高台からの絶景に思わず絶句!
東山でバスを降りて、グーグルマップを見ながら「金沢茶寮」を目指します。徒歩11分750メートル。たいした距離ではないのですが、その道のりは、「え、本当にここでいいの? 私間違っちゃった?」と、心もとなくなる、ザ・住宅街。そして、高台ということは、当然ながら、登る、ということで、でも、少し汗ばんで到着したその場所は、「ああ来てよかった」と心底思える素敵空間でした。暑い日や体力を温存(笑)したい場合はタクシーを利用するという手もあるのでご安心を。
まず大きな窓の向こうに広がる金沢の街にしばし見惚れてしまいます。登ってきた甲斐がありました。これは絶景! こんな風に金沢の街を見るのは初めての体験です。
体験当日に作品をもって帰れるのがうれしい!
ひと息ついたところで、「体験」といきましょう。まずは、金沢の伝統工芸「九谷焼」で使用する湯呑みやお猪口の中から、器を選びます。この時点で迷います。そうだなあ。自宅で日本酒を楽しむ用にお猪口にしようかな。で、次は10種類以上の塗料から好きな3色を選択。さらに迷います(笑)。
同系色がいいのか、まったく別の色がいいのか。お店の方に相談しながら、今回は、ブルー、ピンク、ゴールドを選択。あ、さらっとブルー、ピンクと書きましたか、ブルーやピンクにもいくつか種類があり目移り必至。決断力が試されます(笑)。
「塗り」の工程は大きく4工程。ベースとなる色を決め、少し厚めに、筆を立てるように塗っていきます。その上に別の色を重ね、乾燥させたらさらにまた塗り重ね、最後はやすりで表面を削るというわけです。
こちら、漆芸作家・松浦悠子氏が古くからある「金沢塗」を現代風にアレンジした塗りの技法なのだそうです。石川県で古くから受け継がれる、緑・黄・紫・紺青・赤の色絵の具を自在に活用して絵付けされたスタイルである伝統工芸「九谷五彩」から着想を得たものなのだとか。
コツがつかめたらまたやりたくなる、永遠のループ状態に突入
この技法、いちばん最初に塗った色が表面に浮き上がってくるのですが、色を重ねているうちは、なかなか全体像がつかめません。そして、それが楽しいんですよ。ほほう、こう来たかと(笑)。一度、体験して、なんとなくコツがつかめると、今度は別の器も塗りたくなってしまうこと請け合いです。金沢を訪れるたびに、ひとつ作品を作るというのもいいなあ。
器を色付けした後は、お茶タイム。守破離の考えに基づいた日本茶ブランド「shu ha ri」の「一(ichi)」「二(ni)」「三(san)」の3種類のブレンド日本茶のなかから、その日のおすすめの1杯がいただけます。ちなみに、「一(ichi)」は目覚め、「二(ni)」は瞑想、「三(san)」は戦国時代のエナジードリンク(!)をテーマにしているのだとか。どれもこれも気になりますよね。
で、そのお茶、自分で色付けした器でいただくこともできるのです(選んだ器によります)。体験型と言えば、何週間か経った後に、作品が自宅に届くことが多いのですが、その場で自分が作った作品が使え、持ち帰ることができるのです。
なかなか難しいかもしれませんが、作品って、作り上げた高揚感のまま使ったり、持って帰ったりしたいじゃないですか。「金沢茶寮」はそんなわがままを叶えてくれます。その場で持ち帰れるようにと、速乾性の高い塗料を使っているんですって。ありがたや!
体験の後は2階で癒しのティータイム
特別な時間を過ごした後は、2階へと足を運んでみましょう。昔ながらの少し急な階段をゆっくりと登っていくと、そこはおしゃれなカフェスペース。おしゃれなソファや椅子が並べられていて、「どこに座ろう?」と、ここでもまた心踊る選択を迫られます(笑)。お気に入りの椅子に腰掛け、金沢市街を眺める時間は至福のものとなるはずです。また、2階には、陶芸作家・吉岡正義氏と漆芸作家・松浦悠子氏の作品も展示されていました。
なお、カフェのみの利用も可能。3種類のブレンド日本茶以外にも、茶葉「二(ni)」を使った「shu ha riラテ」(770円)や、「一(ichi)」の茶葉を使った「shi ha riチョコ」(350円)、抹茶パウンドケーキなどのメニューもラインナップしていますよ。
帰りは下り坂。自分の作品を手に、ご機嫌に帰途につきました。金沢のお気に入りスポットのひとつ、豆を使ったお菓子で和カフェ「豆月」もすぐ近くです。ランチは「豆月」のスープにしようかな!
金沢茶寮
住所:石川県金沢市卯辰町チ16-17
TEL:076-254-6647
営業時間:10:00〜18:00
※体験は6,000円。1日3部制(10:00〜、13:00〜、16:00〜で各2時間制)。器、塗料、お茶、「shu ha ri チョコ(1粒)」の代金込
定休日:不定休
https://www.kanazawasaryo.jp/
[All photos by kelly]
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
※店舗営業については最新情報をご確認ください。
kelly ライター
出版社勤務を経て、現在は都内でフリーライターとして活動中。辛いものとお酒全般が好き。趣味はミュージカル観劇。年に数回、「自費研修」と称し、ニューヨークや韓国に観劇にでかけるのが生きがい。
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