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日本で最も古い歴史を持つ現役の公立小学校
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筆者の子どもが通う公立の小学校は、来年で150周年の節目を迎えるそうです。具体的には、1873年(明治6年)創立とあります。立派な歴史だなあと思う一方で、日本で最も古い歴史を持つ現役の公立小学校は、どこになるのか気になりました。
皆さんは、どこだと思いますか? 東京とか京都にある公立の小学校でしょうか。
そもそも日本の近代学校は、1872年(明治5年)に学制が公布され、欧米の学校制度を参考としながらスタートしました。
計画どおりに事は運ばず、1879年(明治12年)に教育令が制定されて学制は廃止されましたが、いずれにせよ、日本で最も古い歴史を持つ現役の公立小学校は、この明治5年前後に生まれていると予想されます。
明治元年創立の小学校
小千谷市立小千谷小学校 image by Asturio Cantabrio(Wikipediaより)
答えは、新潟県小千谷市にあります。
新潟県の西部には花火大会で有名な長岡があり、長岡近くの日本海沿岸には、日本油田開発の発祥地で原子力発電所のある柏崎があります。コシヒカリの産地・魚沼も近いです。
それらの街に囲まれた自治体が小千谷市です。その「小千谷市立小千谷小学校」が現役の公立小学校としては日本最古の歴史を誇るのだとか。創立はなんと明治元年(1868年)。
新政府軍と旧幕府側との戦い(戊辰戦争)で小千谷でも激しい戦闘が起こります。各種支援に駆り出されて疲弊した地元の惨状を見た商人・山本比呂伎(ひろき)という人が、
<新しい日本に役立つ人間を育てるには,だれもが入れる公(おおやけ)の学校をつくって教育することだ>(小千谷市の公式サイトより引用)
と考え、小千谷村にある五智院(真言宗の寺院)の一部を借り、当時の柏崎知事の認可を得て学校を開学しました。現在の小千谷小学校です。開学当時は、小千谷校、振徳館、小千谷学館などと呼んだようです。
学校の公式サイトにも、
<小千谷(おぢや)小学校は明治元年「振徳館(しんとくかん)」という名で、日本最初の公立学校として開校されました>(小千谷市立小千谷小学校の公式サイトより引用)
とあります。
在学中の子どもたちは、今はわからなくても、その歴史の重みが大人になるほどわかってくるはず。数万人を超える卒業生も、きっと母校を大いに誇りに感じているのでしょうね。
[参考]
※ 日本一歴史と伝統のある小学校 ~開校155年 令和4年度の取組~ 小千谷市立小千谷小学校
※ 小千谷小学校(小千谷市) – 新潟日報モア
※ 新潟県人会3月号
※ 小千谷小学校の歴史 日本で最初の公立小学校 – 小千谷市
※ 学校の概要 – 小千谷市
※ 学制の実施 – 文部科学省