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「日曜日」の意味が転じて「休日」に
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日本にはさまざまな祭りがあります。ただ、祭りの名前は知っているけれど、詳しい意味はよくわからないというケースが結構多くないですか?
岸和田だんじり祭の「だんじり」だとか、よさこい祭りの「よさこい」だとか。博多どんたく港まつりの「どんたく」も、きっと同じだと思います。
『ブリタニカ国際大百科事典』で「博多どんたく」を調べると、「どんたく」はオランダ語の「zondag」から来ていると書かれています。オランダ語がわからないので『Cambridge Dictionary』の蘭英辞書を調べてみると、品詞は名詞で意味は「Sunday(日曜日)」と書かれています。
<the first day of the week, the day following Saturday, kept for rest and worship among Christians>(『Cambridge Dictionary』より引用)
「週の最初の日、土曜の次の日、クリスチャンの間では安息と礼拝に充てられる」といった感じの意味ですね。
小学館の『日本大百科全書』によると、「日曜日」の意味が日本では転じて「休日」の意味を持つようにもなったようです。
明治時代に「博多どんたく」に改名
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ただ、この「博多どんたく」の名称が祭りに採用された時期は1879年(明治12年)です。明治維新を受けて1871年(明治4年)に廃藩置県があり、福岡県(現在の福岡県とは県域が異なる)が誕生します。
その翌年、1872年(明治5年)に新政府から下ってきた当時の知事によって、博多どんたくの前身である「松ばやし」(詳細は後述)が、同じく博多三大祭りの「博多祇園山笠」とともに中止にさせられます。金銭浪費と、祭りのスタイルが文明開化にそぐわないと判断されたからです。
その松ばやしが再開された際に「博多どんたく」の呼び名になり、第二次世界大戦中の中断を挟んで、1962年(昭和37年)に福岡市民の祭り「博多どんたく港まつり」と改名されます。
江戸時代から日本には「一六ドンタク」という言葉があり、毎月1と6の付く日(1日、6日、11日、16日、21日、26日)は休日とされていました。明治新政府も、1876年(明治9年)に休日を日曜とするまで、毎月1と6の付く日を官公庁の休日としてきました。
「博多どんたく」の名称が祭りに採用された時期は、1879年(明治12年)だと紹介しました。まだまだ一六ドンタクの考えが色濃く残っていた時代だと考えられます。この辺りの文化が、祭りの名前に影響を与えたのかもしれませんね。
「松ばやし」とは何か?
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博多どんたくの源流となった松ばやしとは何なのでしょう。『ブリタニカ国際大百科事典』によると、室町時代以降に盛んに行われた初春の祝儀芸能だとされています。
一般の人が集団をつくり、領主など身分の高い人の邸宅に踊り込んで、祝賀の歌舞を披露し、祝儀(金品に限らずお酒なども)をもらう行為です。次第に年中行事となり、小正月(旧暦の正月14日~16日、元日が大正月)が松ばやしの日となりました。
福岡の場合は、1179年(治承3年)に始まり、江戸時代になると福岡藩主への挨拶周りを目的とした年中行事になったとされています。
『風流の松ばやし:博多どんたく港まつりの本質』(大木桃子・著)という論文には、日本の民俗学者・折口信夫の考えが紹介されていて、
<松ばやしとは、神が天降った松の木の枝を切って持ってくることで、松を運んでくる芸能集団のことをいうようになり、行う芸能そのものまでも指すようになったのだろう>(『風流の松ばやし:博多どんたく港まつりの本質』より引用)
と説明されています。この日は、庶民が豪華な衣装を身に着け、つくりものを仕立てて、数千人規模で町中を練り歩いた、酒を振る舞われて酔い伏したとも記録されているそうです。
この民俗芸能が、1879年(明治12年)に博多どんたくに名前を変え、時代とともに現在のパレード、どんたく隊、花自動車、しゃもじ踊り、総踊りなどのにぎやかな催しに発展していったのですね。
最後に余談ですが、博多どんたくのトリビアを。博多どんたくの当日は雨が多いというジンクスがあるそうです。足を運んだ際には、雨が降るか降らないかにも注目したいですね。
[参考]
※ 博多どんたくとは
※ 筑前国続風土記略
※ 3年ぶり開催の博多どんたく 雨のジンクス破る晴天か – ウェザーニュース
※ zondag – Cambridge Dictionary
※ 福岡県のあゆみ – 福岡県
※ 風流の松ばやし:博多どんたく港まつりの本質 – 九州大学附属図書館
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