【世界ひとり飯(2)】ミャンマーのバガン遺跡で手混ぜ麺を堪能

Posted by: 石黒アツシ

掲載日: Jan 25th, 2020

世界50カ国以上を一人旅した筆者が、世界で出会い心に残った食べ物をご紹介。今回はミャンマーの手混ぜ麺「カオスエソーク」です。「カオスエ=麺類」を野菜と一緒に「ソーク=和えた」、ヌードルサラダ。様々な素材を手で混ぜて作ります。ミャンマーの街なら、これを売る屋台がどこにでもあると言ってもいいほどポピュラーです。今回は、バガンの食堂をクローズアップします!

手で混ぜるからおいしい「カオスエソーク」って?

ミャンマー料理には、タイ料理のようにチリの辛さが強調されているわけでもなく、中華料理のように複雑な味付けでもなく、シンプルな素材を生かしたものが多いんです。よく使われる特徴的な素材は、ひよこ豆を挽いて粉にしたものと、油はピーナッツオイルです。カオスエソークにももちろん使います。さて、この「手混ぜ」っていったいどんな風に作るんでしょうか。

世界三大仏教遺跡のバガンへ

バガンは、アンコール遺跡群(カンボジア)、ボロブドゥール遺跡(インドネシア)と並ぶ世界三大仏教遺跡。広大な土地に、びっくりするような数のパゴダが点在し、他の2か所と比べてもかなり大きなスケールの仏教寺院も多く残っています。


その一つ、アーナンダ寺院には黄金に輝く仏像がいくつも置かれて、その荘厳さは圧巻です。保存状態もよく、今でも信仰の場です。

成田からなら直行便で7時間ちょっとでミャンマーの最大都市ヤンゴンへ、そこから国内線で最寄りのニャウンウーまでは1時間ちょっとです。ミャンマーへは、2018年から日本人観光客のビザが免除されていますが、当初1年の予定が1年延長されて、202年9月30日まで有効になりました。

川岸の”ブーバヤー”へ夕日を見に行く

バガンを見て回るには電気スクーターが便利。なにしろ広大な場所に遺跡が点在しているし、自由度も高いのでおすすめです。夕方早めに、エーヤワティー川の岸に立つブーバヤーという、金色の仏塔が建つ寺院へ夕日を見に行きました。


仏塔が建つ場所から川岸を見下ろすと、漁を終えた船が並んでいます。砂地の岸にはなにやら屋台が立っています。時刻は4時ごろ。ちょっと小腹が空いているのと、喉が渇いたので屋台のほうへと降りてみました。

屋台で見つけたカオスエソークとジレンマ


屋台に入ってみると、仕事を終えたようなおじさん、お寺にお参りに来た家族連れ、観光客などがまぁまぁ入っていました。すると、テーブルの間を籠を抱えてあるく女性が2名。注文を受けると、何かその場で作っています。それがカオスエソークでした。


「どうしても食べたい、でもおなかは壊したくない」というのは、東南アジアに出かければどうしても陥ってしまうジレンマ。「でも、みんな食べてるから大丈夫だ」というのは、ほとんどの場合の答えです。もちろん頼みました。金額は500チャット、日本円で40円しません。

グイグイと麺と野菜を手で混ぜる!

茹でてある中華麺とビーフン、細く切ったニンジンにキャベツ、同じように麺のように切った地元の固めのシャン豆腐に、魚醤、ライムにピーナッツオイルをかけてもんでいきます。


干しエビの粉とひよこ豆の粉にチリも加えてさらにグイグイと。野菜もだんだんしんなりして、全体が一つにまとまりました。これで出来上がりです。

スープは瓜をいれたすっきりしたクリアなもの。すぐ隣では5歳くらいの男の子も同じものを食べていて、まさにおやつです。まさに小腹を満たすのにちょうどいい小さなサイズでした。

よりアクセスしやすくなったミャンマー


日本からのアクセスも便利になり、より出かけやすくなったミャンマー。その食べ物はとってもシンプルですが、優しいおいしさにあふれています。まだまだ物価も安いところも魅力的。カオスエソークを売る屋台は都市でも田舎でも、あっちこっちに出ているので、ぜひ試してみてください。

この食堂、特に名前もないようで、Google Mapにも載っていません。ブーバヤーに行ったら、川岸に下りてみてください。ランチタイムから日没までは開いているようです。

[All photos by Atsushi Ishiguro]

PROFILE

石黒アツシ

Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー

旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。

旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。

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