旅にまつわるさまざまな費用や価格料金をとりあげるTABIZINE【リアルなお金の話】特集。今回は世界の名画を見るための値段を紹介したいと思います。
大学時代に芸術を学び、世界を旅しては各国の名作を鑑賞する筆者が、今まで見た名画にかかったお値段を紹介します。
フェルメール作『真珠の首飾りの少女』14ユーロ(約1,736円)
(C)Masayoshi Sakamoto
最初は光のマエストロと言われるフェルメールの『真珠の首飾りの少女』。こちらはオランダのデン・ハーグにあるマウリッツハイス美術館に展示される名作ですね。
過去記事「【オランダ】絵画「真珠の耳飾りの少女」に会いにデン・ハーグに行ってきた 」でも取り上げましたが、こちらの名画を見る値段はいくらなのでしょう?
この場合の値段とは、オランダに行く飛行機代や、デン・ハーグまで移動する電車賃などを抜いた金額。純粋に美術館に入るための入館料になります。
ふらっとデン・ハーグの町を歩いていて、「そういえば真珠の首飾りがあそこに展示されているから、ハンバーガーを食べた後に見に行かない」といった感じで、いくら払えば作品を見られるのかという話です。
入館料は14ユーロ。執筆当日のレートで考えると1736円。日本の映画館の入場料金と同じくらいですね。
(C)Masayoshi Sakamoto
ちなみにマウリッツハイス美術館では、レンブラント作『テュルプ博士の解剖学講義』などの有名作品も見られると思えば、安い値段かもしれませんね。
レンブラント作『夜警』17.50ユーロ(約2,171円)
(C)Masayoshi Sakamoto
次は同じオランダの巨匠、レンブラントの代表作『夜警』。オランダのアムステルダムにある、オランダ国立美術館に所蔵されています。
こちらも過去記事「フェルメールにレンブラントも!アムステルダムの国立ミュージアムを効率的に回るコツ 」で取り上げました。まさに同美術館の代表作ですね。
身の丈を越えるサイズの巨大な絵画を展示するために、館内には特別に大きなスペースが確保されていますが、同美術館の入館料は17.50ユーロ。2,171円となります。
(C)Masayoshi Sakamoto
マウリッツハイス美術館よりはちょっと高めですね。とはいえ、この美術館はオランダを代表する美術館であり、フェルメール作『牛乳を注ぐ女』など、オランダにおける黄金の17世紀を代表する作品が多く収蔵されています。
そう考えると、お値段以上の価値がありそうですよね。
次はゴッホ作『ひまわり』やレオナルド・ダ・ヴィンチ作『モナ・リザ』などのお値段です!
ゴッホ作『ひまわり』17ユーロ(約2,108円)
(画像はイメージです)
オランダ、オランダと来たので、せっかくですから次もオランダ。ゴッホの『ひまわり』を紹介します。ゴッホはオランダ人で、アムステルダムにはゴッホだけを取り上げたゴッホ美術館があります。
過去記事「【アムステルダム】超有名な絵がいっぱい!ゴッホ美術館の効率的な楽しみ方 」でも紹介しましたね。
中でも『ひまわり』は有名だと思います。その作品を見るために必要なお値段は17ユーロでした。オランダ国立美術館とほとんど同じですね。
同美術館には『ひまわり』以外にも、地上4階、地下1階建ての建物にゴッホ作品がぎっしりと詰まっています。ゴッホファンには、お値打ち価格に感じられると思いますがいかがですか?
ミケランジェロ作『最後の審判』29ユーロ(約3,588円)
オランダが続いたので、次はバチカン市国に飛びましょう。バチカン美術館のすぐ近く、サンピエトロ大聖堂に隣接したシスティナ礼拝堂に描かれるミケランジェロの『最後の審判』のお値段。こちらはバチカン美術館とセットの入場料になります。
いくらだったか記録も記憶も残っていなかったので調べてみたところ、29ユーロとあります。執筆時のレートだと3,588円。上述のオランダ勢と比べると、ちょっと割高ですね。
筆者の好きな映画に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』という作品があります。その映画の中でシスティナ礼拝堂のミケランジェロの作品について語るシーンがありました。
そのシーンを見て以来、ずっと憧れ続けた場所です。思い入れのある筆者には安く感じますが、人によってはちょっと高いと感じられるかもしれませんね。
ちなみにそのときバチカン美術館で買ったノートがあります。何年も大切にとっておいたのですが、今のわが家では3歳の娘がどこからか引っ張り出してきて、気ままにお絵描き帳にしています。子どもの描くアンパンマンも、何か高級に見えるから不思議です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作『モナ・リザ』15ユーロ(約1,857円)
恐らく地球上で最も有名な絵画の1つが、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の『モナ・リザ』ではないでしょうか?
過去記事「「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台、ルーブル美術館にあるピラミッドの秘密 」でも触れた、パリのルーブル美術館の代表的な展示作品ですよね。
と、ここまで、さも『モナ・リザ』も見てきたかのような口ぶりをしていますが、お恥ずかしながら『モナ・リザ』に関しては見た経験がなく・・・。あくまでも参考価格として掲載しておきました。
ルーブル美術館は拝観料がなんと15ユーロ。あれだけの展示規模を誇りながら、15ユーロとは安いですよね。
執筆時点のレートで言えば1,857円です。年間数百万人が訪れる美術館ですから、1人当たりの入場料を下げても十分に利益が出るのかもしれませんね。
以上、世界の絵画を見るお値段を紹介しましたが、いかがでしたか? 世界の名作を見るお値段、出せないような値段では決してありませんので、旅の途中で有名な美術館があれば、ふらりと立ち寄ってみてもいいのかもしれませんね。
[Photos by shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
【24時間あったらパリで何する?】1日でパリを制覇する!在住者おすすめの
Jan 24th, 2024 | 北川菜々子
【2024年1月24日更新】旅行中、飛行機の乗り換えやヨーロッパ旅行で1日だけパリに滞在することになったという方もいるのではないでしょうか。そんな方々におすすめ。1日でパリを制覇する過ごし方をお教えしたいと思います。観光スポットもグルメも美術もショッピングも全て24時間で楽しんでしまいましょう。
ボルドーやブルゴーニュだけじゃない!知っておきたいフランスのワイン4選
Jan 13th, 2024 | 北川菜々子
フランスのワインといえばボルドーやブルゴーニュを最初に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際日本にもこの2大生産地のワインが一番多く輸入されています。しかし、フランスのワインはボルドー、ブルゴーニュだけじゃないんです。フランス全土に渡ってワインは生産されています。在住者がおすすめするフランスの地方のワインを紹介したいと思います。
【大学生が見た海外の“今”】研修中のカメラロール見せてください!フランス
Dec 7th, 2023 | TABIZINE編集部
TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第4回は、フランス編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のA.Kさんです!
【海外のマクドナルド】フランスのハッピーセットのおもちゃを大公開!
Oct 19th, 2023 | sweetsholic
その国でしか味わえないご当地メニューはもちろん、ハッピーセットの内容やおもちゃも国によって異なるのが楽しい、海外のマクドナルド。今回はフランスのマックより、ハッピーセットの付録を大公開。また仏ハッピーセットの付録史上、大人の自分がもっとも興奮した、2023年秋のおもちゃも併せてご紹介します!
フランス・バスク地方の伝統菓子「メゾン・アダム」「メゾン・パリエス」の素
Oct 15th, 2023 | ロザンベール葉
日本でもすっかり定着したマカロン。巷で見られるものは厳密にはパリ風マカロンと呼ばれ、フランスには素材や製法、特徴が異なるさまざまなマカロンが存在します。フランス・バスク地方、大西洋岸のサン=ジャン=ド=リュズという港町で見つけた「メゾン・アダム」のマカロン、「パリエス」のムシューと呼ばれる2品を実食ルポでご紹介します。
17年前のパリの一人旅「とりあえずここで頑張ろう」
Oct 8th, 2023 | 北川菜々子
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第8回目は、フランス・パリ在住の北川菜々子さん。「今回TABIZINEの10周年企画で、どの旅のことを書こうか……色々考えました。今でこそ年に何回も旅に出ますが、根っから旅行好きという訳ではありません。どちらかというと家にいるのが好き。そんな私が一人で、それも海外に出たのが、大学4年生の冬でした。正確に言うと旅ではなくフランスに留学。それも一度も訪れたことがなかったフランスへ。その時のパリの一人旅が、改めて今振り返ってみると、私の中で一番印象に残っている旅なのです。なんてことのない旅ですが、17年前のパリの旅行の記憶を解きながら、今回のコラムを綴らせていただきます」
【ローマ・ナポリ・プロヴァンス】忘れられない朝食の思い出
Oct 5th, 2023 | ロザンベール葉
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第5回目は、京都在住のロザンベール葉さん。「旅行の際、“食”は最も重要なテーマですよね。朝食、ランチ、ディナーとそれぞれに魅力がありますが、10周年に寄せての今回は、朝食にフォーカスしたいと思います。シンプルな中に、その土地の要素がたっぷり詰まっている朝食。特に忘れられない、イタリアのローマとナポリ、フランス・プロヴァンスの思い出をお届けします」
【機内食ルポ】エールフランス航空「関西空港~パリ」エコノミー搭乗体験をコ
Sep 1st, 2023 | ロザンベール葉
フランスを代表する航空会社「エールフランス航空」。世界500都市以上に就航し、世界有数の路線網を維持しています。ハブ空港であるパリ=シャルル・ド・ゴール空港から日本へは、成田、羽田、大阪の3都市と定期運航。そんなエールフランス航空の最新情報を、ここ十数年毎年搭乗している筆者が、搭乗・機内食ルポとともにお届けします。
【世界の病院食ルポ】フレンチなのに、機内食みたい!?2023年8月ボルド
Aug 31st, 2023 | sweetsholic
機内食にもお国柄が表れるように、入院中の食事もその国ならでは。こちらの記事では、世界の病院食にフォーカス! というわけで、今回は筆者の暮らすフランス編。ワインの銘醸地ボルドーにほど近い場所にある、リブルヌ・ロベール・ブラン総合病院の入院食をルポします。
【海外の本格ノンアルビールを飲み比べ 】まるでホンモノ!?一番おいしいの
Mar 31st, 2023 | sweetsholic
世界的な盛り上がりを見せている、ノンアルコール市場。ワインの消費量は年々減っているフランスですが、ノンアル市場は右肩上がりです。現地スーパーのビールコーナーでも、数年前に比べ、アルコールゼロを謳うビールの存在感が増している印象。人気とはいうけれど、気になる味は……? そこで、日本でも知名度の高い海外ビールメーカーから発売中のノンアルビール4種類を飲み比べてみました!