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世界一の展示内容
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水族館といえば、どんな生き物の展示を目当てに足を運びますか? ジンベイザメだとか、イルカだとか、ペンギンだとか、メジャーな生き物ですよね。きっと。
しかし、山口県下関市にある水族館は、意外な生き物の飼育と管理に力を入れていて、その展示数(種類)が世界一を誇るのだとか。
山口県下関市にある水族館が飼育と管理に力を入れる生き物とは、予想がつきますか? 山口県下関といえば、なんでしょう?
幕末の動乱など、歴史に詳しい人は歴史関係の出来事を思い浮かべるかもしれません。その歴史上の偉人たちも、ちょっと関係する話です。
グルメ好きな人はきっと、取扱量日本一を誇る「フグ」(下関では「ふく」と呼ぶ)を真っ先に連想したのではないでしょうか?
市立しものせき水族館「海響館」では、下関らしい展示として、まさにこのフグ目魚類の展示に力を入れていて、その展示種数が世界一を誇る のですね。
マンボウもフグの仲間
©︎ 山口県観光連盟
世界一の展示種数を誇る「フグ目魚類」とは、なんでしょうか。そもそも「目(もく)」とは、生き物を分類する際の類別の名称です。フグ目の特徴を『小学館の図鑑NEO 魚』で調べると、
<世界に約420種、日本には約140種がすみます>(『小学館の図鑑NEO 魚』より引用)
と書かれています。
<肋骨が無い、腹鰭(はらびれ)が無い、鰓(えら)の穴が小さい等>(『ヨメルバ』KADOKAWAより引用)
といった特徴があり(※特徴には例外あり)、そのフグ目はさらに、フグ科・カワハギ科・ハコフグ科・ハリセンボン科・マンボウ科など10科に分かれるそうです。
なんと、あのマンボウもフグの仲間 なのですね。
海響館で展示されているフグ目は約100種類
海響館では、これらのフグの仲間(フグ目)を世界中から集め、常時100種類程度展示 しているそうです。その種類の豊富さが世界一とされています。
© 一般社団法人 下関観光コンベンション協会
そもそもの疑問として、海響館のある下関では、どうしてフグが有名なのでしょうか?
下関市によれば、
フグの好漁場に囲まれている(玄界灘・瀬戸内海・関門海峡)
表向きは禁令ながら、フグ食の文化が下関の人たちに長らく根付いていて、有毒部位を取り除く技術も発達してきた
初代総理大臣の伊藤博文が山口県令(知事)に命じて山口県でフグ食を解禁させた結果、多数の料理店が誕生した
フグを中心に扱う産地市場が存在する
市場の周辺には水産加工団地がある
など、複数の要因が影響しているそうです。
中国地方の旅行を計画していて、フグ料理を現地で楽しむ予定なら、海響館も訪れてフグの生態を勉強しておくと、余計に楽しめるかもしれませんね。
[参考]
※ 海響館のフグ – 海響館 ※ 海響館について – 海響館 ※ 下関市立しものせき水族館「海響館」で海中トンネルやアクアシアターなど21のゾーンの水の世界を体験。 – フクオカーノ ※ フグフグフグフグ!! 世界一フグを展示する水族館!!下関市立しものせき水族館「海響館」【山口県】 「角川の集める図鑑GET!とめぐる日本の水族館」第12回 – ヨメルバ ※ マンボウとその仲間たち – ふぐ目魚類の分類 – – 国立科学館 ※ 下関市水産物5大ブランド『ふく』 – 下関市 ※ フグ – 環境省 ※ 発祥と歴史 – 春帆楼
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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