【実はこれが日本一】到達すると認定証がもらえる!「海岸から一番遠い場所」

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 1st, 2022

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、海洋国家・日本において、海岸線から最も遠い場所を紹介します。

日本地図・長野県


 

海岸から最も遠い「内陸」はどこにある?

海岸
島国の日本は海に囲まれています。TABIZINEでは過去に、「深海の広さ(体積)が実は世界一」という記事を掲載しました。

縄文時代の遺跡である貝塚が各地にあり、日本の津々浦々に街が栄え、江戸時代には北前船などが沿岸の街を結びました。現在でも、日本の輸出入のほぼ100%は海上を使っているそう。日本の暮らしは海の存在なしに考えられません。

そんな海洋国・日本において海岸から最も遠い「内陸」といえば、どこになるのでしょう?

「海なし県」といわれる自治体がいくつかあって、おそらく、いずれかの県内のどこかに最も海岸から遠い場所があると思われますが、すぐに思い浮かびますか?

海なし県は、群馬県・栃木県・埼玉県・長野県・山梨県・岐阜県・滋賀県・奈良県です。まずは、どの県なのか考えてみるといいのかもしれません。

海岸まで直線で約114km

長野県佐久市のイメージ
筆者の直感として最も遠い県は群馬県か長野県のような気がしました。

栃木県は、群馬県よりも太平洋(鹿島灘)に近いです。埼玉県は、東京湾に近いですよね。埼玉県の東部(草加市や三郷市、八潮市)は特に近いです。

一方で、関西の場合、滋賀県の北は日本海(若狭湾)に近く、南東にも伊勢湾があります。奈良県は、大阪湾や熊野灘が遠くありません。

そうなると、岐阜県・長野県・山梨県の「中央高地」と呼ばれる県が有力ですが、岐阜県の南部(養老山地周辺)は伊勢湾に近く、北部(神岡など)は、富山湾に注ぐ神通川の源流があるくらいなので、海までそう遠くはありません。

白山の岐阜側も石川県の海にそれほど遠くないとすれば、長野県と山梨県のどこかに海岸から日本一遠い場所がありそうですよね。

答えは、長野県です。南北に長い長野の中でも軽井沢の近く、「佐久(さく)市」にあります。

筆者も、近隣に住んだ経験があったり、古い友達の別荘があったり、関東に暮らす親のもとへ北陸から向かう際に通ったりと、何かとなじみのある自治体です。

この佐久の街が広がる盆地から群馬県との県境へ向かうと「雨川ダム」があります。そのダムから林道と歩道を伝い、標高1,199mの山中を目指すと「日本で海岸線から一番遠い地点」があるのですね。

1996年(平成8年)9月に国土地理院が計算・発見したそう。現地の立て看板によると、海岸まで直線で114kmほどあるのだとか。わかりやすく比較すれば、東京から甲府までの直線距離が約108kmです。なかなかの距離ですよね。

佐久市によると「日本で海岸線から一番遠い地点」に到達した場合、現地で撮った証拠写真と名前・日付・郵送先を知らせれば認定証を発行してくれるそうです。山好き・登山好き・珍スポット好きは、ぜひ到達を目指してみてください。

日本で海岸線から一番遠い地点
住所:長野県佐久市田口字榊山209-1

[参考]
日本で海から一番遠い地点 – 佐久市
海運ってどんなビジネス? – Kawasaki Kisen Kaisha
雨川ダム – 佐久市
第1回 縄文人と貝塚

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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