
フランスにない駅弁文化

日本人にとって「駅弁」という言葉自体、旅情を誘うものではないでしょうか。駅弁は地産のものが使われ、その地にしかない名産が弁当箱に詰まっています。お弁当の蓋を開けると、その土地の風土が感じられるものです。駅弁の奥深い味、その匂い、そして列車の窓からの景色が記憶の中で交差し、旅の思い出を形作ります。
そんな日本が誇る素晴らしい文化、駅弁ですが、残念ながら外国では根付いていません。しかし、フランス人に「駅弁ってこんなんだよ」と紹介すると、「それは素晴らしいアイデアだね」と口をそろえて言います。というのも、フランスでは、長距離列車で食べるものと言えば、チェーン店のサンドウィッチが定番。特においしいものではなく、とりあえずお腹を満たすために食べるので、それが思い出に残ることはないからです。個人的には、地方の駅で、駅弁のような地産のものが簡単にティクアウトできる食文化が根付いてくれればと思っているのですが……。
それでは、次に、花善の駅弁を見ていきたいと思います。
鶏めし弁当

鶏めし弁当は秋田駅で販売されている駅弁です。なんと昭和22年から販売されているそうで、いくつもの駅弁の賞を受賞しているという、日本でも有名なお弁当。
今回パリ・リヨン駅で販売されている鶏めし弁当のお米は、あきたこまちを使用していて、約70年間も守られてきた秘伝のスープが使われているとのこと。
鶏肉の旨味がしっかり感じられる、鶏めしです。
秋田弁当

秋田弁当は、遠いフランスから秋田へと一瞬旅行しているような感じにさせられる駅弁です。鶏めしは勿論のこと、秋田の名物きりたんぽ、稲庭うどん、能代うどんが入っています。秋田でしか食べれないものばかりで、フランスにいながらも秋田の食文化を知ることができるようになっています。
また、稲庭うどんはバジルソースで味付けしていて、ヨーロッパの食文化にも寄せているのが印象的でした。

その他にも、肉弁当、寿司ベジ弁当、おにぎり弁当などがあります。
パリ・リヨン駅に駅弁が出店されるのは、本当に素晴らしいこと。駅弁を通じて日本の地方文化をフランス人に知ってもらえたらと願うばかりです。
パリ花善

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Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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