イギリス人の生活に欠かせない紅茶とティータイム
イギリスといえば紅茶の国。イギリスでは1日に約1億4,000万杯(1人あたり2杯)の紅茶が飲まれているとされています。もちろん子どもやホットドリンク全般が苦手という例外的な人もいるので、その人たちを除いて考えると、1日に2~5杯を口にしている人が多いということです。
暑くても寒くても水分補給には「紅茶」というぐらい、紅茶とは切り離せない生活をしている人がイギリスには多く存在します。例えば、旅行先のホテルやB&B(ベッド&ブレックファースト)の備品に電気ケトルがなく紅茶が淹れられないのは、イギリス人にとっては不便の極み。電気ケトルが置かれていないB&Bは「B&Bとは呼べない」としても過言でないほどです。
イギリスでは常識「紅茶を一番飲んでいる人は?」
イギリスで「ティータイムといえば?」「紅茶を一番飲んでいそうな人たちは誰?」と質問した場合、ほとんどの人が答える意外な職業があります。
なんと「大工さん」などのガテン系なんです!
イギリスでは、優雅なティータイムとはほど遠いイメージの、ガテン系ワークマンたちが、屋外での仕事の合間に濃く淹れた熱々の紅茶に砂糖とミルクをたっぷり入れて紅茶を飲んで一服する、というのが定番の「ティータイム」の姿なんです!
紅茶の96%はティーバッグで飲まれている!
本場イギリスのティールームで紅茶を頼んだ日本人観光客が、ルースリーフティではなく、ティーポットに浮いたティーバッグにがっかりするというのはよく聞く話です。
イギリスでも有名なティールームやホテルでのアフタヌーンティーをいただくような場合は、ルースリーフティで紅茶を楽しむことができますが、それはやはりイギリス人にとっても特別なご褒美。おうちでは、ティーポットを使うことは稀で、一般的には96%がティーバッグで飲まれているといわれています。
本場のティーバックは糸なしが主流
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スーパーでは手ごろなティーバッグが並びます。テトラポット型の「PGティップス」が最大手で、240個入りで3ポンドほど(約450円)で手に入ります。このテトラポット型のティーバッグは特許も取られていて、この形が一番効率よくおいしく紅茶が淹れられるんだそうです。また、糸なしのティーバッグが多くのブランドで主流とされています。
紅茶の正しい淹れ方(ティーバッグ編)
イギリスでは、ほぼミルクティーが主流です。イギリス流の紅茶の淹れ方を見てみましょう。
- 1. マグカップにティーバッグを落とす
- 2. 熱湯を勢いよく注ぎ込む
- 3. スプーンでかき混ぜながら1分ほど待つ
- 4. ティーバッグを取り出す
- 5. 好みで砂糖やミルクを入れる
「ミルクをカップに先に注いでから、紅茶を入れるのがイギリス流」という通説がありますが、実はイギリスではほとんど話題になることはありません。というのも、ティーポットを使って飲むことがほとんどないから。強いて言えば、ティーバッグを取り除いてからミルクを入れるというこだわりを持っている人が多いです。
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