館内のどこにいても感じられる自然の美しさ
桜が散り、青々とした葉が芽吹く新緑の季節は、阿蘇の風景が一段と輝いて見える時期。そんな阿蘇の風景を「界 阿蘇」では、客室はもちろん、ロビー、お食事処などさまざまな場所から楽しめます。
ロビーに足を踏み入れたときから、はっと息をのむような、美しい緑が眼前に広がります。
©Hoshino Resorts Inc.
ロビーの先には、美しい阿蘇五岳を望める「絶景テラス」も。深呼吸して、山のおいしい空気を全身で感じたいスペースです。毎朝こちらで開催されている「カルデラ体操」に参加すれば、自然のエネルギーをたっぷり感じながら健やかな1日をスタートできます(雨天時は開催場所が変わります)。
こちらは、夕朝食をいただくお食事処からの景色。筆者が宿泊した日は雨でしたが、晴天の日にはきれいな夕暮れも見えるそう。
すべて露天風呂付一戸建て!静かに自然を楽しめる客室
客室の大きな窓からも眺められる、緑のある風景。窓の外は青く、幻想的な雰囲気が漂います。客室は緑の美しさが際立つ、落ち着いたインテリア。
2名で泊まるには贅沢すぎるほど広々とした、天井の高い客室は開放感もたっぷりです。
客室露天風呂からの景色もこの通り。青々としてみずみずしさとフレッシュさを感じさせる緑が本当に美しいですね。朝、昼、晩と好きな時間に好きなだけ温泉が楽しめるのもこのお部屋の醍醐味。
泉質は単純温泉で、身体にやさしいさっぱりとした肌触りが特徴。夜には、「火の国阿蘇」をイメージして灯されるかがり火を眺めながら、プライベートな湯浴みが楽しめます。
客室露天風呂の手前には、ジェットバスが楽しめるバスタブと洗い場が備えられ、こちらも緑あふれる贅沢な造り。
客室の小上がりに設けられたベッドスペースにも大きな窓があります。布団の中でまどろみながら、窓の外を眺めるのもまた至福の時間。ベッドスローやソファに置かれたクッションは草木染め。草木がもつ柔らかくやさしい色合いが印象的です。
テラススペースにもテーブルと椅子が備えられているので、木々がそよぐ音に耳を傾けながらのんびりと過ごせます。
カルデラの成り立ちを知る「カルデラBAR」が楽しい
それぞれの地域がもつ魅力にフォーカスした界の体験プログラム「ご当地楽(ごとうちがく)」。界 阿蘇では、バーテンダーになったスタッフが、ご当地ドリンクとおつまみを出してくれる「カルデラBAR」を毎日16:30~18:30に開催しています。
「カルデラBAR」では、阿蘇を訪れたなら知っておきたいカルデラの成り立ちについて、映像とともに学べます。
オーダーしたドリンクは、焼酎モヒート、ビアスプリッツァー、ホットカボネード。特に、熊本の芋焼酎「肥後酔響(ひごすいきょう)」とミント、かぼすで作った焼酎モヒートは、よい意味で芋くささがなく絶品。おかわりしたいほどおいしかったです。
ホットカボネードは、レモネードならぬかぼす味の甘酸っぱいホットドリンク。この日は冷たい雨の日だったので、温かい飲み物が沁みました。
写真の手前にあるのは、阿蘇のカルデラの模型。これを眺めながら、カルデラの話に耳を傾けます。
さらに、実際にカルデラがどのようにできるかを体験できる「マイカルデラ」作りも。炭で色付けした小麦粉と風船を阿蘇の大地とマグマに見立て、カルデラができる様子が体験できるというもの。まるで子どもの自由研究のような楽しさで、思わず「おお~!」と感動の声が出てしまうほどでした。ぜひ動画でもご覧ください。
ご当地ドリンクとともにいただいた赤牛のビーフジャーキー。これが柔らかくて赤牛の旨みがぎゅっと詰まっていてすごくおいしかった! 界 阿蘇のショップでも販売されています(税込700円・要冷蔵)。
心も身体も満たされる大満足な食事
夕食
やまうにとうふのムース 甘いトマトと共に からし蓮根と馬肉のタルタル仕立て
夕食はこちらの先付けからスタート。熊本といえば、からし蓮根や馬肉が有名ですよね。細かくしたからし蓮根の上に馬肉がのっています。さらに、熊本名産の甘いトマトも。
伊勢海老と季節野菜の海老餡かけ
阿蘇にちなみ、溶岩をイメージした器で登場。お椀のふたを開けると、ふわっと香るゆずの香りが食欲をそそります。餡かけも海老の旨みがたっぷりです。
お造り取り合わせ
この日はカンパチ、鯛、車海老、馬肉(あばら・ロース)の盛り合わせでした。
馬肉のロース。熊本に来たらやっぱり馬刺しは外せませんよね。
南関そうめん 生雲丹 掛け出汁
南関そうめんは将軍家にも献上されていたといわれ、こしの強さと、のど越しのよい食感が特徴。生雲丹とともにいただきました。
今回の夕食のメイン「牛フィレ肉の溶岩ステーキ」。スタッフが目の前で焼いてくれます。ジュージューと肉が焼けるいい音と肉の香りがたまりません。焼いている間、肉と一緒にいただく生わさびをすって待ちます。
お肉が焼けました! 薬味には、自分ですった生わさび、かぼす、ゆずこしょう、醤油、からし、天草の塩が用意されていて、さまざまな味わいが楽しめます。個人的にはわさび塩と一緒にいただくのが好みでした。
シメは、阿蘇の大草原をイメージしたという「鮑と切り昆布の土鍋ごはん」。生姜がきいていて美味! しっかりおかわりもいただいてしまいました。
界 阿蘇特製 ヨーグルトのムース トマトジュレ添え
デザートは、お食事処横にあるラウンジでいただきました。「トマトのジュレ!?」と驚きましたが、これがまたヨーグルトムースとよく合うんです。
朝食
朝食では、熊本のお土産としても有名な「南関あげ」が入った南関汁をコトコトと煮てからいただきます。そして、この南関あげのおいしさに衝撃を受けました。水分を抜いて作られた南関あげは、普段食べている油揚げと違いしゃくしゃくとした食感がクセになります。
南関あげがお味噌汁の汁を含んで、嚙んだときに口の中にじゅわ~っと広がる汁気。思わず「ああ、幸せ……」と口から漏れ出るおいしさです。あまりのおいしさに、空港で南関あげを買って帰りましたが、まとめ買いしなかったことが悔やまれるほど。でも、南関あげのおいしさを教えてくれて、ありがとうございます! という気持ちです。
ほかにも、熊本の郷土料理「一文字のぐるぐる」やからし蓮根など、ご当地のものが味わえます。「一文字のぐるぐる」は、ネギの一種「ひともじ」を白根の部分に葉をぐるぐると巻き付けたもの。
阿蘇の水で炊き上げたごはんは、温泉たまごで卵かけごはんにして食べるのがおすすめとのこと。醤油をごはんにかけたあと、温泉たまごをのせるのがポイント。卵かけごはんって、温かいごはんが卵で冷たくなってしまうのが残念だなと常々感じていたのですが、温泉たまごだとごはんが冷たくならなくていいですよね。
熊本の美味が詰まった夕朝食。一品一品がどれもおいしくて、心地よい余韻が残る食事の時間となりました。
快適な滞在が叶う充実のアメニティ
界ではお馴染みの風呂敷に包まれたアメニティと、クレンジングからボディローションまでそろうスキンケアセット。自宅からわざわざ持参しなくてよいのは助かります。
館内着は作務衣。寒暖差が激しい阿蘇の気候に対応できるように、羽織はキルティングが施されていて暖かく過ごせます。足袋ソックスや浴衣、バスローブもあり。
冷蔵庫には無料のミネラルウォーターのほか、ミニバーもあります。客室には無料でいただけるコーヒー、生姜湯、レモングラスティーバッグ、お茶、紅茶とドリンク類も充実。
ロビー横にあるトラベルライブラリーにも界 阿蘇の近くにあるお茶とハーブの専門店 「chamstea36」さんのハーブティーやお茶などが種類豊富に用意されているのがうれしいです。中でも「TORICO」というハーブティーは、その名の通り、虜になってしまいそうな華やかで甘い香りが特徴。ルイボスティーをベースに、ネトルやマローブルーなどがブレンドされた飲みやすくておいしいハーブティーです。
用意されている湯呑やコースターなど食器類も素敵。宿によって用意されているうつわが異なるので、滞在の楽しみの一つです。
アメニティについての詳細は公式サイトでご確認ください。
天井の高いトラベルライブラリーは落ち着く空間
トラベルライブラリーは、本やドリンクが楽しめる、宿泊客のくつろぎのスペース。一角にはお土産が買えるショップもあります。
冬場には暖炉も稼働するそうで、たくさんの薪が美しく並んでいました。
チェックイン後には、硬水(大分県・長湯温泉)、中硬水(熊本県・白川水源)、軟水(日田天領水)の飲み比べも楽しめます。飲み比べてみるとその違いは歴然。普段飲み比べる機会はあまりないので、ぜひ体験してみてほしいです。
また、朝食後にはジャージー牛乳やジュース、フレーバーウォーターが用意されています。
館内のどこにいても森林浴を満喫できる宿
「界 阿蘇」は、宿にいながらにして阿蘇の大自然を満喫できるのが魅力。木々が風にそよぐ音や鳥の鳴き声、緑や土のにおいを全身で感じれば、人もまた生き生きとさらに元気になれるような気がします。阿蘇の雄大な自然と温泉、おいしい食から大きなパワーを受け取って、身も心も思いっきりチャージできました。
住所:大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628-6
電話:050-3134-8092(界予約センター9:30~18:00)
料金:1泊 55,000円~(2名1室利用時1名あたり、サービス料・税込、夕朝食付き)
アクセス:【電車】JR豊肥線宮地駅より車で約30分/【車】大分自動車道 九重ICより約60分
公式サイト:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiaso/
[Photos by Aya Yamaguchi]