挨拶の仕方は国によって違います。フランスでは挨拶の決まりは厳密にはないのですが、日本との違う独特の挨拶の仕方があります。筆者も在仏10年の現在はこのフランス式挨拶にも慣れましたが、渡仏当時は日本との違いに戸惑ったものです。
筆者が感じたフランスの挨拶の不思議についてお話します。
フランスの挨拶、ビズって
フランスでは挨拶といえば、お互いの頬っぺたを合わせて「チュ」と音を立てるビズが有名です。ビズをする時は、基本的に頬っぺたに口はつけません。口をつけてビズをするのは親しい間のみです。
ただ、よく下心がある場合は、口をつけてビズをしてくる場合もあると言われています。
ビズは女性同士、異性間のみが基本
ビズは基本的には、女性同士、異性間のみで行われます。人にもよりますが、男性同士でビズをすることはあまりありません。
男性同士はどのように挨拶をするのかといえば、握手がほとんどです。
ビズは何回するの
ビズを何回するのかは、地方によって違います。筆者の経験上、右左と一回ずつ計2回がほとんどですが、地方によっては3回、もしくは4回するところもあります。
ありがとうを表す時もビズ
ビズは挨拶だけではありません。例えば、プレゼントをもらった時などに、ありがとうを表現する時は、ビズが行われます。
びっくりするほど長いフランスの挨拶
何十人も集まるフランス人の集まりに行くと、一人づつとビズや握手をしなければなりません。50人も集まるパーティーに行けば、挨拶をするだけでも時間がかなりかかります。挨拶だけで、30分ほど過ぎていたなんてことも少なくはありません。
日本人からすると、挨拶で頬っぺたにキスをするなんてちょっと恥ずかしいと思ってしまいますよね。しかし、フランスでビズをすることを拒否すると、ちょっと険悪な空気が流れます。まるで自分を拒否されたかのように。それほどまでに、フランス人にとってビズは人間関係を築く上で大切なことなのです。
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