恵まれた浜中町は養豚も盛ん。チーズを作る際にできるホエイで育てた「北海道はまなかホエイトン」は隠れた北海道名物。肉質は柔らかく、さっぱりした脂感が特徴。クール便での配送も可能なので、旅後の楽しみに購入してみるのもアリですね。
ハーゲンダッツに認められた由緒正しき牛乳をはじめ、特産物も充実の「コープはまなか」。浜中町を旅したときは、豊かな食生活を垣間見に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
コープはまなか
住所:北海道厚岸郡浜中町茶内栄65
電話:0153-65-4700
営業時間:月~金 9:30~18:00、土 9:30〜17:00、日 10:00〜15:00
[All photos by Nao]
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Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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