セラピー犬の存在は空港利用者に人気
国際空港を想像してください。その場にいる生き物は、基本的に人間のみだと思います。ほかにいるとすれば、麻薬探知犬くらいでしょうか。
麻薬探知犬が近付いてきて、自分の荷物をくんくんかぐ瞬間は、やましい事情が何もなくても、ちょっと緊張しますよね。しかし、麻薬探知犬が「業務」を離れ、普通の表情を見せると今度は急に、かわいく見えてきます。
しかも、無機質な空間になりがちな空港で、人間以外の生き物の存在を感じられると、空間の居心地そのものが変わる気がします。癒やしを得られると言えばいいのでしょうか。
現に、そんな犬の存在を上手に活用して、ターミナル内などにセラピー犬を配置する空港も世界には(特にアメリカに)あります。旅行中のストレスフルな環境で、セラピー犬の存在は利用者に大変人気らしいです。多くの旅行者が笑顔になる様子が、海外のメディアなどでも繰り返し報じられています。
飼い主と犬のコンビが87チームも
デンバー国際空港 ©︎JW_PNW / Shutterstock.com
そのセラピー犬が最も活躍する空港として、ギネス世界記録に認定されている国際空港があります。どこかご存じでしょうか? すぐに答えられたら、かなりの旅行通か、犬に詳しい人だと推測されます。
答えは、アメリカのコロラド州にあるデンバー国際空港です。同空港には、飼い主と犬のコンビが87チームも存在していて、旅行者を楽しませてくれている のですね。
同空港のセラピー犬チームは2015年(平成27年)に設立され、28チームの飼い主と犬が活動していたそうです。新型コロナウイルス感染症の拡大が発生する前は、100チーム以上にまで増えました。
犬のサイズも血統も年齢も全く違っていて、ドッグショーの参加犬もいれば、保護犬だった犬も多く存在します。そのバリエーション豊かな飼い主と犬が、アメリカの国際空港では活躍できるチャンスがあるのですね。
そもそも、このセラピー犬を空港に配置する試みは、ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港(カリフォルニア州)で始まりました。アメリカ同時多発テロ事件直後の緊張した空港で旅行客をリラックスさせるために導入された背景があるのだとか。
現在では、アメリカ国内で数多くの空港が導入しています。犬以外にも、セラピーブタが活躍する空港もあれば、ミニチュアホースが活躍する空港もあるようです。
その動きは、カナダなど海外にも広がっています。残念ながら日本の空港では見られませんが、日本でも見られる日を楽しみにしたいところ。
とりあえず、連休などでアメリカへ行く機会がある人は、セラピー犬が空港にいないかチェックしてみてくださいね。
[参考]
※ ギネス世界記録に認定! デンバー国際空港が導入する、世界で最も大規模な空港アニマルセラピーとは – Business Insider ※ Canine Airport Therapy Squad (CATS) – DEN ※ Largest airport therapy-animal programme – Guinness World Records ※ 米空港でセラピー犬を導入「もふもふ犬」で癒されよう♪ – JAL ABC
[All photos by Shutterstock.com]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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