先日台湾人の日本旅行グループツアーに日本人としてただ1人で参加する機会がありました。
このコースは某会の日台姉妹会の訪問で東京、名古屋、岐阜、富山、石川を4泊5日で回るという強行な旅行。自由行動はなし。
旅行スケジュールを見た瞬間に行きたくなくなったのですが、台湾人の夫が行くので同行するように言われて仕方なく行くことになったのです。
台湾人のツアーに日本人一人参加してみた
全員で30名。ツアーコンダクターは台湾人女性が1人。ツアコンの言語は中国語です。
「ヘイブーシャークー」とか聞くと、普段使わない地名は頭に浮かんでこず、え?シャーク?shark=サメ?などと頭の中で妙な変換してしまいますが「黒部峡谷/ヘイブーシャーグ」のことでした(苦笑)。
黒部峡谷、郡上八幡、白川郷、飛騨高山と中国語で地名を聞くたびに頭にハテナマーク?が浮んで困りました。
羽田空港で驚愕
まず台湾の松山空港から羽田空港に到着すると、東京の仕事関係の日本人の方がお迎えに来られていました。
そこで突然東京の日本人の方から「今晩の宴会では、通訳をお願いします」と言われました。ちょっと驚愕。
明治記念会館で夜の宴会が行われました。日台交流会で、日本人が50人くらい、台湾人が30人です。
通訳といっても正式なご挨拶のではなくて、自分の周りのテーブルの台湾人の方と日本人の方が円滑に交流ができるように通訳をするだけで済みました。おいしいお料理の食材を解説すると喜ばれましたね。
やはり台湾人グループの中に1人だけ日本人となると、通訳等の仕事を振られることがありますね。しかも突然(苦笑)。
名古屋で事件が
翌日は名古屋に新幹線で移動。その他はすべて観光バスで移動でした。
名古屋到着後は熱田神宮、豊田産業技術記念館見学後、名古屋国際ホテルにチェックイン。名古屋の日本人側の仕事関係の方とホテル内の宴会場へ。日台交流会の宴会で日本側からも30人、台湾人30人での宴会が始まりました。
台湾式の乾杯は、文字通り「杯を乾かす」という飲み方で、全部飲み干します。小ぶりのガラスのコップに注がれた日本酒を台湾式の「乾杯」と言いながら、みなさんどんどん全部飲み干していきます。
当然酔っ払いができてきます。筆者は下戸ですので、周りを傍観していました。
突然主催者側の日本人男性が酔っ払って、バッターンと後ろに倒れました。
きゃ−!びっくり。
後頭部を強打されているのでお声かけをしましたが、一時意識不明。数分後意識を回復されましたが、すぐに周りの日本人の方を呼び、念のため救急車を呼んでもらいました。
台湾人も酔っ払って歩行困難者がいましたので、お部屋にお連れするように指示をしました。
なんだかツアーコンダクターをしてるような気分に。台湾人のツアコンは宴会場には入らないので、色々と采配をふるってしまいました。筆者は単なるお客なのですが・・・。
世界遺産白川郷を外国人目線で
その後の日程の郡上八幡、白川郷、飛騨高山、加賀と回りました。今回期待していたのは、合掌造の世界遺産「白川郷」。
台湾人のツアコンの方のお話によると、白川郷に行く外国人の感想は2極化しているそうです。
一つは世界遺産ということもあり、とても興味を持っている人で、日本の原点の風景に感動する人々。
もう一つは行ってみてがっかりした方の二極化です。
がっかりというのは理由は様々です。ツアコンの方いわく、インドネシアやフィリピンにはこのような茅葺屋根の家があるので珍しくないそうです。
造り方は全然違うと思いますが(笑)。
また、世界遺産の村は観光地ですが普通の生活をされている民家もあります。村人の中には観光客が写真を撮りに来るのを嫌がっている方もいるそうです。
実際に写真撮影で住民に怒られた外国人観光客もいるのだとか。
世界遺産とグローバル化
外国人目線で考えてみました。
外国人観光客にとっては、一般家屋と観光地の区別はつかないのですね。
説明書きもありませんし。
日本人にとっての察しや常識は外国人には通用しません。
ただ道路で写真を撮っていて怒られた観光客も、観光地に来て写真を撮ったら怒られるのはなぜだか理解できないですね。
疑問に思いますよね。
日本語、英語が書いてあっても、インドネシア、タイなどの別の外国語圏の観光客には読めません。
また、お土産物も漢字のわかる外国人でしたら、まだ何か想像がつくのですが、内容が不明で買えないそうです。ちょっとした各国の言語の説明書きがあると良いのではないかと思いました。
「世界遺産をあなたは汚すのですか?」 と、ゴミ捨て禁止注意事項が書かれていましたが、日本語だけ。これはできれば様々な外国語に翻訳したものにしたら良いのではないかと思いました。
白川郷が世界遺産になったことで外国人観光客と住民の双方が、戸惑っているような印象を受けました。お互いに納得できる方向に向かって行くと良いのですが。
日本の原点の美しい風景を残しながら、上手にグローバル化を目指す。という対極的な問題がうまく調和すると良いですね。
個人的には白川郷の古民家「神田屋」の4階まで、細いはしごのような階段をよじのぼり満足しました。翌日は全身の筋肉痛というオマケ付きでした(苦笑)。
台湾人の旅行コースは日本と違う
五日間で5県を回るのは効率が悪いような気がしましたが、台湾人は近場でコンパクトに回ると、旅行会社がお客様に怒られるんだそうです。なので、長距離を走り回る方が喜ばれるんだそうです。
またお食事は和室の場合でも全て椅子席でした。畳の上に座ってご飯を食べたことは一度もなかったです。外国人仕様にしてもらっているのでしょうか。
日本人の感覚とはちょっと違う台湾人ツアーに参加しての感想でした。
途中休憩の道の駅で、お店の方と台湾人との間で通訳したら、突然お店の方が柿を一個くださり、ほっこりした気分になりました。
たった五日間でしたが、とても濃い体験をした台湾人ツアーでした。
でも、次はないかなー!?
[All Photos by Taipeijin]
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外国人目線の日本旅行については、過去記事『外国人向け日本ガイドが面白い!日本人も必読の「日本人のトリセツ」とは?』『外国人向けの日本ガイドブック、ここが不思議!面白い!5選~フランス編~』などもぜひチェックしてくださいね。