まるで映画の一コマのよう!実際、この風情ある美しい城は、映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975)」や「ハイランダー/最終戦士(2000)」に登場するスコットランドのランドマーク的な存在です。
「ストーカー」城って?
ストーカー城は、イギリス・スコットランド西部のリニ湾に浮かぶ小さな島にそびえる中世の城砦です。
最初は14世紀に要塞が建てられたものの、現在残っているものは持ち主が代わってから15世紀に建てられたものです。16世紀以降は増築されることもなく、スコットランド西部の中でもとりわけ保存状態のよい、中世の建物の本物の塔です。4階建てになっています。
増築されることもなく、と書きましたが、逆に無くなった部分があります。1800年から40年間は人が住むことがなく、蔵のような扱われ方をしていたのですが、その後屋根が無くなりました。屋根は落ちた可能性もありますが、おそらく屋根税を避けるために取り除かれたそうです。
現在は個人所有になっており、修復されて人が住める状態になっています。4月から10月の間はプライベートツアーが開催されています。潮が引いて徒歩で渡れる場合もあるそうですが、ツアーではボートで向かいます。
さて、気になる「ストーカー」という名前ですが、スコットランド・ゲール語で猟師や鷹匠の意味だそうです。
ホーンテッド・キャッスル?
この城は、実に様々な所有者を迎えてきました。
スコットランド王ジェームズ6世がここを所有していたことがあるのですが、酩酊状態での賭けに負けてキャンベル氏族(スコットランドの一大氏族)に受け渡したというエピソードがあります。
そんなユニークなこともありましたが、所有者が代わるということは、血で血を洗うような場面を沢山みてきたということ。
実際、奇妙な現象が起こるという評判です。スチュワート族長が亡くなる直前、鮮やかな火の玉が現れ、城の周りを旋回していたとか。
城の見学にやってくる観光客も、城の陰気さ、幽霊屋敷のような雰囲気を一様に口にするそうです。
イギリス人は幽霊が好きで、それも含めて歴史ある古い建物が好きらしいので、ストーカー城は大分お好みなのではないかと思います。
参考
[Castle Stalker]
[BRITAIN EXPLORER]
[All Photos by shutterstock.com]