自然と美しく溶け合う高原リゾート
(C)レゾネイトクラブくじゅう
大分県竹田市の市街地を抜け、車で山道をひた走ること30分。「九州の屋根」とも呼ばれるくじゅう連山が見えてきました。果てしなく続く緑の草原とのコントラストは清涼感たっぷり。空気は驚くほど澄んでいて、深呼吸するとカラダ中に清々しい心地よさがめぐります。
この美しいのどかな「阿蘇くじゅう国立公園」の一角にあるリゾートホテルが「レゾネイトクラブくじゅう」。14.5ヘクタールもの広大な敷地にコテージ型の客室やレストラン、温泉などが点在。雄大な山々と草原と溶け合う、有機的な佇まいが印象的です。
利用したのは「展望デッキ付き洋室」。山の傾斜をそのまま生かした造りで、ベッドルームとリビングの間に階段があります。42平方メートルという広さに加え、天井が高いので開放感もひとしお。天窓から差し込む柔らかな陽の光が気持ちいい。
山小屋風の客室は木のぬくもりにあふれ、ほっと落ち着けます。
水道水がナチュラルミネラルウォーター
洗面台も木の質感が生かされたナチュラルな雰囲気。「レゾネイトくじゅう」には上水道の設備はなく、くじゅう連山が生み出す湧水を引いているそう。つまり蛇口から出てくるのは天然のミネラルウォーター。当然のことながらカルキの匂いはなく、まろやかですっきりした味わいです。この蛇口から出る「おいしいお水」の虜になってしまい、滞在中はペットボトルを一度も買わずに過ごすことに。なんという贅沢な環境でしょうか。
手挽きコーヒーセットも用意されています。煎りたての豆をゴリゴリと挽いたとたん、コーヒーの香りがふわりと漂い、幸せな気持ちに。
デッキテラスからは高原を一望。驚くべきはその空気の清々しさ! 草木の香りや鳥のさえずりも心地よく、この空間にいるだけで心身が浄化されていくよう。
大自然が生み出す炭酸泉
(C)レゾネイトクラブくじゅう
温泉は内風呂と露天風呂の2つあります。地下深くより湧き出た炭酸水素塩泉で、ミネラル分を豊富に含んでいるそう。お湯はとろっとしたなめらかな肌ざわり。浸かっていると身体の芯からポカポカしてくるのを実感します。
(C)レゾネイトクラブくじゅう
露天風呂は照明が抑えられていて、静かな草原をゆったり感じられるのが魅力。この日は空気が澄んでいて、見上げればキラキラ輝く星空が。頬をかすめる風も心地よく、時を忘れて浸かってしまいました。
土地の豊かさを知る魅惑のフレンチ
お待ちかねの夕食はレストラン「メテオ」にて。豊後牛をはじめ地元産の食材を使ったフレンチを提供しています。客室同様に、山小屋のような温かみある佇まい。ホテルディナーながら肩肘張らずに過ごせる雰囲気です。
アミューズからデザートまで7種のお料理を含む「メテオコース」をチョイス。オードブルは冠地鶏の燻製とほうれん草のクスクスサラダ。冠地鶏とは4年もの歳月をかけて開発された大分県のブランド鶏で、国内初となる烏骨鶏を交配しているそう。肉質のキメが細かく、口に入れると濃厚な旨味が広がります。地元農家から届くという野菜は、どれもみずみずしく香り豊か。土地の恵みがひしめく一品です。
地元産のさつまいもで仕立てたスープは、やわらかな甘みが引き立ちます。実は大分県は国内でも有数のさつまいもの生産地。阿蘇山の噴火による火山灰土がお芋の糖度を高め、おいしくするのだとか。
メインは「おおいた和牛モモ肉のロティスリー」。「おおいた和牛」とは、大分県のブランド牛、豊後牛の上位等級(肉質4等級以上)のお肉のこと。豊後牛の歴史が始まった100年目の節目として、この呼称が誕生したようです。かねてより品質に定評があった豊後牛のエリートはおいしくないわけがなく、旨味の濃厚さに驚かされます。しっとりやわらかく、口の中で溶けていくかのよう。ほんのりビターな赤ワインソースとも絶妙なハーモニーを奏でます。
朝食ビュッフェは100種もの料理が勢ぞろい
朝食はビュッフェスタイル。地元産の野菜や海産物を使った100種類もの料理がビュッフェ台を彩ります。久住産玉子を用いたスクランブルエッグは見事なとろとろ感。厨房の石窯で焼き上げるクロワッサンは小麦の風味が引き立ちます。自家製の糠漬けや和惣菜も豊富なラインナップで、連泊して全制覇したくなるほどの充実ぶりでした。
今回筆者が利用した「展望デッキ付き洋室+朝夕食プラン」は1人1万8,700円から(2名1室/税・サービス料込)。豊かな高原に包まれる客室、魅惑のグルメ、温泉を楽しめるとあれば、十分価値あるお値段といえるはずです。2021年の自分へのご褒美に、とっておきの高原ステイを楽しんでみてはいかがでしょう?
[Photos by Nao]