「元日」と「元旦」の違いって?【正しい日本語解説Vol.9】

Posted by: 熊本沙織

掲載日: Jul 28th, 2022

社会人になると、新しい言葉を使う機会が増えますよね。使い慣れていない言葉を無理に使い、大事な場面で恥をかいてしまった……。なんていう人も少なくないのでは? そこでTABIZINEでは、知っているようで意外と知らないビジネスシーンの頻出ワードを徹底解説! 今回は、新年によく使うけれど違いがわかりにくい「元日」と「元旦」について、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。



 

「元旦」の意味


「元旦」は「がんたん」と読み、意味は「元日(1月1日)の朝」
「旦」の字は水平線から朝日がのぼる様子を表していて、朝や明け方という意味があります。
元日のお昼以降のことも元旦と表現する人がいますが、本来は誤りです。元旦は元日の朝、あるいは広くとらえても午前中までの時間帯をさす言葉で、昼以降は元旦とは言えません。

【例文】
一年の計は元旦にあり。

「元日」の意味


「元日」は「がんじつ」と読み、意味は「1月1日」。
1年の最初の1日のことです。お正月の三が日(1月1日~3日の3日間)のことを「元三日(がんさんにち)」と呼び、その初日をさしています。元旦のように時間帯は限定されていません。

【例文】
元日の夜は家族で集まって食事をする。

「元旦」と「元日」の簡単な覚え方

「元旦」の「旦」は太陽がのぼる様子を表した漢字で、朝や明け方という意味。一方、「元日」の「日」は太陽の形を表した感じで、日の出から日没までの間、という意味があります。
二つの漢字の成り立ちと意味に注目すれば、違いを覚えやすいでしょう。

【クイズ】より適切なのはどっち?

【答え】
1→元旦
2→元日

1の正解は元旦「初日の出」は朝に見るものなので、元旦がより適切です。ただし、この場合は「元日」を使っても間違いではありません。
2の正解は元日「一日中」と書いてあるので、元日が適切です。元旦は1月1日の朝をさすので、「一日中」という言葉と一緒に使うのは違和感があります。

監修:吉田裕子先生
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。

吉田裕子先生の(株)裕泉堂 公式サイトはこちら
 

PROFILE

熊本沙織

saori-kumamoto

編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。

編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。

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