
奈義町現代美術館とは?象徴的な3つの展示室

岡山県津山市から車で約35分の場所にある、奈義町現代美術館は、通称Nagi MOCA(ナギ・モカ)と呼ばれ、1994年4月併設された町立図書館と同時に開館しました。現代アートの美術館というと、2004年に開館した金沢21世紀美術館も広く知られていますが、それよりも10年早く開館した奈義町現代美術館は、2022年で28年目を迎え、歴史のある美術館であると言えるでしょう。
建物は、建築家・磯崎新氏による設計です。同美術館は、太陽、月、大地という3つの展示室で構成されており、各空間はその名前の通りに表現されています。
「大地」の部屋

美術館に入ってすぐに目にするのが、展示室「大地」。中には、宮脇愛子氏の作品「うつろひ-a moment of movement」があります。ステンレスのワイヤーが描く、しなやかな曲線が印象的。

石の上と、水の上にあるワイヤーが、それぞれ全く異なる表情を見せてくれます。
「太陽」の部屋
そして、やはり象徴的なのが「太陽」の展示室ではないでしょうか。

黒い円柱は実は螺旋階段。まるで胎内潜りのように階段を登っていくと、その先の空間は広がっています。

傾いた黒く太い円筒が床から天井まで続いているのが何だか不思議。床は曲面になっており、中央にはシーソーが置かれています。

中には、荒川修作氏+マドリン・ギンズ氏による代表作の一つである、「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(1994)が設置されています。左右の壁面には京都・龍安寺の石庭を眺められるという空間。

こちらではSNS映えする場所として、インスタグラムなどでもさまざまなポーズを取って撮影した写真がアップされています。写真のように人の形は影となり、雰囲気のある写真が撮れますよ。
© 1994 Estate of Madeline Gins. Reproduced with permission of the Estate of Madeline Gins.
「月」の部屋

その名前の通り、三日月の形をした部屋が「月」の展示室。3点の黄金色「HISASHI-補遺するもの」は岡崎和郎氏の作品です。休息する、安らぎの場所というのがこの部屋のテーマとなっています。壁にある黄金色の彫刻は「HISASHI(ひさし)」。床には、岡山産御影石の長いベンチが2つ置かれています。
眺めを楽しむカフェや企画展も

大地の展示室の手前には、カフェもあります。ガラス越しに大地の展示が見え、さらに天気の良い日には建物の向こう側に広がる那岐(なぎ)山の借景と、眺めを楽しみながらお茶が楽しめます。季節の移ろいを感じられる空間でもあります。
喫茶室
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休業日:美術館の休館日(月曜日 ※月曜日が祝日の場合は開館、祝日の翌日)
※喫茶室は、現在平日のみの営業

展示室「大地」を通り過ぎた先には、 北棟ギャラリーがあり、奈義町現代美術館に関するデッサンや模型、ドローイングなどが展示されています。
併設されたギャラリースペースでは、年間約10本の現代美術企画展が開催されているのだそう。企画展の情報は、公式サイトの企画展・イベントページから確認できます。


受付横には、ミュージアムグッズも並んでいます。ポストカードやポスター、Tシャツなどもありますよ。

25周年記念ロゴマークが入ったトートバッグ。美術家・太田三郎氏デザインで、なくなり次第終了です。
時間が許すのなら、いつまでもその空間を味わっていたくなる3つの部屋が印象的な奈義町現代美術館。作品と建物が一体化したアートを目の前にして、感じるものは人それぞれ。アート好きなら、一度は足を運んでもらいたい美術館です。
奈義町現代美術館(Nagi MOCA)
住所:岡山県勝田郡奈義町豊沢441
TEL:0868-36-5811
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館)および祝日の翌日
観覧料金:一般・大学生700円/高校生500円/中学・小学生:300円
公式サイト:
https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/
[All Photos by Chika]
Chika
都内在住、京都をこよなく愛する、コテコテの大阪人。飛行機好きが高じて航空会社のグランドスタッフとして勤務していた経験も。海があるところに行くと癒される。
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