
躊躇するような豪華なビルで庶民に愛された「ちゃんぽん」を食す
日本全国で食べられている“ちゃんぽん”発祥の銘店として知られる「四海樓(しかいろう)」。どうですかこの店構え。ちゃんぽん一筋で5階建てのビルですよ!
気軽に“ちゃんぽん”を食べられる雰囲気ではないのですが、大丈夫。宮殿を思わせる階段を上ると……。
長崎港を一望! ここは休憩スペース。なんとも贅沢な造りですが、その雰囲気を楽しんだらエレベーターで5階にあるレストランへ。
長崎港に面して一面ガラス張りの店内。円卓などがゆったりと配され、対岸の稲佐山などを望みながら贅沢に“ちゃんぽん”をいただきましょう。
五臓六腑に染み渡る濃厚なコクと旨みがクセになる
メニューもスゴイ! 1品料理などもありますが、「ちゃんぽん」「皿うどん」「炒麺(細麺の皿うどん)」の三択!! 本場のちゃんぽんを食べたことがなければ、迷わず「ちゃんぽん」1,100円(税込)をオーダー。
うわっ! と声を上げてしまいそうな美しさと食欲をそそる香り。上に乗った錦糸玉子が銘店の証。蒲鉾やキャベツ、豚肉、モヤシ、エビ、イカなどと具材もふんだん。丸鶏や豚骨などからじっくり時間をかけて取られた白濁スープにコクと旨みが凝縮。
口に含むと、その濃厚な味わいが喉を通り腹の底にじんわり落ちていきます。麺は厳選した小麦粉に唐灰汁(とうあく)を入れて作った長崎独特の麺。もっちりした太麺に旨み凝縮のスープが絡むこと、絡むこと!
箸を付けたら、もう止まりません! 濃厚なのにしつこくなく、時間差でおそってくる重層的な豊かな風味。翌日になっても、その印象的なコクが舌に残り、また食べたくなるクセになるおいしさ。
創業120年を超える老舗の味を守り続ける
この「四海樓」は、明治32(1899)年の創業。明治25年に日本でひと旗揚げようとやって来た福建省出身の陳平順(ちんへいじゅん)が創業した店です。
元々は、旅館と兼業していたようで、日本へやって来た留学生や華僑のために安くて栄養価の高いものをと誕生したのが“ちゃんぽん”。“ちゃんぽん”というと、“いろいろなものが入っている”、“ごちゃまぜ”などの意味がありますが、栄養価の高い具材の豊富さからは当たらずも遠からず。元は福建語の“シャポン(ご飯を食べる)”という挨拶語に由来しているのだそう。
休憩所のあった2階には、「ちゃんぽんミュージアム」(無料)もあり、「四海樓」の歴史や長崎の人々に親しまれてきた“ちゃんぽん”のルーツに関する展示などを見学することができます。
四海樓
住所:長崎県長崎市松が枝町4-5
営業時間:11:30~15:00/17:00~21:00
定休日:不定休
アクセス:長崎電気軌道「大浦天主堂」より徒歩約1分
URL:
https://shikairou.com/
※2022年4月現在、新型コロナウイルス感染症対策のためサービス体制や料理提供方法などが通常と異なることがあります
[Photos by (C)tawawa]

あなたが知りたかったことが、この記事で参考になりましたか?
TAI WATANABE ライター・エディター・ディレクター
10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き! 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。
【久世福でご当地調味料の旅!人気記事ランキング】うに醤油からこな柚子こし
Jan 2nd, 2023 | TABIZINE編集部
バイヤーが実際に旅して見つけた、地方の心ときめく逸品を自宅の食卓で楽しむことができる産直スタイルのオンラインモール「旅する久世福e商店」(通称「たびふく」)で、「旅行家・食事家・写真家」の石黒アツシが、地方の調味料を実際にお取り寄せして、その味を土地の魅力とともに紹介する連載「久世福でご当地調味料の旅」。これまで公開した記事の人気ランキングを発表します。
【ハウステンボスのお土産30選】実はすごいお土産天国!長崎土産探しにもお
Nov 18th, 2022 | 山口彩
長崎の定番観光スポット「ハウステンボス」。修学旅行でも人気です。広大な園内にはいくつものお土産ショップがあり、長崎土産を調達する上でも、ものすごく充実しているって知っていましたか? カステラは日本一の品揃え、ミッフィー雑貨ショップは世界最大級、九州各地の名産も一堂に集結。今回は、ゲート外にある人気土産ばかりを集めた要チェックお土産ショップ「BEST3」を中心に、園内で見つけた厳選セレクトも紹介。人気土産のランキングからばらまき土産、ここでしか買えない限定商品やオリジナルのおすすめ商品、自分に買いたいお土産まで、現地からたっぷりお届けします!
長崎県五島市「食用椿油」でカプレーゼや冷奴をワンランクアップ!【久世福で
Nov 7th, 2022 | 石黒アツシ
全国からこだわりの生産者が集まった産直スタイルのオンラインモール「旅する久世福e商店」(通称「たびふく」)。バイヤーが実際に旅して見つけた、その土地ならではのおいしさを集めたということで、地方の心ときめく逸品を自宅の食卓で楽しむことができるんです。そこで、この連載では、ご当地の銘品や特産品に目がない「旅行家・食事家・写真家」の石黒アツシが、地方の調味料に注目。実際にお取り寄せして、その味を土地の魅力とともに紹介します。第6回は長崎県五島市の「[五島の雫]食用椿油」です。
100度の温泉がもくもく!豪快な温泉蒸しが最高にうまい宿に泊まってみた【
Oct 15th, 2022 | わたなべ たい
十数件の宿が集まり小さな温泉街を形成している長崎の小浜温泉(おばまおんせん)。もくもくと立ち上る温泉の湯気で、海沿いの街は白くかすんでしまうほど。105度という高温の温泉がいたるところに湧き、源泉数は30か所にも迫るとか。そんな海沿いの小さな温泉で、豪快な温泉蒸しを楽しめる宿を見つけました!
実録ハウステンボスの見どころって?【3】まるで海外!「ホテルヨーロッパ」
Aug 7th, 2022 | 石黒アツシ
ハウステンボス内にある5つのオフィシャルホテルの中でも、「ホテルヨーロッパ」は格式高いヨーロピアンクラシカルな世界観を満喫できるハウステンボス最上位のホテル。本格的なフレンチレストラン、日本料理店、長崎素材の鉄板焼き店といった本格的レストランもあって、食通にはうれしい限り。バー&ラウンジも充実していて、朝食からティータイム、夜のバータイムまでゆっくりと楽しめます。今回は、朝食とアフタヌーンティー、そして夜のバーまでご紹介したいと思います。
【ハウステンボス2022夏】おすすめ涼スポットはここだ!新アトラクション
Jul 29th, 2022 | 山口彩
長崎を代表する観光スポット「ハウステンボス」。風車と四季の花々の絶景やヨーロッパの街並み、365日楽しめる日本最大級のイルミネーション「光の王国」などの見どころがありますが、猛暑の夏は、暑さ対策も大事ですよね。今回はハウステンボス現地から、効率よく涼をとれるおすすめアトラクションやカフェを紹介します!
【成城石井】バイヤー注目の伝統菓子を実食!長崎離島の「かんころ餅」が絶品
Jul 2nd, 2022 | 小梅
惣菜やスイーツ、パンなどの自家製商品や、ワイン、チーズなど、魅力的な品揃えのスーパーマーケット「成城石井」。話題の商品も多く、お店を見つけたら、つい立ち寄りたくなる人も多いのではないでしょうか? その成城石井で旬の食材を再発掘する「四季プロジェクト」が展開されています。第1弾の「瀬戸内レモン」の商品も好評でしたが、第2弾として「長崎離島」の商品が登場。今回、「かんころ餅」を実食レポートで紹介します。
福砂屋・松翁軒・文明堂!長崎「三大銘店のカステラ」を食べ比べレポート
Jun 11th, 2022 | わたなべ たい
長崎のお土産といえば、やっぱりカステラ! 1500年代半ばにポルトガル人によって伝えられた南蛮菓子のひとつ。長崎の街を歩けばそこかしこにカステラを販売する店はありますが、今回は、その中の三大銘店のカステラを実食してその味を比べてみました。あなたはどのお味が好みですか?
ちゃんぽん発祥店「四海樓」のちゃんぽんは明日も食べたい別格のおいしさ!
Apr 8th, 2022 | わたなべ たい
日本全国で食べられている“ちゃんぽん”。その発祥の地が長崎にある「四海樓(しかいろう)」。1杯1,100円(税込)とそれなりのお値段ですが、その金額をうわまる濃厚なコクと旨みをあわせもち、翌日までその風味が残るような“ちゃんぽん”は、1度食べたら忘れられなくなるおいしさです!
5分で長崎気分に!?レンジで本格「皿うどん」の幸せ【久世福でご当地食べ歩
Apr 7th, 2022 | 石黒アツシ
全国津々浦々、さまざまな「絶品ご当地グルメ」が私たちを楽しませてくれますよね。とはいえ、まだまだ旅行にも出かけにくいのも事実…。でもご安心を! 全国選りすぐりの絶品が自宅にいながらにしてお取り寄せできちゃうサイト「旅する久世福e商店」(通称「たびふく」)が、私たちの旅欲求を満たしてくれるかもしれません。ということで、この連載では、ご当地の銘品や特産品に目がない「旅行家・食事家・写真家」の石黒アツシが、実際にお取り寄せしてその味を確かめてみますよ。9回目は長崎「みろくや」の「レンジで皿うどん」です。一体どんな味わいなのでしょうか?