北陸新幹線開業後、金沢を中心に観光が人気の北陸。この先はさらに新幹線が福井まで延伸されて、ゆくゆくは京都、大阪とつながる予定です。
北陸はこの先も観光地として見逃せない時期が続きますが、その北陸で何かユニークな、一風変わったお土産を買って帰りたいと思ったら、何かいいアイテムはあるのでしょうか?

そこで今回は福井県鯖江(さばえ)市にある越前夢工房の『眼鏡堅麺麭(めがねかたパン)』を紹介したいと思います。
メガネの聖地で生まれたメガネ型の堅いパン

販売元の越前夢工房が福井県の鯖江にあると聞いて、ピンとくる人も少なくないと思います。鯖江と言えば国内屈指のメガネの産地で、イタリアのベッルーノ、中国の温州、深川と並ぶ世界のメガネ産地の1つとして、世界的にも知られています。
この土地の名産品にちなんで、大東亜戦争中に兵隊の保存食として堅パンを作っていた地元のヨーロッパン キムラヤというパン屋が、同じ製法を用いてメガネ型のパンを焼き上げました。そのユニークな外観と、驚くほどの堅さが話題となって、最近では『眼鏡堅麺麭』は高い知名度を獲得しつつあります。
金づちで割って食べるパン!?

メガネケースのようなデザインのパッケージを開封すると、中に注意書きが同封されています。その言葉を引用すると、
<当製品は大変堅く焼き上げております。少しずつ割って、かまずにほおばりながら味わってください。歯には十分気をつけてご賞味ください>(商品に同封された商品解説書より引用)
とあります。歯には十分気をつけてとあるように、冗談抜きで本気に堅いパンです。少なくとも、歯の悪い高齢者のお土産には全く向いていません。販売元の越前夢工房の公式ホームページには、金づちなどで割って食べるようにとすら書かれています。
調子に乗っていきなり歯でかじりつき、歯を折ってしまっては、せっかくの旅の思いでも台無しです。大げさかもしれませんが、本物のメガネのフレームを食べるような心構えを持って口に運んだ方がいいかもしれませんね。
ゴマの風味が「想定外に」おいしい

メガネのフレームを食べるようなイメージだと書くと、「おいしくなさそう」と思うかもしれません。しかし実際に口に含んでみると、生地に練り込まれた黒ゴマの風味が口の中に広がって、素朴においしい味わいだと気づかされます。
まずは軽く歯を当て、その堅さに驚いたら、「オリャー」と金づちで砕いたり、「フレーム」の両端を左右の手で持って真っ二つに折ったりして、適当な大きさに砕いて口に含んでみてください。唾液で柔らかくしてからかみ砕きます。コーヒーに浸して食べてもおいしいですし、スープに入れればクルトン(浮き実)にもなります。
ちなみに筆者は眼鏡堅麺麭をテーブルの上に平置きし、黒帯を保有する日本少林寺拳法の腕前で正拳突きを繰り出し砕こうと試みました。しかし結論を言えば、砕く際には金づちの使用をお勧めします。
会社関係のお土産にも最適

見た目に印象的である上に、3本入りで486円と値段的にも安く、類を見ない堅さという特徴も楽しいお土産です。北陸旅行に出かけた際には、会社へのばらまき用として購入する手もありますよね。
残業が続き、職場のストレスが極めて高まったときに、ストレス解消を兼ねて『眼鏡堅麺麭』をマグカップの底などで砕き、コーヒーブレイクに入るといった楽しみ方も考えられます。
尼御膳サービスエリアなど一部の高速道路のサービスエリアでも購入ができますが、最も買い求めやすい場所は金沢21世紀美術館の並びで、広坂2の交差点にある[g]iftというギフトショップになります。富山、石川、福井のユニークなお土産を集めた専門店。北陸旅行のハイライトの1つである金沢21世紀美術館に訪れた際に、まとめて購入しておくと便利ですよ。
以上、福井のユニークなお土産、『眼鏡堅麺麭』を紹介しましたがいかがでしたか? 筆者の3歳の娘は素朴な味が気に入ったのか、生えそろって日も浅い乳歯で勇猛果敢にかじりつき、「おいしい」と半分を平らげてしまいました。とはいえ乳歯は永久歯と違って弱く心配です。子持ちの方は子どもに与える場合、口に含んで時間を掛けて食べるようにと、指導を忘れないようにしたいですね。

[眼鏡堅麺麭(めがねかたパン)|越前夢工房]
[Photos by Masayoshi Sakamoto and shutterstock.com]

あなたが知りたかったことが、この記事で参考になりましたか?
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の媒体に日本語と英語で執筆を行う。北陸3県を舞台にしたウェブメディア『HOKUROKU』の創刊編集長も務める。
https://hokuroku.media/
大分・由布院温泉のお土産だと思ったらそうじゃなかった話。でも可愛い。【編
Oct 4th, 2022 | TABIZINE編集部ブログ
TABIZINE編集部員が、取材先やプライベートで気になった小ネタをお届けする編集部ブログ。今回は、大分県・由布院温泉で思わずパケ買いしたお土産が、由布院土産だと思っていたら実はそうではなかった話。由布院では近くの別府温泉のお土産も一緒に売っていたりするんですが、別府土産でもなく……大分土産ですらなく……なんと実は…富山土産だったんです。
【今買うべき新作お土産】氷のような涼しげな味わい!富山「ひみぷりん」
Jul 23rd, 2022 | 西門香央里
旅やお出かけに必須の「お土産」。全国各地には人気のお土産がたくさんありますが、「ちょっとマンネリかも」と感じている人も多いかもしれません。そこでこの連載では、2022年に登場した「新作のお土産」に注目してその味をお届けします。第20回は、富山県氷見市の「ひみぷりん」を紹介します。
賞味期限は10分!?幻のチーズケーキ「アルペンチーズケーキ」
Apr 27th, 2020 | Katie
富山県にある黒部渓谷の麓にチーズケーキの専門店「アルペンチーズケーキ」が新しくオープン!ふんわり雪のような口どけが特徴で、なんと賞味期限10分の「幻のチーズケーキ」は連日完売となっています。どんなチーズケーキなのか、一度食べてみたいですね。
【見たさ 逢いたさ 想いが募る】越中八尾おわら風の盆
Aug 25th, 2019 | 青山 沙羅
人口約20,000人の富山市八尾町には、9月1日から9月3日までの3日間に、全国から200,000万人もの観光客が訪れます。富山駅は、東京駅から新幹線で2時間ほどですから、意外に近いですね。目指すのは、300年以上の歴史を誇る「おわら風の盆」。唄と演奏の「地方(じかた)」と揃いの浴衣の「踊り手」が、「越中おわら節」にあわせて町内を踊り歩く「町流し」に、八尾町は幻想の祭りに3日間浸ります。
どら焼きを〇〇すると美味しい!新しいどら焼き「ホットドラバター」
Dec 27th, 2018 | Chika
老舗和菓子店「中尾清月堂」から新商品であるホット専用のどら焼き「ホットドラバター」が発売されました。レンジで温めてトロトロになったあんと、皮に染み込むバターを楽しむ、新食感のどら焼きです。味はバター、クリームチーズ、アーモンドチョコの3種類。
リニューアルして人気に!「道の駅・庄川」のおすすめグルメとお土産現地ルポ
Jan 31st, 2018 | 坂本正敬
富山県の庄川という温泉郷にある「道の駅庄川」が、2017年6月27日のリニューアルオープン後人気です。オシャレな雰囲気いっぱいの道の駅から、富庄川おんせん野菜など地域の名産品、おすすめのお土産、レストラングルメなど現地ルポ。
標高2450mの鉄道駅で行列ができるほど人気!限定スイーツ『立山星の雫』
Dec 21st, 2017 | 坂本正敬
観光地に出かけて「ここでしか手に入らない」と言われるお土産を見かけると、思わず足を止めて商品に手を伸ばしてしまいますよね。ましてその商品が人気だと聞くと、買わずにはいられなくなります。
(C ... more
金づちで割って食べるパン!密かに話題のお土産「眼鏡堅パン」が斬新すぎる
Dec 20th, 2017 | 坂本正敬
北陸新幹線開業後、金沢を中心に観光が人気の北陸。この先はさらに新幹線が福井まで延伸されて、ゆくゆくは京都、大阪とつながる予定です。
北陸はこの先も観光地として見逃せない時期が続きますが、その北陸 ... more
富山屈指の観光名所「道の駅・福光」のおすすめグルメとお土産【現地ルポ】
Dec 2nd, 2017 | 坂本正敬
最近、道の駅が人気です。もはや地元の観光名所というくらいににぎわっている場所もありますが、筆者の暮らす富山県にも人を集める道の駅があります。
そこで今回は地元の人も盛んに利用する道の駅で ... more
【富山】渚100選の海岸でヒスイを拾う旅。日本で拾えるのは2か所だけ!
Dec 1st, 2015 | 坂本正敬
女性であれば、ヒスイという宝石をご存じですよね。古代のころからアクセサリーとして重宝され、装飾品を超えて呪術的・宗教的な意味すら持ったという貴重な石。なんとそのヒスイを無料で拾える海岸が富山県にあると ... more