日本料理の名匠が店主を務める一流割烹の老舗
昭和から続く喫茶店など、今なお懐かしい雰囲気が漂う新宿東口商店街。その一角に佇むのが「割烹中嶋」です。店舗があるのはオフィスビルの地下1階。大塚家具ショールームの裏手路地を進み、「鰯」と書かれた赤いのぼりを目指してください。
階段を下りると「中嶋」の暖簾がお出迎え。店主は日本料理の巨匠として知られる中嶋貞治さん。NHK「あさイチ」をはじめテレビ番組にも多数出演されているので、ご存知の方も多いかもしれません。
前身は、1931年に貞治さんの祖父が開いた「割烹 中嶋」。その後、独立分家した父・貞三さんが1962年に立ち上げたのがここ「新宿割烹 中嶋」になります。
©︎中庭愉生
貞治さんは20代の頃に京都で修業を積んだ後、亡き父の跡を継いで1980年に2代目店主に。関西割烹の伝統を守りつつも、新しい和の味覚も追求。2008年から14年連続でミシュランの星を獲得するなど、東京を代表する割烹として名を馳せます。
夜の懐石コースは1万1000円~ですが、昼定食は880円から用意。主役は豊洲から毎朝仕入れるイワシで、揚げ、煮物、刺身、塩焼き、柳川鍋の5種をそろえ、すべてが1000円以下! 2014年には「ミシュランガイド東京」で最もお得なランチとして紹介され、食通のあいだでは“都内の星付き店では最低価格のランチ”という呼び声も。
とはいえランチといえども、食材への妥協は一切なし。一流割烹のクオリティを気軽に堪能できると、開店と同時に行列ができるほどの人気ぶりです。それでは気になるランチメニューの人気ランキングを発表しましょう。
第3位 フライ定食(880円)
サクッと揚がった衣の中からイワシの旨味がじゅわりと溢れだす極上フライ。付け合わせのカレー風味のもやしが名脇役に。すべての昼定食は、ご飯おかわり1杯無料というのもうれしいところ。
第2位 刺身定食(880円)
イワシの脂のノリ具合を見て酢に通し、ゴマと生姜で和えるという職人の技が光る一品。ツマも季節ごとに変えるというこだわりぶりです。
第1位 柳川鍋定食(990円)
そして1位は、イワシのフライを玉子でとじた「柳川鍋」。貞治さんが考案した昼の看板メニューでもあります。迷ったときはまずはこちらをオーダーするといいでしょう。
熱々の状態で供される土鍋。衣がクタッとならないように絶妙な頃合いをみはからい、火からおろすそう。テーブルに置かれてもまだまだグツグツ…。立ち上る湯気と美味なる音に期待も高まります!
イワシのフライはサクッとした衣、出汁がしっとり染みた衣という2つの食感が絶妙。身はしっとり柔らかく、口の中で芳醇な旨味が広がります。魚特有のクセや臭いは皆無で、丁寧な手仕事が一目瞭然。玉ねぎの甘みが溶けだした出汁は奥深く、玉子は見事なまでふんわり。炊き立てのふっくらご飯もどんどん進みます。味噌汁、香の物も、シンプルながら味に奥行きがあり、さすがは名店といったおいしさです。
なお昼定食のおかずは660円で追加可能。(柳川鍋は700円/刺身orフライのハーフは385円)。ご飯のおかわりとともにおかずを一品追加するのもおすすめですよ。次回の新宿ランチは、名割烹の技をお得に楽しんでみてはいかがでしょうか?
住所 東京都新宿区新宿3丁目32−5 日原ビル B1
TEL 03-3356-4534
営業時間 11:30~14:00・17:30~21:00
定休日 日・祝
http://www.shinjyuku-nakajima.com
※2022年10月1日よりランチの価格改定を行う予定です。
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
※店舗営業については最新情報をご確認ください。