Wikipedia より
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国の登録有形文化財の観覧車
【函館公園こどものくに空中観覧車の歩み(抜粋)】
1950年(昭和25年):大沼公園(七飯町)に観覧車が設置される
1965年(昭和40年):観覧車が函館公園こどものくにへ移設される
2019年(令和元年):観覧車が国の文化審議会の答申により、国の登録有形文化財となる
2021年(令和3年): 新型コロナウイルス感染症の影響で存続の危機に直面した函館公園こどものくにがクラウドファンディングを実施する
観覧車といえば、どこの観覧車を思い浮かべますか? 地域によって全く違ってくるはずで、北陸の富山に暮らす筆者の場合は、富山県魚津市にある遊園地の「ジャイアントホイール」が真っ先に思い浮かびます。
関東の人であれば横浜の「コスモクロック21」でしょうか。中部の人は名古屋の「Sky-Boat」、関西の人は日本一の高さを誇る大阪の「Redhorse OSAKA WHEEL」かもしれません。
では、日本最古の観覧車といえば、どこかご存じでしょうか? 観覧車は、大きさばかりが注目されがちなので、日本一の歴史の古さとなると、なかなか名前が出てこないですよね。
答えは、北海道の函館市青柳町にあります。函館市といえば、もちろん、北海道の南にあるあの美しい都市です。
その函館市にある「函館公園こどものくに」に設置された「函館公園こどものくに空中観覧車」が日本最古と言われていて、その誕生の歴史は1950年(昭和25年)にまでさかのぼります。
1989年(平成元年)には観覧車の歴史と価値が評価され、国の登録有形文化財にも指定されました。いわば、国からお墨付きをもらう「日本最古の観覧車」なのですね。
1950年(昭和25年)につくられた観覧車
登録された文化財の概要を確認してみましょう。
函館公園こどものくに空中観覧車の誕生年は1950年(昭和25年)ですが、最初は別の場所に建てられました。国定公園にも指定される函館近郊の大沼公園(七飯町)が生誕地で、1965年(昭和40年)に現在の場所に移設されたのですね。
鉄骨造の観覧車全体の高さは10m。ホイールは、円形ではなく八角形です。直径は8m。2人乗りのカラフルな長椅子型ゴンドラが2本背合わせのホイールの角に8カ所、挟まれるように設置されています。
造形の規範となる建築物で、
<現役で稼働する現存最古の観覧車で,函館公園の象徴的存在> (函館市の公式サイトより引用)
といった点が評価されたみたいですね。
観覧車を支える支柱には「日本最古のかんらんしゃ」 との文言も見られます。
「函館公園こどものくに空中観覧車」は子どもが主役
函館公園 ©️公益社団法人北海道観光振興機構
この観覧車について、地元の有名ラジオ局「FMいるか」が公式サイトで音声コンテンツを公開してくれています。実際に観覧車に乗った際の音声を録音して公開してくれているので、「この観覧車は乗り降りの際に1回停まる」 など、スタッフの方の声も聞こえてきます。
同規模の観覧車であれば、カナダのモントリオールで開かれる冬の祭典「モントリオール・ルミエール」で、筆者にも試乗体験があります。確かに、その小さな観覧車も乗り降りの際に毎回、止まっていました。
しかし、回転速度については大きく違うようです。カナダの小型観覧車は「普通の」大きな観覧車と比べて無茶苦茶速く、何周もぐるぐる回って乗客を楽しませた上で止まっていました。
函館公園こどものくに空中観覧車は子どもが主役のため、もっとゆっくりと回るようです。
同園が実施した、クラウドファンディングの呼びかけによれば、積雪や悪天のために冬季(11月中旬〜3月中旬)を除く半年ほどしか営業していないといいます。
冬に入る前に函館旅行を計画して、この日本最古の観覧車に一度乗ってみてはいかがでしょうか。
函館公園こどものくに
住所:北海道函館市青柳町17-4
電話:0138-22-5039
営業時間:平日11:00〜16:00、土日祝10:00〜17:00*春休み・夏休み・GWは祝日扱い
休園日:雨天時、11月中旬〜3月中旬
料金:入園料無料、きっぷ1枚300円、得々きっぷ8枚2,200円
公式サイト:
https://kodomonokuni.sakuraweb.com/
[参考]
※ 日本最古の観覧車の遊園地がピンチ 資金募る – 朝日新聞 ※ 日本最古の観覧車がある、函館公園「こどものくに」の存続に皆様の力を貸してください – CAMPFIRE ※ 「函館公園こどものくに空中観覧車」が新たに国の登録有形文化財に登録されました – 函館市 ※ 函館公園こどものくに空中観覧車 – 文化遺産オンライン ※ 函館ノオト #069 函館公園こどものくに – FMいるか ※ 函館公園こどものくに
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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