【実はこれが日本一】標高136.4m!「最も標高の高い地下鉄駅」は仙台市の動物園にあった!

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jun 13th, 2023

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、日本一標高の高い場所にある地下鉄の駅を紹介します。


Image by キャンター(Wikipediaより)
 


 

丘陵地にある地下鉄駅


仙台市地下鉄東西線の八木山動物公園駅 Image by MaedaAkihiko(Wikipediaより)

地下鉄の駅といえば文字どおり、線路とホームが地下深くにある印象を受けます。しかし中には、地下にありながらも標高的には高い場所に存在する地下鉄駅もあるから面白いです。

例えば、仙台市地下鉄東西線に「八木山動物公園駅」があります。路線図を見ると、仙台市を横断する東西線の西側終着駅だとわかります。

駅名が示すように、1965年(昭和40年)にオープンした八木山動物公園に直結する形で、2015年(平成27年)に駅が開業しました。

動物園(地下鉄駅)の名前は「八木山」です。平凡社『日本歴史地名大系』によると、仙台市西部の丘陵地にして、大正時代に周辺を所有した八木久兵衛が名称の由来とされています。

この丘陵地帯の頂上付近(の地中)に地下鉄駅がつくられると、標高136.4mに駅のレール面が敷設される形になり、結果として、日本で最も標高の高い地下鉄となったのですね。

日本一標高の高い地下鉄駅には異論も


神戸市営地下鉄の谷上駅 Image by inunami(画像はWikipediaより)

しかし、この標高が高い地下鉄駅も、解釈によっては異なる場所が日本一となるようです。異論としては、神戸市営地下鉄の「谷上駅」を挙げる動きもあります。

この駅の標高は244mに達します。しかし、上の写真を見てもわかるように地上駅です。

もともと、この駅を利用していた民間の鉄道会社が、200億円で経営権を神戸市に譲渡し、2020年(令和2年)に神戸市営地下鉄になりました。

結果、地上駅でありながら谷上駅は地下鉄の駅となります。そこで「日本で最も標高の高い地下鉄駅」という称号の可能性が生まれたのですね。

もともと、八木山動物公園駅が2015年(平成27年)に日本一を獲得する前は、同じく神戸市営地下鉄の総合運動公園駅(地上駅)が、レール面の標高102.74mで日本一を誇っていたそうです。

ある意味、神戸市営地下鉄の地上駅から、仙台市地下鉄の地下駅へと移った日本一の座を、神戸市営地下鉄の地上駅が奪い返す形になったのですね。

ただ、地上駅の標高を「最も標高の高い地下鉄駅」と呼んでいいのか、議論は分かれるようです。

日本記録認定協会の『日本記録』も、仙台市地下鉄東西線の八木山動物公園駅を日本一と認めています。そこで今回は、仙台市のほうを日本一として紹介しました。

なんであれ、駅や鉄道の日本一は興味が尽きません。ぜひ、近くを旅した際には立ち寄って、どちらに軍配が上がるか考えてみてくださいね。

[参考]
日本で最も標高の高い地下鉄駅(地下駅) – 日本記録
八木山動物公園駅 宮城 高さ日本一、地下鉄駅 – 毎日新聞
標高244メートルで地下鉄駅? 日本一の意外な理由 – 朝日新聞
「日本一標高の高い地下鉄駅」はホームも幅広 利用客増へ重ねた涙ぐましい努力の跡 – 神戸新聞
八木山動物公園駅 – ニッポン旅マガジン
「高さ日本一の地下鉄駅」再び神戸に 標高244m 既存駅が断トツ首位に躍り出たカラクリ – 乗りものニュース
路線図・駅情報 – 仙台市交通局
園内マップ – 仙台市
八木山動物公園の門の前にある”胸像”、一体どんな人? – NHK
北神急行を阪急から譲渡 市営地下鉄化へ
総合運動公園駅[S13] – 神戸市営地下鉄

[画像はWikipediaより]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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