日本一の炭酸量!?10秒で全身が泡まみれの秘湯「七里田温泉下ん湯」をレポート

Posted by: Nao

掲載日: Dec 13th, 2021

炭酸量が日本トップクラスといわれている、大分県竹田市の七里田温泉。同地の共同浴場「下ん湯」は、全国的にも珍しい自噴の炭酸泉で、お湯に浸かれば数秒で全身が泡まみれ! みるみるうちにからだが温まり、誰もがその濃厚な成分を実感できるのです。そこで今回は、数々の炭酸泉を制覇してきた筆者が、温泉マニアからも注目されるこの秘湯を体験したので、その魅力をお伝えします。

七里田温泉 下ん湯

のどかな農村に佇む「七里田温泉」

七里田温泉 大分

「おんせん県おおいた」の名の通り、温泉の湧出量・源泉数ともに全国1位を誇る大分県。別府や湯布院など全国に名だたる温泉地のみならず、多彩な温泉が県内に点在しています。

くじゅう連山の東南麓、竹田市にある「七里田(しちりだ)温泉」も個性ある温泉のひとつ。別府市からは車で1時間ほど。周辺にはのどかな田園風景が広がり、初めて訪れるのに不思議なほど懐かしい気持ちに。

共同浴場「下ん湯」は無人のため、入浴券は近くにある七里田温泉館の券売機で購入。入浴券と鍵の保証金(1000円)を受付の方に渡し、鍵を受け取ります。

七里田温泉 大分 下湯

七里田温泉館から「下ん湯」まではおよそ100m。道しるべにしたがって3分ほど歩きます。周りには土産物屋などの商店はなく、静かな日常に溶け込んでいる姿も魅力と言えるでしょう。

殿様も入ったという由緒正しき温泉

大分 下湯

「日本無類の炭酸泉」と書かれた看板がある建物が「下ん湯」です。弥生時代から湧いたと伝えられる七里田温泉。この「下ん湯」は460年前から地元の人々に親しまれ、岡藩の殿様も入ったという記録も残っているそう。現在の建物は50年以上前に建てられたもの。飾らない素朴な佇まいがいいですね。

浴室は左右対称に男湯と女湯に分かれています。脱衣所は服を入れるカゴなどもなく、限りなくシンプル。果たしてどんな温泉なのでしょうか? 期待に胸を膨らませて扉を開けると……

七里田温泉 下湯

なんと浴場には湯船だけ! 6畳ほどの空間の半分以上を占めています。ボディシャンプーや洗面器は置いてあるものの、シャワーはおろか蛇口さえありません。これぞ秘湯というべきディープな雰囲気に気分も高揚します。加熱などを一切行わない、完全なる源泉100%かけ流し。湯船から大量のお湯があふれ続け、床はひたひた。

下ん湯 炭酸 日本一

水面には銀色の小さな泡がぷかぷか浮いています。うっすらと湯の花が張っていて、鉄分が豊富であることが一目瞭然。

奇跡のシュワシュワ感!

七里田温泉 下ん湯

お湯に浸かって10秒もすれば、体中に小さな泡がびっしり! 泡は次第に大きくなり、バチっと音をたてながら、水面でシュワシュワと弾けていきます。まるでシャンパンに浸かっているかのよう。

大分・長湯温泉の「ラムネ温泉館」など数々の炭酸泉を制覇してきた筆者ですが、これほどの泡付きは初めて! まとわりつく泡のオーラはクセになりそうな感触です。

湯口付近では大小の泡がボコボコと沸き上がっています。この「下ん湯」は全国的にも珍しい天然の自噴温泉。建物のすぐ裏手で自噴していて、その源泉から大量の湯が直接注ぎ込まれているそう。新鮮な炭酸泉を楽しめるのも、ここならでは。

お湯の温度は37℃前後。ぬるめながらしばらく浸かっていると炭酸効果で血行がよくなってきて、ポカポカと体の芯から温まってきます。もはや永遠に浸かってられそうな心地よさ。

温泉ツウの間で「炭酸体感日本一!」とも称され、人気が高まりつつある「下ん湯」。湯船は10人ほどが入れる大きさですが、感染症対策のため現在は最大6人に制限しており週末は行列ができることもあるそう。待たずに入るには営業開始に合わせての訪問がおすすめです。とはいえ共同浴場はあくまで地元の方々の入浴の場。利用するときはマナーを守り入浴を楽しみましょう。

七里田温泉 下ん湯

  • 住所:大分県竹田市久住町大字有氏4058
  • 電話番号:0974-77-2686
  • 営業時間:9:00~21:00(最終受付20:00)
  • 定休日:毎月第二火曜日
  • 入浴料:大人500円、子ども200円

[All photos by Nao]

PROFILE

Nao

Nao ライター

メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。


メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。


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