夏休みの自由研究のように、心惹かれることについて、じっくり調べてみる。考えて、試行錯誤し、また考えて、まとめて、発表する。TABIZINEにもそんな場がほしいと思い【TABIZINE自由研究部】を発足しました。部員ライターそれぞれが興味あるテーマについて自由に不定期連載します。
今回は、オランダ在住TABIZINEライター、倉田直子の自由研究「ザワークラウトを日本の家庭料理にアレンジ!」をお届けいたします。
キャベツの発酵食品「ザワークラウト」
突然ですが、ザワークラウトという食材をご存知でしょうか。ドイツ語で「すっぱいキャベツ」(Sauerkraut)という意味の漬物(発酵食品)で、その名の通り非常に酸味の強い食べ物です。ドイツでは、よくソーセージの付け合わせなどに利用されています。
(c)Naoko Kurata
筆者の住んでいるオランダはドイツの隣国なので、同じくザワークラウトはポピュラーな食べ物です。瓶詰や、上の画像のような袋詰めも筆者行きつけのスーパーで見かけます。ちなみにオランダ語では「ズールコール」(zuurkool)と呼ばれていますが、意味は同様に「すっぱいキャベツ」です。
実はオランダに住み始めてから1年以上ザワークラウトには手を付けていなかったのですが、ある日何気なく購入して日々の料理に取り入れるようになってから、その魅力に一気にハマりました!
今回の自由研究では、ザワークラウトの魅力と日本人の食卓に自然に取り込むコツをご紹介したいと思います。
何が良いの?ザワークラウト
ザワークラウトには様々な長所があるのですが、筆者は下の4つが主な魅力だと考えています。
ザウアークラウトの魅力【その1】
何といってもその栄養価の高さ。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB群、鉄分が豊富に含まれています。
ザウアークラウトの魅力【その2】
原料がキャベツというだけあり、食物繊維もたっぷり! 便秘解消の強い味方です。発酵食品で生のキャベツより柔らかく食べやすいので、いくらでも食べられそうです。
ザウアークラウトの魅力【その3】
元々は、冷蔵庫がなかった時代に開発された野菜の保存技術だったザワークラウト。市販のものは、数か月から数年の賞味期限が記載されています。未開封のものを常備しておけば、非常食としても心強い存在です。
ザウアークラウトの魅力【その4】
そのお値段も魅力のひとつ。筆者行きつけのスーパーで購入できる商品は、520グラムで0.8ユーロ(2016年12月現在、約98円)。日本の通販サイトでは、だいたい700から800ミリリットルの瓶詰が400円前後のようですね。地元欧州に比べると値段は上がりますが、お野菜の値段が高騰している昨今に日持ちするザワークラウトは重宝するのではないでしょうか。
このように、カラダにもお財布にも優しいザワークラウト。でも日本人にはまだなじみが薄い食材なので、どのように日々の食事に取り入れればいいか悩みますよね。
次は、筆者が今まで挑戦した「ザワークラウトのアレンジ」をご紹介したいと思います。
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日本人にも食べやすいザワークラウトのアレンジ
1.カレーライスのお供に
(写真はイメージです)
日本人が大好きなカレーライス。福神漬けやらっきょうを付け合わせにする方も多いのではないでしょうか。ザワークラウトの酸味は、そんな漬物の代わりにぴったりです。
カレーと一緒に食べることで、ザワークラウトの強い酸味もまろやかになるので、「ザワークラウト初心者」にはぴったりの食べ方です。
2.甘酢のような食べ方
(c)Naoko Kurata
「肉団子の甘酢あんかけ」のような、甘辛さと酸っぱさが同居する料理にもよく合います。筆者は、甘酢あんかけのレシピから酢を取り除き、ザワークラウトだけの酸味で挑戦してみたことがあります。慣れないうちは味見をしながら調整する必要がありますが、違和感なくおいしく頂けました。
3.サラダ感覚で
(画像はイメージです)
よく作っているお気に入りの「中華サラダ」のレシピがあるのですが、ふと思い立ち、それにザワークラウトを使ってみました。
本来の調味料が「酢、醤油、砂糖、ごま油、塩コショウ」のところから、酢だけ抜いて全ての材料を混ぜます。すると、しっかりとした味の中華サラダになりました! ザワークラウト以外の具材は、きゅうりのスライスとカニカマ(欧州でも流通しています)が筆者のお気に入りです。お箸が止まらない、あと引く味です。
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4.炒めても美味しい!
(画像はイメージです)
同じく、以前レシピサイトで「余った酢飯は炒飯にすると違和感なく食べられる」というアイデアを読んだことがあったので、「もしや」と思い、炒飯の具材としてザワークラウトを投入しました。味付けは塩コショウとオイスターソースを使いましたが、酸味が調味料と卵のおかげでマイルドになり、全く違和感なく食べられました。
5.お好み焼きにも使える!
(画像はイメージです)
筆者にとって一番の挑戦だったのが、このお好み焼きへの利用。お好み焼きに使う具材のキャベツの代わりに、ザワークラウトを使ってみました。結論としては、「調味料なしでは酸味を感じるけれど、ソースやマヨネーズをかけることで違和感がなくなる」でした。ソースやマヨネーズの甘酸っぱさが上手にザワークラウトの酸味を緩和してくれたので、美味しくいただくことができました! ただ、筆者は関東育ちでお好み焼き通ではないということも、念のため書き添えておきます。もしキャベツ全てをザワークラウトに置き換えるのが不安なら、半分量を置き換えることからチャレンジしてみて下さい。
今回の「TABIZINE自由研究部」、いかがでしたでしょうか。筆者は、古くから受け継がれていている食材を、自分が食べやすい味にアレンジできた時に特別な喜びを感じます。これからも、様々な食材を研究して、自分なりの食べ方を開発していきたいと思います。
[Photos by Shutterstock.com]
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