【実はこれが日本一】1923年から今も現役!最古のコンクリート電柱は函館にある

Posted by: 坂本正敬

掲載日: May 30th, 2023

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、電柱に関する日本一を紹介します。

北海道函館市八幡坂
 


 

日本で最も古いコンクリート電柱が函館にある

日本の電柱のイメージ
前に、台湾人のジャーナリストと海外で話しているとき、「これ、私が日本に行ったときの写真」と富士山の写真を見せてもらいました。

たくさんの電柱と電線越しに富士山が写っている写真で、その電線の多さのせいで、日本の「標準的」風景を異国にいながら一瞬にして思い出してしまいました。

日本人にとっては正直、この電柱、邪魔な存在ではないでしょうか?

例えば、細い道に電柱があると、自動車のすれ違いに苦労する人もいると思います。電柱と電線の入り組んだ景観がうっとうしく感じる人もいるはず。

しかし、電柱に否定的な考えを持つ人たちでも、中にはその価値を認めざるを得ないはずの電柱も存在します。具体的には、日本で最も古いコンクリート電柱です。

北海道函館市には、100年前に建てられた電柱があり、函館に訪れた修学旅行生が記念撮影するなど、文化や観光面でも地域に貢献している電柱があるのですね。この日本最古の電柱、どんな電柱かご存じですか?

コンクリート電柱が100年前に生まれた理由


Yauchi, Public domain, via Wikimedia Commons

まず、日本最古の電柱は意外にも、四角い形をしています。正確には四角すいです。

四角すいとは、エジプトのピラミッドのような形で、現地の観光案内版によると、底辺47cm四方(根回り約190cm)の角すいで、高さは10mに達するそう。

1923年(大正12年)10月、木製の柱が普通だった100年前に、どうしてコンクリートが選択されたのでしょうか? そもそも当時、函館は火事が多く、木製の電柱はすぐに引火し、断線を繰り返していました。『函館湾岸コンクリート物語』によると、その断線を防ぐために、コンクリート電柱が生まれたとされています。

一方で、モダンな建築様式の銀行が電柱の目の前につくられた際、その銀行の寄付によって、現存するコンクリート電柱が建物に合うデザインでつくられたとの話もあるようです。

設計者は、函館市の助役も務めた、函館水電(現・北海道電力)の葛西民也さん。興味深い話ですよね。

どうして円柱じゃないの?

北海道函館の街並み
©️Mei Yi / Shutterstock.com

ところで、どうして円柱ではなく角すいなのでしょう。『函館湾岸コンクリート物語』によると単純に当時は、コンクリートを円すいに締め固める技術がなかったとの話。

しかし、コンクリート電柱の建設自体も珍しく、経験と技術が少ない状態だからこそ当時は、原材料の塩分濃度を下げ、丁寧に締め固めたといいます。その丁寧な仕事があったからこそ、ひび割れの少ない状態で現在も、生き残る結果となったのだとか。

電柱のある住所は、函館市末広町15番地です。函館旅行の際にはぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

[参考]
函館湾岸コンクリート物語
日本最古のコンクリート電柱 – 南北海道の文化財
道南にある一番古い00とは!?古いエレベーターに はるか昔に発見された温泉 そして電柱も – HTB
四角くても現役!函館の日本最古のコンクリート電柱 – 北海道ファンマガジン

[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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