ある国に旅行に出かけると、日本との違いにびっくりしてしまう瞬間があります。ましてやその国に移住した人であれば、毎日が驚きの連続のはず。
そこで今回は筆者の知人で、ネパールに暮らす元タウン誌の編集者に、現地でびっくりしたポイントを教えてもらいました。
筆者も過去に仕事で長期滞在した経験があるネパール。「分かる~」といったポイントを中心にまとめましたので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
1:都会の道路に野良牛が寝転んでいる
ネパールの首都カトマンズでも、野良犬が町中を歩いています。日本も戦後は野良犬が町を歩いていたと言いますが、今では考えられないですよね。
ちょっと郊外に行くと、野良犬どころか野良牛も居ます。筆者もネパール東部の村で、香辛料を売っているお店に牛がぬっと入ってきて、そのまま出口に居座ってしまった出来事を思い出しました。
ネパールに多いヒンドゥー教徒にとって牛は神聖な生き物なのだとか。幹線道路に牛が寝転がっていても、牛を優先させて車が避けていくほど。決して日本では見られないですよね。
2:田部井淳子さんが最も有名な日本人
田部井淳子さんという方をご存じですか? 意外に日本では知られていないはず。
しかし冒頭の知人によると、ネパールで最も有名な日本人は恐らく、安倍首相でも宮崎駿でも村上春樹でも木村拓哉でもなく、田部井淳子ではないかと教えてくれました。
確かに筆者も昔ネパール人に「タベイを知っているか?」と聞かれました。恥ずかしながら知らなかったので「知らない」と答えると、なんで日本人なのに知らないのだと逆に驚かれた思い出があります。
※写真はイメージです
田部井淳子さんとは、世界で初めて“女性で”世界最高峰のエベレストに登った登山家。念のため補足しておきますが、エベレストはネパールと中国の国境にある山です。手元の資料によれば、世界で初めてエベレストに登った人はニュージーランド人のエドモンド・ヒラリーとネパール人のテンジン・ノルゲイというシェルパ。冬のエベレストに世界で初めて登った登山家はポーランド人のクシストフ・ビエリツキとレシェク・チーヒ。
そして世界で初めて女性でエベレストに登った人は、日本人の田部井淳子さんになります。その国の特色や文化によって、有名な日本人も異なるのですね。
3:8,000m級の山がゴロゴロとある
田部井淳子さんの話をしましたが、ネパールの山の迫力はけた違い。
冒頭の知人は休みになると、現地のシェルパと一緒に登山を楽しんだり、飛行機に乗ってヒマラヤ山脈を上空から眺めたりしているそうですが、その光景には毎回圧倒されたとか。
先ほど触れた8,848mチョモランマ(エベレスト)は言うまでもなく世界一の山ですが、世界で3番目に高いカンチェンジェンガ山(8,586m)、世界で4番目に高いローツェ山(8,516m)、世界で5番目に高いマカルー山(8,463m)などは全てネパールの山。さらにチョー・オユー山(8,201m)、マナスル山(8,163m)、アンナプルナ山(8,091m)、ダウラギリ山(8,167m)など8,000m級の山々がヒマラヤ山脈には目白押し。
日本の場合は最高峰の富士山でも3,776m。単純に高さだけで比較すると、そのスケールの大きさに目がくらむ思いがします。
ちなみにヒマラヤ山脈には、イエティと呼ばれる雪男が暮らしていると言われています。日本で言う河童のような存在でしょうか・・・。
4:森でトラに襲われる心配がある
日本人にとってトラとは動物園で見る生き物ですが、ネパールの森にはベンガルトラが、野生の状態で暮らしていると言います。ただ、トラが居るエリアは主に国立公園内や野生生物保護区。日本のクマのように、どこの裏山にもトラが暮らしているといった状況では残念ながらないといいます。
しかし過去にはトラが村に現れて、住人を襲ったという事件もあったそう。森でトラとばったり出くわす、考えるだけで恐ろしいですね。冒頭の知人は生でトラを見た経験はないそうですが、足跡になら遭遇したと言っていました。
以上、ネパールに暮らす日本人が感じた、日本との違いをまとめましたが、いかがでしたか?
その他にはトイレの紙がない、毎日ダルバートというスープカレーに似た食べ物を現地の人が食べている、温水シャワーの出るホテルが少ないなども教えてくれました。ネパール旅行に出かける前に、しっかりと押さえておきたいですね。
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