宝石のような和菓子が並ぶ「ににぎ」

突然ですが、「虫養い（むしやしない）」という言葉をご存じでしょうか？　実はこれ、京都の言葉で、軽食や甘味で小腹を満たすことを指すのだとか。グウ～ッと鳴くお腹の虫を、おいしさで収める……ウイットに富みながら、美しさも感じる京都らしい言葉ですよね。

そんなときに、つい食べたくなるような「むしおさえ」の数々を販売するのが、今回紹介する「ににぎ」。伝統的な和菓子にとらわれず、さまざまな素材との組み合わせにも挑戦して、新しい和菓子を作り出しています。

JR東京駅にある「ににぎ グランスタ東京店」の店構えは、和のテイスト一色ですが、ショーケースをのぞき込めば、まるで宝石のような和菓子がズラリ。こちらは、フルーツを贅沢に包み込んだフルーツ大福が人気のお店なんです！

いちごだけじゃない！　胸ときめくフルーツ大福のラインナップ

大福＆フルーツの組み合わせとして、切っても切れない仲なのがいちごですよね。そんないちご大福を2種類から選べます！

いちごとなめらかなこしあんを餅で包んだ「いちごの福」。そして、いちごと白あん、ホイップクリームを餅で包んだ「王様 いちごの福」です。こちらは和と洋の最高の組み合わせで、人気No.1商品なのだとか。

そのほか、マンゴーやパイン、そして栗など、なんともそそるラインナップ。季節によってフルーツは変更になるそうですが、このショーケースを覗いたら、必ずや「どれにしよう」と、ニヤニヤしながら悩んでしまうことでしょう！

それでも、「決められない！」という人にぴったりなのが「祇園ぽっちり」。なぜぴったりなのかは、お持ち帰りして、この魅力をじっくりとお伝えしたいと思います。

ひみつは「ぽっちり」というワードに隠されている

お持ち帰りした「祇園ぽっちり」は、花と蝶々が描かれた華やかなデザインのフィルムに包まれています。手に取ると、ふんわりとしたお餅の感触に加え、ゴロゴロとした中身の存在を感じます。

そもそも、この「ぽっちり」とは、多くの置屋に代々伝わる舞妓さんの帯留めのことで、「転ぶときは、ぽっちりを守って」と言われるほど、高価で貴重なものだとか。そんなぽっちりをイメージして作られたというこの大福とは、一体どのようなものなのでしょうか？　思い切って半分にカットしてみましょう！

そうなんです。この「祇園ぽっちり」とは、たくさんのフルーツが入った贅沢すぎる大福なのです！　イチゴ、ブドウ、バナナ、栗、ブルーベリーと、5種類ものフルーツを、ホイップクリームとあまおうの苺あんで包み込んでいます。どこから食べてもフルーツに当たり、また、どこから食べてもフルーツのおいしさを感じることかできます。

イチゴの甘酸っぱさ、噛むと弾けるようなフレッシュなブドウ、一瞬にしてトロピカルな雰囲気になるバナナ、ホッとするような栗の安定感、ブルーベリーのみずみずしさ……。ほんのり酸味を感じる苺餡に濃厚なホイップクリームも、驚くほどよく合い、和菓子と洋菓子のいいところを1つで味わえる、そんな特別感があります。

美しく繊細で、食べる人の胸をときめかせてくれる「祇園ぽっちり」。その名に負けないおいしさでした。

どらやきも見逃せない！

また、フルーツ大福のほかにも、見逃せない和菓子があります。それが、どらやき。沖縄県産の黒糖をたっぷりと練りこんだ黒糖どらやき「そやかて」は、「ににぎ」自慢の商品なのだとか。また、青森県産の林檎をコンポートして、粒あんに合わせた「林檎のどらやき」もあります。今回は、「林檎のどらやき」もお持ち帰りしてみました！

開封すると同時にふんわりと漂うのが、華やかな香り。どら焼きのおなじみの香りに、爽やかな林檎の香りも混ざり、一瞬にして明るい気分になります。半分にカットしてみれば、ダイス状にカットされた林檎がたっぷり！　

しっとりやわらか食感の生地にも感動しますが、ふっくらとした粒あんに、ほどよく食感が残った林檎は、相性抜群。やさしい粒あんの甘さに、甘酸っぱい風味が重なり、お互いのおいしさを引き立てます。甘さもすっきりとしているので、重く感じがちな和菓子のイメージを華麗に覆してくれますよ。

目印は東京駅の待ち合わせスポット「銀の鈴」

ににぎは、「グランスタ東京」八重洲地下中央口の改札内・銀の鈴エリアに位置します。目印は、まさに「銀の鈴」。ピカピカに輝く銀の鈴のすぐ近くにありますよ（上地図の赤丸）。

そのシーズンごとに楽しみのあるにぎぎ。季節によっては、意外な組み合わせのフルーツ大福にも出会えるかもしれません。待ち合わせについでに、京都祇園発の宝石みたいな和菓子たちをぜひ味わってみてください。

［All Photos by koume］

小梅

小梅

芸能事務所で約15年若手芸人のマネージメントに携わり、どっぷりお笑いの世界に染まる。退職後ライターに転身。ある日ふいに見た1本の韓国映画に心奪われ、そこから韓国映画・ドラマのチェック追われる毎日を過ごす。コンビニの新商品や地方のおみやげが大好き。