「金時神社ルート」金時山で富士を愛でよう
ほぼ毎年、春になると「金時山」に登ります。冬の間にたるんだ体にカツを入れるためです。金時山に登るルートは複数ありますが、もっともメジャーなルートは「金時神社(公時神社)」から登るルートでしょうか。登りの所要時間は2時間弱といったところ。
車で向かうときの目印は金時ゴルフ練習場。練習場の前に広い駐車場があり、車でのアクセスが便利です。駐車料金は、以前は500円でしたが最近800円になったようです。
公共交通ではバスタ新宿から高速バスがあり、金時神社入口バス停に停車します。また、箱根湯本駅からは箱根登山バスの路線バスも走っているので、ご確認ください。
金時神社入り口の手前には、きれいなトイレもあります。
金時神社にお参りして登山開始。ちなみに金時神社は「まさかり担いで、金太郎~」のあの金太郎こと、坂田金時を祀った神社といわれています。坂田金時は、平安時代の武将・源頼光に仕えた「四天王」のひとりで、相模の国・足柄山に育った力自慢の怪童といいます。
この金時神社ルートでは、金太郎にまつわる伝説の数々を楽しみながら登ることができます。金時神社には金太郎がクマと相撲を取ったと伝わる土俵があり、マサカリも祀られていいます。
上の写真は、金太郎が幼ない頃に母親と暮らしていたという伝説が残る「金時宿り石」。大きな石が真っ二つに割れています。
ちょっと汗をかいたところで2時間もたたないうちに、山頂に到着。途中に危険箇所はありません。
山頂には静岡県側に「金時茶屋」、神奈川県側に「金太郎茶屋」の2軒の茶店があるので、携帯食だけで登ることもできます。「まさカリーうどん」や「キノコ汁」などもあります。そして山頂にはバイオトイレもあります。チップの100円をお忘れなく。
山頂では、大勢の登山客があちこちでくつろいでいます。そして雲がかかっていなければ、上の写真の通り、「天下の秀峰 金時山」と書かれた標識の向こうに目を向けると、大きな富士山が広大なすそ野を広げているのに驚くはず。2時間ほどの登りですが、感動と満足感を十分に得ることができる山歩きです。
もうひとつ、初心者におすすめのコースが乙女峠バス停からのコース。乙女峠のバス停から乙女峠を通って金時山に至るコースで、2時間もあれば十分に登れます。
健脚なら「箱根外輪山・明神ヶ岳ルート」も
箱根の外輪山のひとつ「明神ヶ岳」に登って、縦走を楽しみながら金時山に登り、金時神社へ降りるルートも楽しい山歩きができるコースです。全行程12kmほど。
明神ヶ岳の登山口は、箱根登山バスの宮城野支所バス停です。小田原駅や箱根湯本駅から桃源台、湖尻行バスに乗ってください。箱根登山鉄道の強羅駅からも歩くことができます。
明神ヶ岳の上り坂は案外きついかもしれません。すぐ左下を見ると強羅の街並みがよく見えます。バス停から明神ヶ岳までは2時間ほど。
明神ヶ岳から金時山までは標高1,000m前後のアップダウンが続きます。縦走を楽しめます。背の高い笹が視界をさえぎって、展望はそれほどよくないかもしれませんが、途中、右下に見える強羅の展望が癒やしてくれます。
明神ヶ岳からは2時間40分ほどで金時山に到着。標高は高くありませんが、けっこうハードな山歩きのコースです。それだけに山頂からの富士山の雄々しい姿には感動することでしょう。合計で5時間ほどのコースになるので、水と携帯食を必ず持って登ってください。
なお、北側に位置する足柄峠から金時山へ向かうルートは、2022年4月現在も金時山山頂直下の鉄階段が崩落しているために、金時山山頂までの通行はできなくなっているとのことです。
居心地の良い箱根強羅温泉「温泉ホテル 強羅館」
源泉かけ流しと無料の貸し切り風呂でのんびりでき、しかも価格もリーズナブルな宿が強羅にある「温泉ホテル 強羅館」です。日帰り入浴もでき、個人的にはこれまで箱根の山に登ったあとに何度もお世話になってきました。ずっと気になっていたので、今回初めて宿泊してみたのです。
強羅館は強羅駅から徒歩わずか3分。こぢんまりしていますが、落ち着いた雰囲気の大人の宿。ロビーラウンジにある大きな窓は開放感があります。宿の創業は1956年といいます。以前は木造の風情ある建物でしたが、2004年に改装して全8室のモダンな宿になりました。
今回の部屋は南東に向いた、気持ちのいい3階の角部屋。8畳に広縁があって、ゆったりとくつろげます。もともとは6畳の部屋を予約していたのですが、空室だったのでアップグレードしてくださったのです。
窓の向こうには箱根の外輪山、明星ヶ岳が目の前にそびえます。この明星ヶ岳で毎年8月16日に箱根三大祭りのひとつ、「箱根大文字焼」が行われるそうです。斜面に残る大の文字も窓からよく見えました。
源泉かけ流しの白濁湯でのんびり
楽しみなのが、源泉かけ流しの温泉です。ちなみに強羅温泉は大涌谷で蒸気を川に溶かして温泉を造る「造成温泉」。硫黄の香りのする、緑がかった乳白色の温泉は魅力的です。pHは強酸性の2.2だとか。
建物全体はモダンな造りに改装されていますが、浴室はあえて昔のままにしているようです。館主さんの温泉へのこだわりを感じます。
この内湯には日帰り入浴もできます。料金は1,000円。昔から登山帰りにしばしばお世話になってきました。
貸し切り風呂は、それほど広くはありませんが無料。空いていれば何度でも自由に入浴できます。
食事も丁寧に作られています
夕食はお食事処、襖で仕切られた席でいただきました。先付、前菜、椀もの、お造り、進肴、煮物、焼物、強肴、お食事、デザートと、それぞれの盛り付けが美しく、味も上品、丁寧に工夫を凝らしているのがわかります。
上の写真は甘鯛の山椒焼きと桜鯛の蒸し物。見た目も味わいも上品です。
朝食もパーフェクトでした。温泉よし、食事よし、居心地も最高で、これでひとり12,000円ほどですから、たいへんお値打ちの宿でした。
[All Photos by Masato Abe]