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一人旅初心者にもおすすめの行き先をご紹介する連載第11弾。今回おすすめする旅先は中世の面影を残す国、ベルギーです。
ベルギーが海外一人旅におすすめなワケ
ヨーロッパのなかでも治安がいいといわれるベルギー。国土が狭く、各都市も徒歩中心で周れる手ごろな大きさなので、周遊旅行がしやすいのがポイントです。
中世の面影を残す美しい街並みはもちろん、ワッフルやチョコレートといったスイーツも女性にはたまりません。時間に余裕があれば隣国のオランダやドイツとあわせて訪れるのもおすすめです。
首都ブリュッセル
ベルギーの玄関口となるのが首都ブリュッセル。西ヨーロッパの歴史や美術に大きな功績を遺した中世の面影を残す古都です。
首都とはいえコンパクトに見どころがまとまっているので徒歩だけでもかなりの見どころを回ることが可能。地下鉄やトラムといった公共交通機関を利用すれば行動範囲がさらに広がります。特に地下鉄は路線がシンプルでとてもわかりやすいので旅行者にも使いやすい交通手段です。
「世界で最も美しい広場」グラン・プラス
ヴィクトル・ユゴーが「世界で最も美しい広場」、さらにはジャン・コクトーが「豊穣なる劇場」と称賛しグラン・プラス。ブリュッセルの中心に位置する壮麗な歴史的建造物に囲まれた広場です。
縦110メートル、横68メートルと意外にこじんまりしていることに驚くかもしれませんが、その存在感は圧巻。広場の隅に腰をおろして眺めるグラン・プラスはため息が出るほど美しく、それだけで心が満たされます。
広場にはカフェもあり、天気のいい日にテラス席で過ごす時間は最高のひとときです。この贅沢な空間を細部までじっくりと眺めてみましょう。
夜にライトアップされた広場のしっとりとした優雅な姿も格別です。
市庁舎
ベルギーのゴシック建築の最高傑作との呼び声高い市庁舎はグラン・プラスの顔ともいえる存在。15世紀に建てられたフランボワイヤン様式の建物で、中央の塔の高さは96メートル。尖塔の上の大天使ミカエル像は、街の守護天使として500年以上にわたってブリュッセルの街を見守っています。
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王の家(ブリュッセル市立博物館)
グラン・プラスの中にあり、市庁舎に向かい合って建っています。16世紀にスペイン王カール5世の命で建てられたため、この名が付きました。
現在内部は市立博物館となっており、ブリュッセルの歴史に関する古文書、陶磁器、絵画、タペストリーなどが展示されています。しかしなんといっても一番興味をそそられるのは小便小僧ジュリアン君の衣装コレクション。世界各国から贈られた衣装の数々には思わず笑ってしまうようなものも。もちろん日本から贈られたものもありますので、どんなものがあるかぜひ確かめてみてくださいね。
小便小僧「プチ・ジュリアン」
グラン・プラスのすぐ近くにあるのが、ブリュッセルの最長老市民とも呼ばれる「小便小僧」の像。「プチ・ジュリアン(ジュリアン君)」の愛称で親しまれています。
全長30センチという大きさのため「がっかり名所」と呼ばれてしまうこともありますが、その姿を見れば「ブリュッセルに来たんだ!」という実感が湧き、なんだか嬉しくなります。
見どころは頻繁に変わるそのファッションで、裸の姿や世界中から贈られたユニークな衣装をまとった姿など、さまざまないでたちで私たちの目を楽しませてくれます。
サン・ミシェル大聖堂
パリのノートルダム大聖堂を連想させる壮麗な大聖堂。前国王ボードワン1世とファビオラ王妃との結婚式やカール5世の戴冠式も行われたという由緒ある教会です。1226年に着工してから完成するまでに300年もかかったため、ローマ・ゴシックからルネサンスまでさまざまな建築様式が混ざり合っています。
王宮
ベルギー国王が執務を行う場所で、夏のあいだのみ一般公開されます。現在の建物は1908年に国王レオポルド2世によってルイ16世様式に改築されたもの。
ゴヤの作品をモチーフとしたタペストリーの架かる「ゴヤの間」、食器や銀器が展示されている「青の間」のほか、壮麗な「玉座の大広間」など、フランスのヴェルサイユ宮殿を彷彿とさせるような豪華絢爛な空間には目を見張ります。
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ギャルリ・サンテュベール
1846年から1847年にかけてつくられたガラス張りの屋根に覆われた瀟洒な商店街。ヨーロッパ最古のアーケードのひとつで、レトロなヨーロッパの雰囲気が味わえるスポットです。レースやタペストリー、チョコレートといった代表的なベルギーみやげのお店もあるので、おみやげ探しにもおすすめ。
ベルギースイーツを堪能!
ベルギーといえば、ワッフルやチョコレートといったスイーツも見逃せません。海外のスイーツは日本人には甘すぎることもありますが、ベルギーのスイーツは上品な甘さです。
ベルギー名物のワッフルにはブリュッセル風とリエージュ風があります。日本でもおなじみの、厚めの生地に粗い砂糖の入った食べ歩きに適したものがリエージュ風で、ブリュッセル風はサクサクとした軽い食感。ブリュッセルワッフルはそれ自体はあまり甘くないので、パウダーシュガーやフルーツなどをトッピングして食べるのが一般的です。
街角のワゴンで売っているワッフルを公園で頬張るもよし、カフェのテラス席でいただくもよし、それぞれ違った旅の醍醐味が味わえます。
ピエール・マルコリーニやヴィタメール、ジャン=フィリップ・ダルシーなど、日本でも人気のチョコレートショップにも足を運んでみましょう。これらのブランドは現地でも高級ですが、日本で買うよりはずいぶんお得に感じられるので、ぜひ本場でゲットしたいところです。
3つの世界遺産が楽しめるブルージュ
ブリュッセルから足を延ばしたいのが「天井のない美術館」と呼ばれるブルージュ。ブリュッセルから電車で1時間程度と日帰りでも気軽に訪れることができます。
運河が街の縦横を走り、中世の街並みがそのままに保存された街並みには誰もが心をときめかせずにはいられません。
旧市街は「ブルージュ歴史地区」として世界遺産に登録されているほか、歴史地区内にあるベギン会院とマルクト広場の鐘楼が、それぞれ「フランドル地方のベギン会修道院群」、「ベルギーとフランスの鐘楼群」のひとつとして世界遺産に登録されています。ブルージュに足を運べば3つの世界遺産を同時に楽しめてしまうのです。
旧市街の中心はマルクト広場。カラフルなギルドハウスや鐘楼に囲まれた広場からはかつての繁栄がしのばれます。
高さ83メートルの鐘楼からはまるでおとぎの国のようなブルージュの可愛らしい街並みが見渡せます。こじんまりとした街ですが、点在する教会などの歴史的建造物を訪ね歩いたり、運河沿いをサイクリングしたり、カフェでのんびりしたりと楽しみが尽きないブルージュ。行けばきっとその居心地の良さに魅了されるはずです。
好奇心のままに一人でふらりと歩きたくなるベルギーなら海外旅行ならではの冒険気分を味わいつつゆったりとした時間を楽しめます。絶妙な心地よさを味わえる国にあなたも出かけてみませんか。
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[ベルギー観光局ワロン・ブリュッセル]
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