『e-Bikeで楽しむ江戸時代の宿場町「矢掛町」前編』では、穴場絶景や国の重要文化財など「観る・遊ぶ」スポットを中心に紹介しました。
後編では、ランチスポットやお土産ショップなど、矢掛町の「食べる・買う」楽しみを中心にめぐります!
矢掛には美男美女がいる!? パフェ・チョコ・お風呂と宿場町を満喫
カフェと雑貨のお店「シーズ藤原家」
宿場町には、魅力的なお店がたくさん! “美男美女が住んでいる家”という、ユーモアある表札が掲げられたのは「シーズ藤原家」。
カフェと雑貨の店で、店名の通り藤原さん親子が経営。江戸後期に建てられた町家をリノベーションした店舗兼住居は、奥行きのあるウナギの寝床のような造り。
オムライス専門店で9年の修行経験をもつカフェ担当の息子さんが作るオムライスは、ケチャップライスではなく、ネギや黒コショウを合わせた和風な風味のさっぱりしたバターライス。
ソースの味を楽しんでほしいと、明太子やバターチキン、和風あんかけなどと、そのレパートリーは20種類にもおよぶとか。「クラムチャウダーオムライス」はサラダ・小鉢・味噌汁付きで1,000円(税込)。オムライスは隔週ランチで提供されます。
日帰り温泉「湯の華温泉」
宿場町めぐりでちょっと疲れたなぁ~と思ったら、「湯の華温泉」で日帰り入浴も楽しめます! なんたって宿場町のほぼど真ん中にあり、500円(休前日・休日は800円・税込)というリーズナブルなお値段。
人工温泉の湯は内湯に加えて露天風呂まで備わり、露天風呂では矢掛特産のユズや和ハッカなどの香りが楽しめることも。
内湯は男女ともほぼ同じ造りで、男性の露天風呂は四角、女性の露天風呂は丸型。江戸時代の宿場町の面影に思いを馳せて湯に入れば、自転車の疲れもどこへやら癒されますよ。
石挽カカオissai(矢掛本店)
お風呂上がりなど、甘いものが欲しくなったときに訪れたい魅惑のスイーツスポットを2店ご紹介! まずは、石が配されたスタイリッシュな店舗が目を惹く「石挽カカオissai(矢掛本店)」。
店内も素敵なのですが、実はココ、石材店がプロデュースした100%自然のもののみで作るチョコレートとカカオの専門店。
店内も石のテーブルやイスが配されイートインもできますが、なぜ石材店がチョコレートを? と思うでしょ。それは、チョコレートを挽くための石臼のオーダーを受けて製造したことがきっかけ。そんな各種チョコレート製造機器の展示やそれで作る本格的なクラフトチョコレートの味まで知ってもらいたいと、デモ店な位置付けでオープンしたのだとか。
矢掛町は矢掛石が産出する石の街でもあり、その矢掛石で作られた石臼などを使い、カカオ豆からチョコレートが出来上がるまで一貫した自家製法。原材料はカカオ豆と和三盆のみで、ガーナやペルー、コロンビア、ソロモンなど、産地ごとのピュアな味わいを楽しめます。試食も用意されているので、舌の上で溶かしながら産地ごとの違いを感じてお気に入りを見つけてください。
水車の里フルーツトピア
2店舗目は、宿場町からだと約3㎞、自転車で15~20分ほどの距離にある「水車の里フルーツトピア」。ナシやイチゴ、ブドウ狩りなどの収穫体験、BBQなどを楽しめる施設なのですが、ここのカフェにある、秋限定の「秋のめぐみパフェ」1,600円(税込)がスゴイ!
その高さは約32㎝。ビスケットやサツマイモチップス、クリなどが上部にトッピング。モンブランとパイがグラスの上を彩ります。グラスの中にはナシやサツマイモペースト、ほうじ茶ムース、バニラアイス、コーヒーゼリーなどがたっぷり!
ナシなどは果樹園で獲れた自家製を使用。モンブランとパイで蓋をされたようなこのパフェ、どのように食べるのかというと、上部を切り離して秋の味覚をお楽しみください!
幾重にも味変しながら楽しめる「秋のめぐみパフェ」は10~11月ごろまでの期間限定スイーツ。食材があればその場でオーダーすることも可能ですが、基本的に事前予約制なのでご注意を。コーヒーやスムージーなどのドリンクメニューもあり、なだらかな丘陵を見渡しながらゆっくりとできます。
岡山県小田郡矢掛町矢掛2588
http://www.seeds-fujiwaraya.com/
湯の華温泉
岡山県小田郡矢掛町矢掛2636(矢掛屋温浴別館内)
https://www.yakage-kanko.net/spot/13/
石挽カカオissai(矢掛本店)
岡山県小田郡矢掛町矢掛3074-1
https://ishiyamayuen.jp/
水車の里フルーツトピア(体験チケットはカフェで500円券として使用可能)
岡山県小田郡矢掛町東三成3974-20
https://www.fruit-topia.com/cafe
江戸時代の宿場町の雰囲気にどっぷりつかる
泊まれる江戸時代の町家「矢掛屋 INN&SUITES」
矢掛の宿場町めぐりで疲れちゃった…… という人もいるのでは。そんなときには“泊まれる江戸の町家”ともいえる「矢掛屋 INN&SUITES」があるんです。アジア初のアルベルゴ・ディフーゾ(分散型宿泊施設)にも認定され、宿場町に5つの宿泊施設が点在。どれも往時の面影を残す蔵や古民家などをリノベーションしたものばかり。
脇本陣を務めたとも伝わる築220年以上の江戸時代のお屋敷を利用した「本館」(6室)はその中核となる施設。エントランスからの奥行きはなんと80mもあり、その小路沿い(中庭)には長屋門などを利用した客室が配される造り。
1室として同じ造りの客室はなく、柱や梁を生かした造りは、まさに古へ誘われるような心地好さ。
「温浴別館」(8室)は、明治初期ごろの蔵や古民家をリノベーション。飴色に輝くような圧倒的な豪壮さをもつ太い梁が幾重にも連なる天井高のある客室は、矢掛の宿場町だからこそ泊まることができる貴重な客室。
このほかにも、シングルルームの「蔵INN蔵美」(7室)、ダブルから4ベッドルームがそろう「蔵INN家紋」(6室)などがありますが、内装まで宿場町の雰囲気を楽しみたいなら「本館」や「温浴別館」がおすすめ。しかも先ほど紹介した日帰り入浴施設「湯の華温泉」は、「矢掛屋 INN&SUITES」の大浴場でもあるので、一部の宿泊棟を除き、何度も自由に入ることができます。
宿場町ならではの旅情に浸れる岡山県矢掛町
東西に真っ直ぐ伸びる旧山陽道が、約800mに渡って続く宿場町・矢掛。電柱や電線も地中に埋められ、日本で唯一、本陣・脇本陣の両方が重要文化財として残り、歴史ある建造物に包まれた中で暮らす人々の息吹も感じられます。小回りが利き、機動性の高いe-Bike(電動アシスト付き自転車)で街をめぐれば、江戸時代の面影を残す宿場町の雰囲気をたっぷりと楽しめます。
e-Bikeで やかげおでかけ
https://www.yakage-km.jp/
2023年10月27日からは「e-Bikeで やかげおでかけ」として、e-Bike(電動アシスト付き自転車)のレンタルが開始され、宿場町めぐりがより楽しめるものに! 期間は2023年12月17日までの約2カ月間。その貸出&返却スポットになるのは矢掛駅から徒歩約9分の「道の駅 山陽道やかげ宿」と徒歩17分の「矢掛町総合運動公園」です。
レンタルできるe-Bike(電動アシスト付き自転車)は、モンベルが独自開発した自転車で3段階のアシストモードを搭載。長距離や坂道もスイスイ進めるので宿場町めぐりにはもってこい! 料金は、3時間+体験チケット1枚付き2,000円(税込)、5時間+体験チケット2枚付き3,000円(税込)。体験チケットは矢掛町の12施設で、入場券・食事券・お買い物券などとして利用できるのでお得です。
[Photos by ©︎tawawa]