
『孤独のグルメ』に登場したミャンマー料理店も

JR山手線・東西線、高田馬場駅。早稲田口から、北側の早稲田通りに出ると、目の前に茶色い雑居ビルが現れます。ここが、「リトル・ヤンゴン」の中心となっている「タック・イレブン」です。ミャンマー人が集住する高田馬場の、ランドマーク的な存在です。
やや怪しげな雑居ビルに入ってみると、テレビドラマ『孤独のグルメ』でも登場したミャンマー料理店「ノング・インレイ」や、ミャンマーカラオケの店、さらに4階にはミャンマースタイルのカフェ、8階にはミャンマー食材店など、このあたりに住むミャンマー人の生活を支える店がいっぱい。

ノング・インレイでは発酵させた茶葉を使ったサラダ「ラペットゥ」や、生姜のサラダ、それに「モヒンガー」というナマズベースのスープ米麺がおすすめです。4階の「タウンジーカフェ&バー」ではバナナともち米を使ったミャンマー伝統のスイーツを、ミルクティーと一緒に食べてみましょう。
ミャンマーにも「納豆」がある !?

食材店ではミャンマーの調味料やスパイス、インスタント麺にお菓子、お茶、米や豆、肉に魚、ジュースなどがびっしり並んでいて、まるでアジアの市場。見ているだけで楽しくなってきます。

これ、実は納豆なんです。ミャンマーでも北部に住むシャン民族などは、日本人と同様に大豆を発酵させる食文化があります。ただ日本と違って、納豆はつぶしてペースト状にし、平たく整形して乾燥させるんです。
これをまるでお煎餅のように焼いたり、細かく割ってスープや炒めもの、チャーハンなどにも入れて食べます。ノング・インレイでも、「ミャンマー風納豆チャーハン」が売りになっています。
ミャンマー料理店があちこちに

タック・イレブンのまわりにもミャンマー料理店が点在しています。早稲田通りを西に進むと、こちらにも食材店が。

そして早稲田通りから北に伸びる狭い路地のさかえ通りや、タック・イレブンの東側にもミャンマー料理店がいくつかあります。日本人にも食べやすいのは、「ダンバウ」というミャンマースタイルのスパイシーな炊き込みご飯や、豚肉や鶏肉などの「ヒン」(カレー)でしょうか。

「チェーオー」というビーフンを使ったものなど、ミャンマーのさまざまな麺料理を出す店も発見。

こちらの「さくらS9」は、ミャンマー料理のランチビュッフェで知られています。980円で食べ放題。

この日はミャンマー風の豚肉のカレーと卵のカレーがなかなかいけました。それとパクチーと野菜のサラダ、肉野菜炒め、ほかにタイのグリーンカレーなども。近隣の日本語学校で学ぶミャンマー人の若者たちも楽しそうに食べていました。
※2023年2月現在、ランチはセットメニューを提供しています
高田馬場にミャンマー人が多い理由

この店では募金箱も。ミャンマー本国では軍の圧政が続き、市民に対する無差別な攻撃も止まず、苦しんでいる人々がたくさんいます。生活できずにタイなど国外に逃れている人々を支援するための募金です。
高田馬場が「リトル・ヤンゴン」となったきっかけもまた、軍の横暴でした。1988年のことです。民主化運動を武力で制圧した軍に追われ、故郷を離れざるを得なかった人々がいました。そのうちの一部は、日本に逃れてきます。
彼らが頼ったのが、それ以前に日本に住んでいた世話好きのミャンマー人の夫妻でした。その自宅があったのが、新宿区の中井です。だからまずは、中井にミャンマー人が集まってくるようになります、
やがて1990年代後半から、コミュニティは中井から西武新宿線で2駅の高田馬場駅の周辺に移っていきました。こちらのほうが地下鉄とJR山手線が乗り入れていて便利であること、住宅街の中井より繁華街の高田馬場のほうが、外国人にとっては目立たず暮らしやすかったことがあるといわれています。
中国やベトナム、タイの人も増えて雑多なアジアタウンに

そして、いまは国から逃れてきた人たちではなく、留学生や会社員など、さまざまな立場のミャンマー人が「リトル・ヤンゴン」の主役になっています。
さらに高田馬場では、中国やベトナム、タイなどのレストランも増加していて、「リトル・ヤンゴン」も含めた雑多なアジアタウンとなってきました。周囲に日本語学校が多いことから、留学生が集まってきたことが理由だといわれています。
駅のまわりだけでも異国を感じられる高田馬場、食事がてら歩いてみてはどうでしょうか。
[All photos by Hirokazu Murohashi]
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murohashi ライター
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。現在は日本最大の多国籍タウン、新大久保に在住。外国人コミュニティと密接に関わり合いながら取材活動を続けている。
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