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春先から夏にかけてパリの公園を散歩していると、ベンチや芝生に座り、日光浴をしているフランス人の姿を見かけます。特に夏場は、女性はビキニ、男性は上半身裸で、何時間も芝生の上で寝転がり、日焼けをする人の多いこと! なぜフランス人はここまで太陽を求めるのでしょうか。
夏は太陽を求めて南へgo
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夏はフランス人にとって、心踊る季節。日照時間も長くなり、長ければ22時ぐらいまで太陽は沈みません。祭りのような雰囲気が漂っていて、セーヌ川沿いやカフェでは、毎晩のように陽気にアルコールを楽しむフランス人の姿があります。この時期のフランス人の楽しみといえば、太陽を求めて南へバカンスに行くこと。
7、8月のフランス人に人気のリゾート地コートダジュールのビーチは、 とにかく人、 人、 人で溢れかえっています。太陽の下に椅子をおいて、本を読んだりしながら日光浴をしたり、ビーチにシートを敷いて、一日中日焼けをする人の姿があります。多くのフランス人にとって、ビーチで過ごすひとときは、至福の時間なのだそうです。
厳しい冬を超えて
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なぜ、フランス人はここまで太陽を求めるのでしょうか。その理由の一つはフランスの天候にあります。フランスの冬は、日照時間が少なく、曇りの日がとにかく多いのです。冬至の頃は、日の出は8時半以降。夜が長くて、晴れ間も少ない……。フランス人のように太陽を求めない筆者でも、げんなりとすることがあるほどです。
そのため、厳しい冬を乗り越えて、夜がどんどん短くなっていく春先から、フランス人は太陽がある喜びを噛みしめるかのように、日光浴を楽しむのです。
小麦色の肌が美しい
もう一つの理由は、フランスでは、小麦色の肌が美しいという美の概念があるからです。日本では、美肌対策のため、絶対に日焼けをしたくない人が多いですが、フランスでは日光浴でこんがりと焼いた小麦色の肌は美しく、逆に日光に晒されていない白い肌は健康的ではないと考えられています。広告などでも、輝くような小麦色の肌をしたモデルが多く、こんがりと日焼けした肌に憧れる人が多くいるのです。
フランスでは、この頃、日照時間も増え始め、春先が感じられるようになりました。寒くて暗い冬も終わり、柔らかい日差しが注ぎ始めています。太陽が照っている喜びを感じるように、フランス人が太陽を求める季節が始まります。
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