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【リレー連載】世界のスーパーマーケットをめぐる旅
第0回イギリス編
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第2回オランダ編
第3回ドイツ編
第4回イタリア編
世界のスーパーvol.14は、多くの日本人にとってはまだ未知の場所でもあるコロンビア! 治安の面で不安な声が多く挙がる場所でもありますが、実は大抵のコロンビア人はとっても陽気で温厚な人が多いんです。そんなスーパーマーケットの店員さんがダンスをしていたり歌っていたり、と朗らかな雰囲気の漂うコロンビアから現地レポートしたいと思います。
コロンビアの大手スーパーマーケット
コロンビアのスーパーマーケットは「Carulla(カルージャ)」や「exito(エグジト)」などがチェーン展開されており、何を求めるかによって利用の仕方は変わってきます。大まかに分けると品質や雰囲気、品揃えなどにこだわる人たちは「Carulla」、出来るだけ安く簡単に済ませたいという人たちは「exito」を利用するなど、それぞれのシチュエーションによって使い分けている模様。今回は種類も豊富で「コロンビアらしさ」が光るスーパーマーケット「Carulla」からコロンビアの不思議発見をお伝えします。
コロンビア産の野菜がずらり
高級住宅街やオフィスビルなどにある「Carulla」は、「高所得者」であり「健康志向者」をターゲットにしているスーパーマーケット。そのため値段は他のスーパーマーケットよりは若干高めに設定されていますが、種類の豊富さではCarullaが堂々のトップです。そんなCaullaに入店してすぐ目に入るのは、野菜の大きさとその種類の多さ! すべての野菜がとりたての新鮮で、コロンビア産の野菜が多くを占めています。「熟れ過ぎ」「固すぎ」といった問題をよく抱えるアボカドといった野菜も、ここCaullaでは選別がしっかりしているのかほとんどのものが丁度良い固さで、どれを選んでもベストな状態です。
「【気になる世界の朝ごはん】日本人の舌に合うものばかり!コロンビア編」でもお伝えした通り、コロンビア料理である「ソパ」や「タマーレ」によく使われているジャガイモ。一口にジャガイモといっても料理によって「揚げ物用」「煮込み用」などと細かく使い分けがされていて、野菜コーナーからは離れた場所に最低5種類以上がまとめて置かれています。
驚愕のフルーツレパートリー
ただ野菜よりも圧倒的な種類の豊富を誇るのはコロンビア産の「フルーツ」です。見たことのないフルーツばかりで、「なにこれ!?」の連続ですが、何を隠そうコロンビアは無類のフルーツ好きの多い国。朝食をフルーツのみで済ます人や、間食をフルーツで済ます人もたくさんいるんです。
パパイヤやマンゴー、りんごやスイカなど日本人にも馴染みが深いものはもちろんのこと、中央にある「トマテ・デ・アルボル」という皮などもそのまま食べられるフルーツや、その左隣に置いているのはジュースなどに使える酸味のある「チョルバ」や「マラクジャ」など、色とりどりのフルーツが棚いっぱいにディスプレイされています。
日本ではドラゴンフルーツ、コロンビアでは「ピタヤ」と呼ばれるトロピカルフルーツもここでは日本の半額ほど。フルーツだけでかなりの面積を占めていることから分かるように、フルーツはコロンビア人にとっては必要不可欠な存在なんです。
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クリスマスシーズンは盛大に
キリスト教徒の多いここコロンビアでは、クリスマスは年間で一番大切な行事のひとつです。そのためハロウィンが終わればもう、クリスマスモード突入! 店内には七面鳥が丸ごと冷凍保存されたものや、オードブル、シャンパンなどのクリスマスにまつわる食品がたくさん並びます。
スーパーにとっても大切な時期となるため、ハム一つとっても売り出したい商品には余念を欠かさず、ディズプレイにもかなりのこだわりを見せています。
ミルク好きなコロンビア人
通路方一面にずらっと並ぶ「ミルク関係」の商品。これは「Carulla」だけでなく「exito」にも共通することですが、豆乳などの大豆製品飲料とともに、乳製品がかなりのスペースを占拠しています。
日本でもここ数年で牛乳や豆乳などの味の種類は豊富になってきましたが、コロンビアのバラエティの豊富さにはただただ驚くばかり。シナモン味やマンゴー味などの一般的なものから、アロエ味やとうもろこし味、そしてコロンビア産特有のフルーツ味などが揃い、その種類は最低でも20種類以上。パッキングも少し変わっていて、牛乳に関しては少しずつ飲めるように袋に小分けにされ売られているものが多いです。
日本の文化がちらり
数は少なく値段は少々張りますが、地球の裏側であるここコロンビアにも天下の「キッコーマン醤油」や海苔、巻き寿司キットなどが置いています。肝心のお米については、アメリカなどでよく売られている「NISHIKI(錦)」という無洗米が一種類だけ常備されているよう。筆者も早速購入して食べてみましたが、純粋な日本米に比べると少しパサついてはいたものの、海外では十分なクオリティ。コロンビアにいながらにして、「日本の味」が再現できるのは嬉しいですね。
そしてなんとここコロンビアでも、巻き寿司が500〜1000円ほどと比較的手軽な価格で販売されています。ネタとなっているのはアボカドやチーズ、かにかまやサーモンといったラインナップなので寿司らしさはあまり期待できませんが、毎日夕暮れには売り切れている人気商品です。
イートインスペースは「憩いの場」
肉や魚、チーズなどのデリカッセンコーナーに併設されているのは、イートインスペース。
このイートインスペースは、フルーツや野菜などは500gで約300円のセルフサービス、そしてサンドウィッチなどやチキンなどはデリの会計場所で頼みその場で調理してくれるシステムとなっています。持ち帰りも可能ですが、この場所は地域の住民たちのちょっとした憩いの場にもなっているようで、どの時間帯に訪れてもたくさんの人で埋め尽くされています。
気になるコロンビア限定エコバッグ
エコバッグはバタフライがモチーフとなった大きめのものと、冷蔵保存用の一回り小さなもの、それよりも耐久性の高いもの(青バッグ)の三種類が用意されており、値段は150円から300円ほどとお得な価格設定。この値段でコロンビア限定の可愛いデザインで実用性のあるエコバックが買えてしまうので、お土産にしても喜ばれそうです。
「お土産」といったら・・・
お土産と言ったら忘れてはいけないのは「コロンビア産のコーヒー」。コーヒー好きにはたまらないコロンビア産のコーヒーですが、コロンビアに訪れたときの購入場所はスーパーマーケットを強くオススメします。空港などのお土産ショップでは倍以上もする良質なコーヒーが、ここスーパーだとパックでも安いものでは350円〜買えてしまうんです。
それ以外にもコロンビア人御用達の「コカ茶」なども12パック入りで300円〜で販売したりと、興味本位で買っても痛手にはならない良心価格となっています。旅中にしばしば悩みの種ともなるお土産ですが、お財布事情に頭を抱えずにまとめ買いが出来るのは嬉しいですね。
その他にも薬局や携帯ショップ、バス・旅行会社のカウンターがあったりと、「痒いところに手が届く」コロンビアのスーパーマーケットは、日本顔負けの便利さです。そして今までは「コロンビアのクレジットカードでの決済」しか受け入れていなかった「VivaColombia」といったLCC(ローコストキャリア)の格安航空券の支払いが「Carulla」や「exito」で出来るようになったのは、旅行者にとっては大きなメリットともなりました。レジのスタッフなどは基本的にマイペースで日本のような俊敏さこそないですが、そんな様子に誰も苛立つことなく穏やかな時間が流れているコロンビアのスーパーマーケット。日本にはないものばかりでついつい長居してしまうほど魅力がたっぷりなので、コロンビアに訪れた際は要チェックです。
[All photos by Saya Meguro]