『日本記録』にも登録
胎内市の様子
「山脈」という言葉と聞いて、どのような印象を抱きますか? ヒマラヤ山脈やアンデス山脈、飛騨山脈、木曽山脈など、険しい山の巨大な連なりを連想する人がほとんどだと思います。
辞書や百科事典的に言えば、
<細長く連なる山地>(『ブリタニカ国際大百科事典』より引用)
<多くの山がつらなって、顕著な脈状をなしている山地。「山地」より高くてけわしい山々にいうことが多い>(『精選版 日本国語大辞典』より引用)
などと書かれています。
多くの山が連なる、広大で長大な山々を総称して「山脈」と呼ぶようですから、上述の印象は間違っていないようです。
しかし、この山脈にも、大小さまざまあるとご存じでしたか? 例えば、日本で最も小さい山脈として、日本記録認定協会の『日本記録』に登録される山脈が新潟県にあります。
その名を、「櫛形(くしがた)山脈」と言います。新潟のどこにあるどのような山脈なのか、ご存じでしょうか?
新宿駅から調布駅の直線距離よりも短い
Googleマップより画像引用
櫛形山脈とは、最高峰567.9mの櫛形山(山梨県にも同名の有名な山があり)を含む越後平野北部の山脈です。
両端を川に切られているため、山脈全体の長さが約13.5kmと短く、新潟県胎内市、新発田市が発行するパンフレットには「日本で一ばん小さい山脈」と記載されています。
13.5kmを短いと感じない人もいるかもしれません。しかし、あくまでも山脈というイメージで考えてみてください。東京都内で言えば、新宿駅から調布駅までの直線距離よりもちょっと短いくらいです。
山脈の尾根伝いに歩き、多くの山頂を踏破する縦走という登山形式があります。縦走は普通、大変な日数と労力、技術が求められます。
しかし、櫛形山脈の場合は、ハイキングコースが尾根に整備されている上に、ロイヤル胎内パークホテルなど登山の基地となる場所もあって、尾根伝いの距離も短く、標高平均も300mと起伏も少ないので、その気になれば1日で縦走できてしまいます。
<たった一日で縦走できるのは、全国でおそらくここだけでしょう>(『日本で一ばん小さい山脈 櫛形山脈 史跡と豊かな自然を求めて 県立自然公園』より引用)
スマホ用登山アプリとしてNo.1と評価されるアプリ『YAMAP』にも、櫛形山脈を気持ち良く縦走する登山愛好者たちの記録が掲載されています。
外出には本当に、いい季節になってきました。「今年こそ登山デビューしたい」だとか「最近山に行っていない」だとかという人は、日本最小の山脈で縦走にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
山開きもすでに迎えています。新緑の中でエネルギーをもらいながら、縦走の充実感と楽しさをお手軽に味わってみてくださいね。
[参考]
※ 日本で最も小さな山脈 – 日本記録
※ 櫛形山(新潟県) – YAMAP
※ 日本で一ばん小さい山脈 櫛形山脈 史跡と豊かな自然を求めて 県立自然公園
※ 越後平野の成り立ち – 国土交通省
※ 櫛形山脈(櫛形山) – にいがた観光ナビ
※ 日本一小さい山脈は、櫛形山脈 – ニッポン旅マガジン
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