「燒臘飯」はロースト肉のっけごはん
香港の街を歩いていると、どうしても気になるのは、「食堂」といった雰囲気のお店の店頭でぶら下がっている、ローストした肉たち。鶏、ガチョウなどと共に、必ずと言っていいほど、おいしそうなローストポーク「叉焼」(チャーシュー)もならんでいます。そのロースト肉をご飯にのっけたのが「燒臘飯」!美味しくないはずがないこの“ロースト肉のっけごはん”。今回は、その魅力をお届けします!
「再興燒臘飯店」に吸い込まれる
香港のビジネス街で、ガチョウのロースト肉がのったご飯にを食べた翌日、やっぱりローストした豚肉も食べたくなり街に繰り出しました。実は、お目当てのお店がお休みだったので、あきらめてホテルへ戻ろうと歩いている途中で偶然見つけたのが、この「再興燒臘飯店」です。
場所は「湾仔」(ワンチャイ)。お隣の「銅鑼灣」(コーズウェイベイ)駅もそうですが、このあたりは休日になれば人であふれるショッピング街で、渋谷のような賑やかさです。その目抜き通りであるヘネシーロードを歩いていたところ、スチュワート通りでおいしそうなロースト肉をつるした店にであったのです!
丸ごとのローストポークがぶら下がっていた!
お店に入ってすぐの左側がキッチンになっており、丸ごとローストされた豚が「ひらき」になってぶら下がっていました。これほど大きいサイズのものを見たのは初めて。かなりの迫力です!
このような丸ごとのロースト豚は、小さめの塊(といってもこのサイズ)に切られてぶら下がっています。ここから注文に応じで切り出してくれるようです。
初志貫徹で「ローストポーク」
壁にあるメニューを見ると豚、鴨、鶏のロースを乗せた「三宝飯」が気になりますが、ここは初志貫徹、ローストポーク(香港$34、480円位)を食べることにします。
パラっとした感じに炊かれたごはんに、ドーンとたっぷりのローストポークが乗っています。たれに漬けこんでからローストされていて、表面はしっとりとしていながらも香ばしく、ちょうどいい焼き具合。内側はかなりソフトに仕上がっています。丸ごとローストしただけのことはある、日本で食べるの叉焼とはちょっと違う本格的な旨さでした。
食べ始めて少しすると、おじさん(店員さん)がやってきて、「これを付けて食べるんだよ」と、テーブルに会った入れ物に入っていた、ねぎと塩をあわせたものを教えてくれました。これがよく合うんです。豚の油のおいしさを楽しみつつ、たまにアクセントでこのねぎ塩と一緒に食べてみれば一気にあっさりとした口当たりになります。
テーブルの上には「好味汁」と書かれた、このお店のオリジナル漬けダレがあって、「足りなかったらかけてね」とさっきのおじさん。基本的にはローストポークのたれと同じ、甘めのしょうゆ味でした。
ミシュラン2016年のビブグルマン
さて客席は、あの丸の豚がぶら下がっているキッチンの反対側から奥にあります。実は入店したのは朝10:30。中途半端な時間だったのか、空席もあってすぐ入れたのですが、後で調べてみたら2016年香港版のミシュランのビブグルマン「3,500円(サービス料、席料含む)以下で特におすすめの食事を提供している」に選ばれたお店で、お昼時になれば長い行列ができる人気店なんだとか。
いかにも香港らしい食堂でした
それにしても、この雑然としたキッチンと言いいかにも「香港」。店頭も雑然としていましたから、「どうしようかな」とちょっと躊躇しそうな雰囲気ですが、味は見かけによらないということかもしれませんね。
住所:Chong Hing Building, 265-267號 Hennessy Rd, Wan Chai, 香港
電話:+852 2519 6639
営業時間:9:30~22:30 (日曜日定休)
https://joyhing.com/
[All photos by Atsushi Ishiguro]