ケーブルカーで露天風呂へ、祖谷渓に佇む一軒宿「祖谷(いや)温泉」(徳島県三好市)
平家が源氏との戦いに敗れ、身を隠したといわれているのが徳島県三好市の祖谷です。祖谷渓谷一帯は古くから温泉が湧出しており、平家一族も祖谷へ入山した際、この温泉を見つけて湯治したという伝説が残っています。
そんな渓谷沿いにある祖谷温泉の露天風呂へは、約170m下までケーブルカーでくだります。ケーブルカーの窓越しに望める大パノラマにも注目を! 露天風呂「渓谷の湯」「せせらぎの湯」を男女日替わりで楽しめますよ。湧出量は源泉掛け流しをうたうほど豊富。湯舟に白い湯の花が浮き、白濁しているのが源泉の証です。
また、祖谷温泉は、アルカリ性単純硫黄温泉でpH値は9.1もあり、まったりとしているのが特徴。ミネラル成分をバランス良く含んでいるのもポイントです。この温泉に浸かるだけで肌がツルツルになりますよ。季節によって表情を変える渓谷の自然を眺めながら、ゆったりと温泉に浸かれるのも魅力です。
さらに、この温泉宿では地元で採れた野菜や魚、徳島県産のブランド牛などを使った山里の料理を提供。1年を通じて季節の実りを堪能できます。
この温泉宿に滞在すれば、心身ともにリフレッシュできそうですね。
住所:徳島県三好市池田町松尾松本367-28
電話:0883-75-2311
交通アクセス:JR「大歩危駅」から送迎バス(1日1便)もしくはタクシーで約30分
宿泊料:一人一泊21,050円〜
公式HP:https://www.iyaonsen.co.jp/
開湯400年以上、趣のある木造建築が目を引く「谷地(やち)温泉」(青森県十和田市)
八甲田山中にある開湯400年の歴史を誇る「谷地温泉」は、周辺に高山植物が自生する谷地湿原に位置します。
この温泉の一番の魅力は2つの温泉を楽しめること。ポコポコと足下から湧き出る38℃の温泉「下の湯」は霊泉と呼ばれる、無色透明の「硫化水素型」(低張性弱酸性温泉)です。神経痛・関節炎・疲労回復などの効能が期待できます。
一方、硫黄の湯花で白濁した42℃の温泉「上の湯」は熱湯と呼ばれています。泉質は単純温泉(低張性弱酸性低温泉)で、神経痛・不眠症・アトピー性皮膚炎・慢性疾患などに効能があるとされています。男女それぞれの浴場に「上の湯」「下の湯」の湯舟があるため、じんわりと体の芯から温まり、体調を整えることができそうですね。
岩魚の骨酒
谷地温泉の名物は岩魚(いわな)料理。南八甲田の高田大岳山麓から湧き出る水で育った新鮮な岩魚は絶品です。岩魚の骨酒のほか、採れたての山菜やキノコを使った季節ごとの田舎料理も味わえますよ。
さらに、この温泉宿は野生の「テン」が遊びにくることでも知られています。タイミングが良ければ、食事処「ぶなしずく」の窓からその姿を眺めることができるかもしれません。
いかにも秘境といった雰囲気の温泉宿で、心ゆくまでのんびりと寛ぎたいですね。
住所:青森県十和田市法量谷地1
電話:0176-74-1181
交通アクセス:JR「青森駅」「新青森駅」から送迎バスで約60〜80分(4月1日〜11月30日まで)、JR「八戸駅」から送迎バスで約60〜80分(12月1日〜3月31日まで)
宿泊料:一人一泊16,850円〜
公式HP:https://www.yachionsen.com/
2014年に閉館! 足元湧出の源泉100%かけ流しの「ニセコ薬師温泉」(北海道磯谷郡)
炭酸泉のイメージ
森の中に佇む「ニセコ薬師温泉」には、にごり湯、透明湯、露天風呂の3つがあり、いずれも浴槽の下からお湯が湧き出す源泉かけ流しです。泉質はナトリウム(塩化物・炭酸水素塩泉)で鉄分を多く含み、色がよく変化することから「七変化の湯」と呼ばれています。
そのため、入浴していると皮膚に炭酸の泡が付着して、血液の流れを促進するため、発毛効果も期待できるとか。
ところが、1891年開業の歴史あるこの温泉宿は、2014年の大雪により建物の一部が崩壊して、その長い歴史に幕を閉じました。
2023年現在も、建物が取り壊されていて、再開される動きはないようです。とはいえ、いまだにコンコンと温泉が湧き出ているそうなので、どなたかが買い取り、新たに温泉宿を建てる可能性があるかもしれませんね。
住所:北海道磯谷郡蘭越町日の出370
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