海外で不思議がられる、東京に住む人の暮らし3選〜欲しいものがない!?〜

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jun 9th, 2016

日本のような島国に住んでいると、ときどき外国人の日本人評に驚かされてしまいますよね? 「ええ、それって普通じゃないの?」とびっくりしてしまった経験、きっと一度くらいはあるはずです。

海外で不思議がられる・・・東京に住む人々の共通点3選

そこで今回は日本総合研究所がまとめた「2015年度アジア主要都市コンシューマインサイト比較調査」を参考に、アジアの大都市と東京に暮らす人々が、生活面や意識においてどれだけ違っているかをまとめます。

上述の調査は、東京を含んだアジアの主要13都市に住む中間層の男女合計7,000人近くを対象に行われています。対象年齢は20代から40代。各都市に暮らす人の生活の実態を取りまとめたインターネット調査の中から特徴的なポイントを厳選してまとめましたので、ぜひともチェックしてみてくださいね。

1:東京では一人暮らしが圧倒的に多い

海外で不思議がられる・・・東京に住む人々の共通点3選

この記事を読んでいる人の中には、東京で一人暮らしをしている人も少なくないはずです。しかし実はアジアの大都市では一人暮らしは“普通ではない”と分かります。

冒頭の調査には「一緒にお住いの人数は?」との問いがありますが、「一人暮らし」と答えた人の割合は、

北京(中国)・・・3%
上海(中国)・・・2%
広州(中国)・・・1%
デリー(インド)・・・0%
ムンバイ(インド)・・・0%
ジャカルタ(インドネシア)・・・1%
ハノイ(ベトナム)・・・1%
ホーチミン(ベトナム)・・・1%

などと、どのアジアの大都市もほとんど0%に近いと分かります。若干高かった街として、

クアラルンプール(マレーシア)・・・4%
バンコク(タイ)・・・4%

が挙げられていますが、それでもわずか4%。一方で驚きの日本の場合は、

東京・・・30%

という数字に・・・。上海の15倍、ホーチミンの30倍の割合ですね。

2:副業をしている人が少ない

海外で不思議がられる・・・東京に住む人々の共通点3選

日本に暮らしている日本人の感覚から行くと、なんとなく“仕事は1つ”といった暗黙の了解がありませんか?

最近は副業を認めるベンチャー企業の存在などがニュースで取り上げられていますが、ニュースで報じられる理由はレアだから。やはり「副業なんてしていないで、本業に専念しろ・・・」といった空気があるような気がします。

しかし、そんな風に働いている人は東京(日本)の人たちだけかも・・・!? 「あなたの世帯に“副収入”のある方はいますか?」との問いに対して、「ない」と答えた人の割合は、

東京・・・69%

と過半数を超えています。一方でアジアの大都市の暮らす人々は「No」の割合が、

北京・・・19%
上海・・・13%
広州・・・13%
ジャカルタ・・・13%
ハノイ・・・13%
マニラ(フィリピン)・・・19%

とかなり低いと分かります。副業による収入がない人(世帯)は、むしろ少数派なのですね。

もちろん質問は「あなたの“世帯”に副収入のある方はいますか?」。一人暮らしの比率が高い東京の人と違って、アジアの大都市では同居している“誰か”が副業をしているのかもしれません。しかし、副業は副業。本人を含めて誰かは副業をしているのですね。

そう言われてアジアの大都市に暮らす友人を思い浮かべてみると、例えばテレビ局で働きながら海外旅行のツアーガイドをしている人や、建設業に従事しながら作詞の仕事で収入を得ている人などが思い出されます。

本業だけでは十分に食べていけない環境も一部にはあるのかもしれませんが、仕事に対する姿勢が、アジアの人はより柔軟なのかもしれませんね。

3:高級品を欲しがらない

海外で不思議がられる・・・東京に住む人々の共通点3選

冒頭の調査をみると、東京(日本)の人はアジアの大都市に暮らす人々と比べて、極端に物を欲しがっていないと分かります。

例えば高級腕時計を「3年以内に購入したい、買い替えたいと思うか?」との質問に、「Yes」と答えた人の割合は、ほとんどの大都市で3割~4割に達しています。しかし東京の場合は1割程度・・・。

ブランドバッグに関して欲しい人の割合を見ると、ベトナムのホーチミンとハノイ、インドネシアのジャカルタ、インドのムンバイなどで4割を超えている一方、東京では1割程度。

むしろ東京に暮らす人は、5割近くが「バッグも時計もアクセサリーも何も欲しくない、買い替える予定はない」と答えています。他の大都市で「何も欲しくない」と答えている人の割合は、1割を切っているケースの方が圧倒的に多いです。

「もう、既に持っているからじゃない?」と疑いたくなりますが、「あなたの世帯に属する人が所有している高級アイテムは?」との質問に対し、東京の人はバッグも腕時計もアクセサリーも2~3割の人(世帯)しか持っていないと分かります。アジアの大都市に暮らす人と同程度か、むしろ少ないレベル・・・。

家電などの耐久消費財でも一緒です。「ホームシアター、一眼レフカメラ、ゲーム機などを3年以内に(世帯の誰かが)買う(買い替える)予定は?」との質問に、東京に住む6割の人が「どれもない」と答えています。

一方でインドのデリーやムンバイ、インドネシアのジャカルタ、ベトナムのハノイやホーチミンなどに暮らす人の場合、「どれもない」の回答は1割を切っています。

海外で不思議がられる・・・東京に住む人々の共通点3選

以上、アジアの大都市に暮らす人々と比べて、東京の人が異なっているポイントをまとめましたが、いかがでしたか? 

それ以外にも気になる数字として、幸福度の違いも挙げられます。「あなたは幸せですか?」との問いに対する幸福度を点数化すると、日本は最下位。「とても幸せ」「幸せ」の比率はわずかに40%と数値が出ています。特に「家計の状況」「仕事の状況」「地域の人間関係」「家族関係」に関して満足度が低いようです。

例えばインドのデリーやムンバイの人は、「とても幸せ」「幸せ」と感じる人の割合がそれぞれ90%と87%。インドネシアのジャカルタの人も88%。北京の人は61%、上海の人は65%です。

東京に暮らしながらいまいち幸せを感じられない人は、「幸せ!」と言い切っている人々の国に、一度遊びに出かけてみるといいかもしれませんね。

海外で不思議がられる・・・東京に住む人々の共通点3選

[2015年度アジア主要都市コンシューマインサイト比較調査 – 日本総合研究所]
[All photos from Shutterstock]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

SHARE

  • Facebook