伝統の製法が受け継がれる砺波名物「大門素麺」
こちらのお土産をいただいたとき、筆者はこれが何なのかすぐにわかりませんでした。
手のひらサイズの容器。オレンジと黄色のチューリップの花の飾りが散りばめられた可愛らしいビジュアル。
裏面に記載された商品説明には、「名称:手延べ干しめん」の文字。これを見て、ようやく、これは素麺なのだと理解しました。
こちらの商品名は、「knot charm tulip」。富山県砺波(となみ)市大門にある柿里商店が、ひとつひとつ手作業で作る高級手延べ素麺です。
細く長い麺を丸まげ状に丸めたユニークな形は、砺波市大門(おおかど)地区で江戸時代から作り続けられている手延べ素麺「大門素麺」の特徴のひとつ。この形は全国的に見ても珍しく、現在は生産者が数件となった希少な素麺であり、世界に誇る砺波名物です。
江戸時代、加賀藩前田家御用達の製麺技術が大門地区に伝わり、以来170年以上伝統製法が受け継がれてきました。冬から晩春にかけて最盛期を迎える「寒造り」という製法で、鉢伏山から吹き下ろす寒風で乾麺に仕上げることにより、よく締まった素麺に仕上がるそう。
柿里商店では、「knot charm tulip」のように、お花のような形の素麺を製造しています。美しく華やかなので、お祝い事のカジュアルギフトやプチギフトにもよさそうですね。
色鮮やかなお花が映える「knot charm tulip」
それでは早速調理していきましょう。まずはたっぷりのお湯(茹でる乾麺の量の10倍ほどが目安)をわかします。
次に、沸騰した中に容器の中の麺をすべて入れ、触らず1分ほどおき、そのあと3分ほど箸でほぐしながら茹でます。茹で時間は目安なので、お好みで調節してくださいね。
茹で上がったらザルにとり冷水でよくしめたら、できあがり。真っ白な素麺に、色鮮やかなお花が映えますね!
それでは、ひんやり冷やした麺つゆも用意して、いただいてみましょう。
このツヤツヤ感、写真で伝わるでしょうか。つるりとなめらかで、心地よいのどごし。いつも食べている素麺より少し太めで、もっちりとしたコシも感じます。
昔から続く伝統の製法や、熟練の職人技により、このおいしさをを生んでいると思うと、その感慨深さもひとしおです。
可愛らしいお花が、気分も華やかにしてくれます。目でも舌でも楽しめる、素敵な素麺でした。
どこで買える?
「knot charm tulip」は、富山県砺波市にある柿里本店 花御堂や、オンラインショップ、富山県のアンテナショップ 日本橋とやま館でも購入可能です。富山でのお土産選びの参考にしてみてくださいね。
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
[Photos by Sayaka Miyata]