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大正ロマン漂う浅草の名所「神谷バー」
【神谷バーの歩み(抜粋)】
1880年(明治13年):みかはや銘酒店を開業
1881年(明治14年):輸入ワインの販売開始
1882年(明治15年):「デンキブラン」の製造販売を開始
1912年(明治45年):屋号を「神谷バー」と改める
1921年(大正10年):神谷ビル落成
1960年(昭和35年):洋食部門を開業
1970年(昭和45年):割烹部門を開業
2004年(平成16年):神谷バー賣場を開業
2011年(平成23年):神谷ビル本館が登録有形文化財に登録される
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浅草駅からほど近く、「浅草1丁目1番1号」にある神谷バーは、日本で初めて開業したバーです。創業は今から140年以上も前の1880年(明治13年)。明治・大正・昭和と、日本を代表する文豪たちが足しげく通い、秘伝のカクテル「デンキブラン」が誕生したことでも知られています。
現在の建物は大正時代に建設されたもので、時代を感じさせるクラシックな佇まいが存在感を放ちます。レトロな看板の文字とネオンの輝き。日本最古のバーは、浅草のシンボルとして、今もなお、人々をひきつけてやみません。
名物カクテル「デンキブラン」は初代オーナーが考案!
神谷バーは、1880年(明治13年)に神谷傅兵衛が「みかはや銘酒店」を開業し、お酒の一杯売りを行ったことに始まります。翌年には外国産ワインの販売を開始し、さらに1882年(明治15年)には速成ブランデーの製造販売を行うようになりました。
このブランデーこそ、現在も「デンキブラン」の名で愛されている名物カクテルです。ブランはブランデーのことで、飲むとビリビリと電気が走ったような衝撃を受けることから、その名がついたのだとか。
考案したのは、創業者の神谷傅兵衛。アルコール度数が45度にもなる強いお酒で、ブランデーをベースに、ジン、ワイン、キュラソー、薬草などをブレンドしているそうです。現在はアルコール30度と40度の2種類で提供しており、そのレシピはいまだ門外不出で、神谷バーでしか味わうことができません。
デンキブランは大変な人気を博し、神谷バーは下町の庶民をはじめ、文豪たちの社交場としても大いににぎわいました。詩人・萩原朔太郎は「一人にて酒をのみ居れる憐(あは)れなる となりの男になにを思ふらん(神谷バァにて)」と歌にも残しています。
「みかはや銘酒店」として開業したバーですが、1912年(明治45年)に店舗を西洋風に改装し、「神谷バー」の看板で営業するようになりました。そして1921年(大正10年)、神谷ビルが建設され、現在の姿となります。
1960年(昭和35年)から洋食部門が始まり、1970年(昭和45年)にはビルの3階に割烹も開店(「割烹神谷」は2022年8月現在休業中)。
2004年(平成16年)には雷門通りに面して売店「神谷バー賣場」もオープン。デンキブランや「カミヤワイン」など、神谷バーのオリジナル商品を取り扱っており、浅草のお土産品としても親しまれています。
レトロな空間でお酒も食事も楽しめる!
そのままではアルコール度数が強いデンキブラン。神谷バーでは、ビールと交互に飲むのが通の「カミヤ流」の飲み方なのだとか。
ぐっとデンキブランを口に含み、鼻を抜けるブランデーの香りと痺れるような感覚を楽しんだら、今度はビールをごくっと一口。デンキブランの風味とビールの爽快感がミックスされ、一度その味を知るとクセになってしまうかもしれません!
洋食の老舗でもある神谷バー。お酒とともにエビフライやカニコロッケ、グラタン、メンチカツ、ビーフシチューなどの本格洋食メニューが楽しめるのも魅力のひとつです。中でもビーフシチューは、牛バラ肉を約1日かけてほろほろに煮込みんだ自慢の一品で、1階のバーと2階のレストランの両方でいただけます。
仕事帰りの1杯を求めて、ふらっと1人で立ち寄るのもよし。仲間や家族と一緒にお酒や食事を楽しむのもよし。シチュエーションに応じてさまざまな使い方ができるお店です。
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内野 チエ ライター
Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。
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