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訪れた人だけが知ってる!石川県小松の不思議な隠れパワースポット|日本遺産

Posted by: 山口彩
掲載日: Dec 15th, 2021.

「日本遺産(Japan Heritage)」は文化庁が認定した、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリー。今回は、石川県・小松の日本遺産、『珠玉と歩む物語』~時の流れの中で磨き上げた石の文化~を巡るツアーに参加しました。訪れた中から、不思議な吸引力をもつ3つの隠れパワースポットを紹介します。「隠れ」としたのは、いわゆる一般的な観光スポットではないから。その秘密は、訪れた人だけが知っています。

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廃墟マニアにもおすすめ「観音下石切り場」

1つ目のパワースポットは、「観音下(かながそ)石切り場」。現在は閉場している採掘場跡です。こちらは、誰でも無料で登れる見晴らし台から見た石切り場。通常は内部は立ち入り禁止なのですが、今回は特別に地元の観光ボランティアガイドさんにお願いし、敷地内まで案内していただきました。


敷地内には、重機や石材などがそのままになっていて、廃墟感が漂います。

あちこちに落ちているマンホールのようなものは、使用済みの石切り用丸のこなのだそう。

採石場の石壁は高さ50m以上。近くで見ると、圧巻の巨壁です!

観音下石(日華石:にっかせき)は比較的やわらかく加工しやすく、温かみのある黄色っぽい色味が特徴。約2000万年前の火山活動で降り積もった火山灰が固まった軽石質凝灰岩です。

軽量でカビにくく、湿気や熱に強いので、市内各所でも石蔵や塀、門に多く見られます。昭和5年、7年の二度にわたる小松の大火でも延焼せずに残っていたことから、その評価が一段と高まったそうです。国会議事堂の一部や旧甲子園ホテル、旧前田侯爵邸など、著名な建物にも使われています。

石切り場の中央には、日華石を使った階段があります。スコットランド出身のアーティスト、Julie Brook(ジュリー・ブルーク)さんの作品で、「58段の階段により、開放的な石切場底の岩盤からそびえ立つ石壁に見学者の視点と身体を導く」ことを意図したのだとか。

階段の頂上からは、長閑な里山集落を見渡せました。石切り場独特の廃墟感の対極にあるような田園風景、その落差に、思わず心が揺さぶられ、ため息がもれます。

採石場の奥にたたずむ観音山の山頂からは、日本海を望むこともできるそうですよ。

観音下石切り場
石川県小松市観音下町
※観光ボランティアガイドのご案内も可能です。(ご希望に添えない場合もございますのでご了承ください)
【公式】石川県小松市観音下町ホームページ
https://kanagaso.info/stone/

異次元への入り口「德田八十吉陶房」

2つ目のパワースポットは、九谷焼の工房「德田八十吉陶房(とくだやそきちとうぼう)」。期間限定の見学プログラムでの来訪です。

父であり人間国宝でもある三代 德田八十吉氏から手技・手法を受け継いだ四代が迎えてくれました。

四代は、取材陣の質問に対して目をキラキラさせながら答えてくれますが、意図を推し量ったような返答はしません。

「なんで?」
「わかんない」

伝わらないときは、剥き出しの言葉が真っ直ぐ返ってきます。

時と実績を重ねてきた人生の大先輩にこんな表現をするのは憚られますが、誤解を恐れずに言えば純粋無垢な幼子のようです。
目の前でゴム毬のように跳ねる四代の感性に向き合っていると、どんどんと異次元に引き込まれていきます。

そして突然、四代は「ナマちゃんが来てるかもしれない」と裏庭にみなを誘います。工房の裏には川があり、そこにナマズのナマちゃんが遊びにくるのだそうです。

「ナマちゃ〜ん、ナマちゃん!」と何度も何度も呼びかける四代。それを見守る取材陣。とてもシュールな光景です。筆者も一緒に呼びかけてみましたが、とうとうナマちゃんには会えませんでした。残念。

別れ際に、四代はそっと創作の秘密を教えてくれました。

「窯の中に神様がいて、ときどき力を貸してくれる。窯の扉を開いたら『うわあ!すごい!』って」
「悩んだり、旅したり、病気したり。いろんなことが力をくれる。悪いことばかりは続かない」


 

四代 德田八十吉
http://www.tokuda-yasokichi4th.jp
※YouTube「九谷やそチャンネル」でも四代の魅力に出会えます。

圧倒的なエネルギーに飲み込まれる「竹隆窯」

最後に紹介するのは、同じく九谷焼の工房「竹隆窯(ちくりゅうがま)」です。

蔵造りの工房は、富山県利賀村の念仏道場を移築したもの。入ってすぐに度肝を抜かれるのが……

江戸時代の小松城の茶室を移築した「竹隆庵」です。家の中に建物があるというインパクトに、まず驚愕!



工房には、九谷焼の作品群はもちろん、襖絵、掛け軸、置物などが所狭しと並んでいます。まるでお宝の詰まったテーマパークのよう。圧倒的なインパクト、圧倒的な物量、工房全体に満ちているエネルギーがただ事じゃありません。

初代北村隆先生。作品意図や工夫などの陶歴、お宝の豆知識について、エネルギッシュに語ってくださいます。歌手の故 マイケル・ジャクソン来日の際は似顔絵陶額を制作したり、コロナ禍を吹き飛ばす縁起のよいものをと金のえびす像を企画したり、前述の観音下石を原料にした九谷焼を新たに生み出したり。その発想力と行動力に圧倒されます。

30年以上描き続ける北前船をモチーフにした作品。鎖国時代に日本海を縦横に行き来した北前船は、船頭達の危険をかえりみないフロンティア精神に支えられていました。その偉大なるロマンと文化に感動した想いが、作品には込められています。

北村先生の豪快なお人柄、放たれるパワーの総量がものすごく、取材陣みなが次々繰り出されるお話の渦に飲み込まれるようなひとときでした。

竹隆窯
https://tikuryu.com
石川県小松市高堂町口-156
0761-22-1793
※訪問の際は、ご連絡をお願いいたします。

小松の石の文化がつなぐパワースポット

今回の3つのスポットはいずれも、いつでも誰でも気軽に訪れることができる観光スポット、というわけではありません。それでもあえて紹介したいと思ったのは、一生忘れることのない印象深い出会いであったからです。そこに溢れるパワーを、コロナ禍の今どうしても伝えたい、という個人的な想いもありました。

今は夢の跡となった石切場。全身全霊で「今、ここ」に向き合う四代德田八十吉氏や北村隆氏。人・モノ・技術が交流し、豊かな石の文化を築き上げる小松ならではのストーリーが、そこにはあります。このストーリーがこれからも未来につながっていくことを、願ってやみません。

 

『珠玉と歩む物語』小松
~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
http://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story027/

日本遺産ポータルサイト
http://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/

 

山口彩

Aya Yamaguchi 編集/ライター
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「イエモネ」「TABIZINE(タビジン)」「novice(ノーヴィス)」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。


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