【日本三大ういろう】名古屋ういろう・山口ういろう、もうひとつは?それぞれの主原料や味わい、歴史を解説

Posted by: あやみ

掲載日: Jan 28th, 2025

日本を代表する和菓子「ういろう」は、地域ごとに異なる魅力を持つ伝統菓子です。なかでも「名古屋ういろう」「山口ういろう」「阿波ういろ」は、日本三大ういろうに挙げられます。モチモチとした食感やぷるんとした弾力、地元素材を活かした風味など、味わいは多彩。今回は、それぞれの主原料や味わい、歴史をご紹介します。

日本三大ういろう アイキャッチ

東海道新幹線の車内販売により、その知名度が全国に浸透した「名古屋ういろう」(愛知県名古屋市)

名古屋ういろう

名古屋の名物といえば、「ういろう」が思い浮かぶ人もいるでしょう。なぜ名古屋ういろうが世に広まったきっかけは、創業1879年の名古屋・大須にある「青柳総本家」が、ういろうを国鉄名古屋駅構内でういろうを販売を行ったことから。

1964年に東海道新幹線が開通すると、青柳総本家はういろうの車内販売を開始。これにより、ういろう=名古屋というイメージが全国に浸透したのです。

名古屋ういろうの主な原料は米粉と砂糖で、重量感とつきたてのお餅のようなもっちりとした食感、上品な甘さが特長。お米ならではのどこか懐かしい味わいを楽しめます。

また、青柳総本家の公式情報によると、名古屋ういろうをおいしく食べる方法は、夏季は固くならない程度に1時間ほど冷蔵庫で冷やすのがポイントとのこと。一方、冬季にういろうが固くなった場合は、フィルム包装のまま20分ほど茹でた後、一度冷水に入れて冷ますことで、柔軟さが戻るそうです。

名古屋を訪れた際は、ぜひお土産として購入してみてくださいね!

なめらかな食感! 米粉の代わりにわらび粉を使う「山口ういろう」(山口県)

山口ういろう

山口県を代表する和菓子「ういろう」。同県でいつ頃からういろうが作られるようになったのかは、はっきりとわかっていませんが、1654年に幕府の国目付が訪れた際には、ういろうが振る舞われたとの記録があるとのこと。

山口ういろうの大きな特徴は、ワラビ粉を使うこと。ブルブルとした弾力と、モチモチとした食感を堪能できます。また、地元で「おっとり」と表現される、独特のなめらかさも魅力です。

原料にわらび粉を使った理由は諸説ありますが、一説によると当時はお米が大変貴重だったため、その代わりとして県内で多く生産されていた「わらび粉」を使うようになったのだとか。

また、山口県を訪れた際に、ういろうを味わうのなら「生ういろう」がおすすめ。生ういろうとは、蒸した後そのまま包装したういろうのことで、2〜3日しか日持ちしませんが、モチモチ感が強く、くせになる味わいです。

山口ういろう発祥の店「福田屋」の製法を受け継ぐ老舗店「御堀堂」では、生ういろうはもちろん、お土産・贈呈用として人気の真空パックのういろうも販売しています。室町時代、福田屋で初めて作られたといわれている山口伝統の「白ういろう」も必食です。

“阿波和三盆糖”の誕生を祝って作られたといわれる「阿波ういろ」(徳島県)

阿波ういろう
出典:農林水産省ウェブサイト

徳島の伝統的な蒸し菓子「阿波ういろ」の歴史は古く、江戸幕府11代将軍・徳川家斉(いえなり)の時代がはじまりとされています。

この頃、阿波の国にサトウキビの栽培が伝わり、「阿波和三盆糖」が誕生。それを祝って作られたのが「阿波ういろ」といわれています。

「阿波ういろ」は徳島藩主や領民が旧暦3月3日の節句に食べたとされ、その習慣は今も徳島県民の風習として残っているそうです。

主な原材料は米粉、小豆、砂糖。モチモチとした歯応えと、やさしい甘さが特徴的です。また、四角く切り分けたものから、丸みを帯びたものまで、その形や大きさはお店によってさまざま。

さらに近年は、金時、栗、柿などを使ったものや、チョコレート味なども登場しています。

徳島県を訪れた際は、気になるお店に足を運んで、阿波ういろを購入したいですね。

[参考]
農林水産省
名古屋名物「ういろう」の歴史|東海テレビ
山口県文書館
おいでませ山口へ
Fun!Fun!徳島

[Photos by PIXTA]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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