京都市街地の北部から北山までの一帯「洛北」に位置する「鞍馬山」は、古くから避暑地として知られる霊山です。気温は京都市中心部よりも5〜6度低いとされ、夏こそ訪れたいスポットといえるでしょう。今回は、鞍馬山の天狗伝説や歴史のほか、見どころ、ココでしか味わえないグルメも一挙にご紹介! 涼を取りに、京都のパワースポットのひとつ「鞍馬山」を訪れてみませんか。
牛若松の修行の地と伝えられる「鞍馬山」
鞍馬寺の山門「仁王門」
1,200余年の歴史をもつ「鞍馬山」は、標高584mの霊山です。古くから霊験あらたかな山として人々の信仰を集めてきました。うっそうと老杉が茂り、植物は原生のものが多いのが特徴で、かつては「くらぶ山」と呼ばれていたとか。
また南山腹には、1,200年以上の歴史をもつ「鞍馬寺」があり、平安時代末期に、牛若丸が天狗から剣術を学んだ伝説で有名。本殿裏から奥の院への山道には、牛若丸の遺跡もあります。
天狗と牛若丸が師弟関係だったとされる「天狗伝説」
平安時代末期、鞍馬寺の僧兵は比叡山の僧兵に数は劣るものの、より勇猛だと讃えられていたそうです。のちの源義経である牛若丸(幼名)は、7歳ごろに鞍馬寺に入山。昼間は由岐神社の上手にあった東光坊で仏道修行、夜は僧正ガ谷で天狗に剣術を授けられたといいます。そして、16歳のころ、鞍馬寺を出て奥州平泉に下ったそうです。
「鞍馬山」の見どころ4選
現在もパワースポットとして知られ、多くの観光客で賑わっている「鞍馬山」の見どころ4選をご紹介します。鞍馬寺の山門から徒歩5分の場所からは、単線のケーブルカーも運行。「由岐神社」や鞍馬寺の「本殿金堂」まで気軽に行けるのも魅力です。
鞍馬駅前の迫力満点なモニュメント「大天狗」
©️beeboys / Shutterstock.com
叡山電鉄の終点「鞍馬駅」には、鞍馬の自治会により制作された、高さ約4m(台座も含む)、鼻の長さが2.3mもある大迫力の「大天狗」が鎮座しています。その圧倒的な存在感は、訪れる人々を引き寄せ、人気の撮影スポットに。
この大天狗を目にした瞬間から、鞍馬山に残る「天狗伝説」を思い出して、ワクワクしてきますね。
一心に願えば願い事が叶うといわれる御神木がある「由岐神社」
©️Akira Nakatani / Shutterstock.com
940年に平安京の北方鎮護を目的に創立された「由岐神社」は、鞍馬一帯の氏神です。 1607年に豊臣秀頼が再建した荷拝殿(にないはいでん)、子を抱く珍しい狛犬は、重要文化財に指定されています。荷拝殿は、左右2つに分かれて中央に通路のある建造物で、後方は崖上に出ていて、前方は舞台造になっているのが特徴。いずれも一見の価値ありですよ。
また、境内には古くから「大杉さん」として親しまれる、樹齢約800年の大杉も! この御神木に一心に願えば願い事が叶うといわれています。大杉の樹皮でつくったお守りも人気です。
宇宙のエネルギーが感じられるパワースポット! 鞍馬寺の「本殿金堂・金剛床」
鞍馬寺の一番の見どころは、ズバリ「本殿金堂」の正面にある「金剛床」。三角形と六角形を組み合わせた印になっており、パワースポットといわれています。実はこの印、宇宙のエネルギーである「尊天」の波動が果てしなく広がる星曼荼羅(ほしまんだら)を模しているそうです。
そのため、「金剛床」の上で天に向かって手を広げて祈ると良いとか。ぜひ試してみたいですね。
鞍馬寺の御本尊は、千手観音菩薩・毘沙門天王・護法魔王尊。毘沙門天のお使いが、阿吽(あうん)の虎であることから、狛犬ならぬ狛虎が鎮座しています。こちらにも注目を!
神秘的な光景が広がる「木の根道」
鞍馬寺の本殿と奥の院を結ぶ「木の根道」は、地表を這うように絡み合った木の根が神秘的です。硬い地質のため杉の根が地中に入り込むことができず、このような光景が広がっているとか。このあたりで、牛若丸が修行をしたと伝えられています。
鞍馬ラーメン
そのほか、鞍馬駅周辺には、こしあんがたっぷり入った名物の「牛若餅」が味わえる「多聞堂 (たもんどう)」や、山椒が効いた「鞍馬山ラーメン」を堪能できる「岸本柳蔵老舗」など、ココでしか楽しめないスイーツや料理を提供するお店が点在。気になるメニューがあれば、ぜひトライしてみてくださいね。
鞍馬山
住所:京都府京都市左京区鞍馬本町
交通アクセス:叡山電車「鞍馬駅」からすぐ
[参考]
そうだ 京都、行こう
京阪電鉄
JRおでかけネット
平清盛の京を歩く
総本山 鞍馬寺
由岐神社
[All photos by Shutterstock.com]
Ayami ライター
フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。
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